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建築法規

令和8年度 一級建築士 学科 直前完全模試【法規】30問|本試験形式

いよいよ明日、令和8年度一級建築士学科試験の本番を迎えます。この記事は、本試験と同じ30問という問題数に合わせて筆者(当サイト)が独自に作成した、法規科目のオリジナル直前模試です。実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありませんが、直前期の最終確認として、四肢択一・法令集持込みという本試験と同じ条件で通して解いてみることを想定して構成しました。

本試験の法規科目の試験時間は、学科III(法規)と学科IV(構造)をあわせて2時間45分ですが、このうち法規30問にかけられる時間の目安はおよそ1時間45分(105分)、1問あたり3.5分程度です。本番では見直しの時間も必要になるため、今日のうちにこの30問を105分以内で通しで解き切れるかどうか、時間配分の感覚を最終確認しておくことをおすすめします。法令集を引く時間がかかりそうな問題は後回しにし、確信を持って答えられる問題から確実に得点する、という判断を早めに行う練習にもなります。

出題にあたっては、用語・面積算定から集団規定、手続き規定、構造・設備関係規定、建築士法、関連法規までの本試験と同様の分野配分としたうえで、7割程度を法規科目で毎年問われる頻出論点(数値パターンや聞き方を変えたオリジナル問題)で構成し、残り3割程度に令和8年度試験で初めて出題範囲に入る新しい論点を組み込んでいます。特に令和7年11月1日に施行された建築基準法施行令改正の8項目(内装制限の緩和・小屋裏隔壁の緩和・無窓居室の判定基準見直し・防煙壁の対象拡大・自然排煙口の建材規制緩和・敷地内通路の見直し・既存不適格建築物への制限緩和・昇降機の規制範囲見直し)は、資格学校各社が令和8年度試験向けの重点分野として挙げている改正であり、施行から日が浅いために本記事の作成時点ではまだ十分に対策記事が出回っていない可能性があります。問1〜問8で集中的に取り上げていますので、直前期に必ず一度は目を通しておいてください。

計算問題は容積率・建蔽率・高さ制限・採光補正係数・延べ面積の算定から5問用意しています。法令集の該当条文をすぐに開けるかどうかも含めて、実戦形式で確認してください。

なお、法令の数値・施行日はできる限り公的機関の公表資料等に基づいて確認していますが、本記事は独自予想問題であり、内容の正確性を完全に保証するものではありません。本番直前は、疑問に思った箇所を必ずご自身の法令集・国土交通省等の公表資料で再確認してください。


出題内訳

問題番号分野
問1〜8令和7年11月1日施行 建築基準法改正8項目
問9〜12単体規定(耐火・避難・防火・排煙)
問13用語の定義
問14〜18集団規定・計算問題(容積率・建蔽率・高さ制限・採光・延べ面積)
問19〜21用途地域・工作物・構造計算適合性判定
問22〜24木造構造規定・昇降機・建築士の工事監理業務
問25〜30令和8年度新出論点(省エネ・業務範囲拡大・四号特例・盛土規制法・バリアフリー法・建設業法)

直前模試30問

問1 小屋裏隔壁に係る制限の緩和(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築面積が300㎡を超える木造の小屋組の建築物では、小屋裏の直下の天井を強化天井とするか、小屋裏の空間を間隔12m以内ごとに準耐火構造の隔壁で区画することが原則として求められる。
  2. 令和7年11月1日施行の改正により、この小屋裏隔壁の設置義務について、防火・避難上の安全性を確保できる一定の基準を満たす建築物に対する新たな適用除外が設けられた。
  3. 小屋裏隔壁の規定は、天井を強化天井とする方法と隔壁で区画する方法のいずれかを選択できる仕組みであり、この選択制自体は今回の改正によって廃止された。
  4. 小屋裏隔壁に関する規定は建築基準法施行令第114条に定められており、界壁・間仕切壁の防火措置とあわせて同一の条文で扱われている。

解答・解説

正答は3です。

  • 1は正しい記述です。建築面積300㎡超の木造小屋組の建築物には、強化天井とする方法又は間隔12m以内ごとに準耐火構造の隔壁で小屋裏を区画する方法のいずれかが、原則として求められます(令第114条第2項・第3項)。
  • 2は正しい記述です。令和7年11月1日施行の改正により、令第114条第3項に新たな適用除外(三号)が新設され、一定の防火・避難上の安全性を確保できる建築物については、小屋裏隔壁の設置義務が緩和されました。
  • 3が誤りです。強化天井とする方法と隔壁で区画する方法のいずれかを選択できるという選択制の仕組み自体は今回の改正でも維持されており、廃止されていません。今回追加されたのは新たな適用除外の類型であり、既存の選択制を廃止するものではありません。
  • 4は正しい記述です。小屋裏隔壁の規定は令第114条に置かれており、同条は界壁・間仕切壁・防火壁等の防火措置をあわせて定める条文です。

改正条文は「何が新しく追加されたか」を問う形が中心で、既存の仕組み自体が廃止されたと誤読させる選択肢が定番のひっかけです。


問2 防火区画等に係る内装制限の緩和(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年11月1日施行の改正により、高層区画・竪穴区画の緩和において、従来の不燃材料・準不燃材料による仕上げ・下地に加えて、木材をあらわしとした場合でも一定の性能を確保できる措置が新たに認められるようになった。
  2. この改正で追加された措置は、内装の仕上げ及び下地を国土交通大臣が定める構造方法(告示)に適合させることを前提としており、木材を使用しさえすれば性能の確認なしに認められるものではない。
  3. この改正による緩和は、竪穴区画・高層区画の内装制限にとどまらず、面積区画についても同様の木材による緩和措置が新たに適用されるようになった。
  4. 内装制限の合理化は、木材利用の促進という政策目的と、防火安全性の確保を両立させる方向で進められている改正の一つである。

解答・解説

正答は3です。

  • 1・2は正しい記述です。令和7年11月1日施行の建築基準法施行令改正(令和7年9月3日政令第310号)により、令第112条の高層区画(床面積100㎡ごとの区画を200㎡又は500㎡まで緩和する規定)や竪穴区画の内装制限の合理化において、不燃材料・準不燃材料による什上げ・下地に加え、国土交通大臣が定める構造方法(告示第988号・第989号)に適合する木材あらわしの措置が新たに認められました。木材を使えば無条件に認められるわけではなく、告示に定める構造方法への適合が前提です。
  • 3が誤りです。今回の内装制限の合理化は高層区画・竪穴区画に関する緩和であり、面積区画には同様の木材による緩和措置は適用されていません。区画の種類ごとに緩和の対象が異なる点が、この改正のひっかけになりやすいポイントです。
  • 4は正しい記述です。この改正は、脱炭素・木材利用促進という政策的背景と、防火区画としての安全性確保を両立させることを目的としています。

令和7年11月1日施行の建築基準法改正8項目は、令和8年度試験で初めて出題範囲に入る論点です。「面積区画は対象外」という限定を必ず押さえてください。


問3 無窓居室の判定基準の見直し(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 排煙上の無窓居室に該当するかどうかを判定する際の開放できる部分の範囲は、令和7年11月1日施行の改正により、天井の高さにかかわらず床面から高さ1.8m以上の部分によって判定する取り扱いに統一された。
  2. 令和7年11月1日施行の改正により、天井の高さが2.6mを超える居室については、床面から高さ1.8m以上の部分にある開放できる開口部の面積によって、排煙上の無窓居室に該当するかどうかを判定する取り扱いが新たに導入された。
  3. 天井の高さが2.6m以下の居室についても、令和7年11月1日施行の改正によって判定基準の対象範囲が床面から1.8m以上の部分に変更された。
  4. 排煙上の無窓居室の判定基準の見直しは、居室の採光に関する無窓居室の判定基準にも同一の内容でそのまま適用される。

解答・解説

正答は2です。

  • 1は誤りです。床面から高さ1.8m以上の部分による判定に統一されたのではなく、天井の高さに応じて基準が使い分けられる取り扱いになりました(天井高2.6m以下は従来どおり天井から下方80cm以内、2.6m超の場合に限り床面から1.8m以上という新たな取り扱いが導入されました)。
  • 2は正しい記述です。令和7年11月1日施行の改正(令第116条の2第1項第二号関係、国土交通省告示第992号)により、天井の高さが2.6mを超える居室については、床面から高さ1.8m以上の部分にある開放できる開口部の面積が居室の床面積の1/50以上であることによって判定する取り扱いが新たに導入されました。天井の高い大空間ほど、天井付近だけでなく壁面の広い範囲を排煙上有効な開口部として算入できるようになった改正です。
  • 3は誤りです。天井の高さが2.6m以下の居室については、従来どおり天井から下方80cm以内の部分による判定が維持されており、床面から1.8m以上に変更されたのは天井高2.6m超の居室に限られます。
  • 4は誤りです。今回の見直しは排煙上の無窓居室の判定基準に関するものであり、採光関係・換気関係の無窓居室の判定基準にそのまま適用されるものではありません。無窓居室には採光・換気・排煙・避難の複数の類型があり、それぞれ判定基準が異なる点に注意が必要です。

天井高2.6mという具体的な閾値と、「以下は従来どおり・超えると新基準」という条件分岐を正確に押さえることがこの論点の核心です。


問4 防煙壁として扱える対象の拡大(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 防煙壁は、火災時に発生する煙を一定の区画内にとどめ、避難経路への流入を防ぐために設けられる、天井から下方に一定の距離以上突出した垂れ壁等をいう。
  2. 令和7年11月1日施行の改正前は、防煙壁として認められる材料は不燃材料に限られていたが、改正後は、国土交通大臣が定める基準に適合する準耐火構造の木材あらわしの垂れ壁等も防煙壁として扱えるようになった。
  3. 改正後に木材あらわしの防煙壁を用いる場合、床面から防煙壁の下端までの垂直距離の基準は、防煙区画の床面積が大きいほど短い数値が適用される。
  4. 防煙壁の対象拡大は、内装制限の合理化や無窓居室の判定基準見直しと同様に、令和7年11月1日施行の建築基準法施行令改正に含まれる項目の一つである。

解答・解説

正答は3です。

  • 1は正しい記述です。防煙壁は、天井面から下方に突出した垂れ壁等により煙を一定範囲にとどめ、避難時間を確保するための区画です。
  • 2は正しい記述です。令和7年11月1日施行の改正(令第126条の2関係、国土交通省告示第994号)により、従来は不燃材料に限られていた防煙壁について、告示に適合する準耐火構造の木材あらわしの垂れ壁等も防煙壁として扱えるようになりました。
  • 3が誤りです。木材あらわしの防煙壁を用いる場合の床面から下端までの垂直距離の基準は、防煙区画の床面積に応じて段階的に定められており(おおむね3.0m〜5.0mの範囲で床面積が大きいほど長い距離が必要)、床面積が大きいほど短い数値になるという説明は、この関係を逆にしています。
  • 4は正しい記述です。防煙壁の対象拡大は、内装制限の合理化・無窓居室の判定基準見直しと同じく、令和7年11月1日施行の建築基準法施行令改正8項目に含まれます。

木材利用系の改正は「基準に適合すれば認める」という条件付きの緩和がほとんどで、「一律」「無条件」に近い表現が誤りの選択肢に使われやすい点に注意してください。


問5 自然排煙口に係る建築材料規制の緩和(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 排煙設備には、開口部からの自然の対流によって排煙する自然排煙と、排煙機を用いて強制的に排煙する機械排煙の2つの方式がある。
  2. 令和7年11月1日施行の改正前は、排煙口の構造について、自然排煙・機械排煙のいずれの方式であっても不燃材料で造ることが求められていた。
  3. 令和7年11月1日施行の改正後も、自然排煙口については、機械排煙口と同様に不燃材料で造ることが引き続き求められている。
  4. 令和7年11月1日施行の改正により、排煙口を不燃材料で造ることを求める規制は、排煙機を設ける機械排煙の排煙口に限定されることとなった。

解答・解説

正答は3です。

  • 1は正しい記述です。排煙設備には自然排煙と機械排煙の2方式があり、建築物の規模・用途に応じて使い分けられます。
  • 2は正しい記述です。改正前は、排煙口の構造について自然排煙・機械排煙を区別せず、いずれも不燃材料で造ることが求められていました。
  • 3が誤りです。令和7年11月1日施行の改正(令第126条の3関係)により、不燃材料で造ることを求める規制は排煙機を設ける機械排煙の排煙口に限定され、自然排煙口については不燃材料による構造としなくてもよいこととされました。「自然排煙口も引き続き不燃材料が求められる」という説明は誤りです。
  • 4は正しい記述です。3で述べたとおり、不燃材料要件は機械排煙の排煙口に限定されることとなりました。

自然排煙と機械排煙という2方式のうち、どちらに規制が残り、どちらが緩和されたかを正確に対応させることがこの論点の得点ポイントです。


問6 避難上・消火上必要な敷地内通路の見直し(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 主要構造部の全部又は一部が木造の建築物で延べ面積が1,000㎡を超えるものは、原則として、隣地境界線及び他の建築物との間に一定幅員以上の敷地内通路を設けなければならない。
  2. 令和7年11月1日施行の改正により、延べ面積1,000㎡を超える大規模木造建築物等の幅員3mの敷地内通路について、国土交通大臣が定める基準に適合する場合に通路の一部を除外できる規定が新たに設けられた。
  3. この改正で新設された除外規定は、幅員3mの敷地内通路の数値基準そのものを2mに引き下げる改正であり、大臣が定める基準への適合を条件とする適用除外という性格のものではない。
  4. 敷地内通路の規定は、火災時の消火活動や避難のための通路を確保することを目的としており、建築基準法施行令第128条の2に定められている。

解答・解説

正答は3です。

  • 1は正しい記述です。主要構造部の全部又は一部が木造で延べ面積1,000㎡を超える建築物は、原則として隣地境界線及び他の建築物との間に敷地内通路(幅員1.5m又は3m等)を設けなければなりません。
  • 2は正しい記述です。令和7年11月1日施行の改正により、大臣が定める基準に適合する建築物について、幅員3mの敷地内通路の一部を除外できる規定が新設されました。
  • 3が誤りです。この改正は、通路の幅員の数値基準そのものを引き下げるものではなく、大臣が定める基準に適合する部分に限って通路の設置を除外できるという、限定的な適用除外規定を新設したものです。「幅員3mの基準を2mに引き下げる改正」という説明は、条件付きの適用除外と数値基準そのものの改正を取り違えています。
  • 4は正しい記述です。敷地内通路は消火活動・避難のための通路確保を目的とし、令第128条の2に定められています。

改正の多くは「基準を満たす部分に限った除外」という限定的な緩和であり、「数値基準そのものの引き下げ」と混同させる選択肢が定番のひっかけです。


問7 既存不適格建築物に対する制限の緩和(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 既存不適格建築物とは、建築された時点から建築基準法令の規定に違反していた建築物のうち、特定行政庁による是正命令が猶予されているものをいい、その後の法改正によって現行の規定に適合しなくなった建築物はこれに含まれない。
  2. 令和7年11月1日施行の改正により、既存不適格建築物の屋根・外壁・軒裏の防火・耐火に関する規定について、大規模の修繕・模様替を行う場合の緩和の範囲が追加された。
  3. この改正で追加された緩和の対象は、建築物の構造耐力上の危険性を増大させる修繕・模様替であっても、確認済証を交付した建築主事等の承認を受ければ適用される。
  4. 既存不適格建築物に関する制限の緩和は、構造耐力関係規定を対象として新設されたものであり、防火・耐火関係規定について緩和が設けられたことはこれまで一度もない。

解答・解説

正答は2です。

  • 1は誤りです。既存不適格建築物とは、建築時には適法であったが、その後の法改正によって現行の規定に適合しなくなった建築物をいいます。建築された時点から法令に違反していた建築物は「違反建築物」であり、既存不適格建築物とは全く別の概念です。両者の定義を入れ替えた説明になっています。
  • 2は正しい記述です。令和7年11月1日施行の改正(令第137条の12第2項〜第6項の新設)により、既存不適格建築物の屋根・外壁・軒裏の防火・耐火に関する規定について、大規模の修繕・模様替を行う場合に適用される緩和の範囲が追加されました。
  • 3は誤りです。既存不適格建築物に対する緩和措置は、当該建築物の構造耐力上の危険性を増大させないものであることが前提とされており、建築主事等の承認を受けたとしても、危険性を増大させる修繕・模様替にまで適用が拡大されるものではありません。
  • 4は誤りです。今回新設されたのは屋根・外壁・軒裏の防火・耐火関係規定の緩和であり、構造耐力関係規定の緩和(令第137条の2以下)は今回の改正以前から別途設けられています。今回の改正が構造耐力関係規定を対象とするという説明は誤りです。

既存不適格建築物の緩和規定は、「危険性を増大させないもの」という条件が繰り返し登場する分野です。この前提条件を外した記述が誤りとして頻出します。


問8 エレベーター・小荷物専用昇降機の規制範囲の見直し(令和7年11月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年11月1日施行の改正により、労働安全衛生法令上の簡易リフトについては、建築基準法施行令のエレベーター又は小荷物専用昇降機に係る規定の適用対象から除外された。
  2. この改正でいう簡易リフトとは、かごの床面積が1㎡以下又はかごの天井の高さが1.2m以下であって、荷物のみを運搬することを目的とするもの等をいう。
  3. この改正により、労働安全衛生法令の規制を受ける簡易リフトについては、建築基準法に基づく確認申請や定期報告が不要となった。
  4. この改正は、労働安全衛生法令と建築基準法令の両方で二重に規制を受けていた簡易リフトについて、労働安全衛生法令上の規制を廃止し、以後は建築基準法令の基準に一本化して安全性を確保することとしたものである。

解答・解説

正答は4です。

  • 1〜3は正しい記述です。令和7年11月1日施行の改正(令第129条の3関係)により、労働安全衛生法令上規制されている簡易リフト(かごの床面積1㎡以下又は天井高さ1.2m以下で、荷物のみを運搬する等の要件を満たすもの)は、建築基準法施行令のエレベーター・小荷物専用昇降機に係る規定の適用対象から除外され、確認申請や定期報告も不要となりました。
  • 4が誤りです。この改正で適用対象から除外されたのは建築基準法令の側の規定であり、労働安全衛生法令による規制は引き続き適用されます。規制が除外される法令と規制が残る法令とを逆にした説明です。建築基準法令とほぼ同等の安全性が労働安全衛生法令によって確保されていることが、除外の前提となっています。

法令間の重複を整理する改正では、どちらの法令の規制が除外され、どちらの法令に規制が残るのかを逆にした選択肢が定番のひっかけです。規制の残る側を必ず確認してください。


問9 耐火建築物の主要構造部の技術的基準

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 耐火建築物の主要構造部は、政令で定める技術的基準に適合するもの、又は国土交通大臣の認定を受けたもののいずれかに該当するものでなければならない。
  2. 主要構造部が耐火性能検証法による検証によって耐火性能を有することが確かめられた構造である場合も、政令で定める技術的基準に適合するものとして扱われる。
  3. 耐火性能検証法は、建築物の各部分に要求される耐火時間を、実際に想定される火災の継続時間や部材の断面等に基づいて個別に検証する手法であるが、検証の結果算定される耐火時間は、階数や用途によらず2時間に固定される。
  4. 主要構造部に要求される耐火時間は、建築物の階数(最上階からの階数)や用途、規模等に応じて異なる基準が定められている。

解答・解説

正答は3です。

  • 1・2は正しい記述です。耐火建築物の主要構造部は、令第107条等の技術的基準(耐火性能検証法を含む)に適合するもの、又は大臣認定を受けたもののいずれかであることが求められます。
  • 3が誤りです。耐火性能検証法は、建築物の各部分について、実際に想定される火災の継続時間や部材の仕様等に基づいて耐火性能を個別に検証する手法であり、階数や用途に応じて算定される耐火時間は建築物ごとに異なります。「検証の結果算定される耐火時間は階数や用途によらず2時間に固定される」という説明は誤りです。
  • 4は正しい記述です。主要構造部に求められる耐火時間は、最上階からの階数や用途、規模に応じて段階的に定められています。

耐火建築物の技術的基準は「仕様規定(一律の基準)」と「性能規定(個別検証)」の2系統があるという整理が理解の土台になります。


問10 2以上の直通階段の設置義務

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 共同住宅で、6階以上の階に居室を有するものは、原則として避難階又は地上に通ずる直通階段を2以上設けなければならない。
  2. 劇場、映画館等の客席を有する階で、その階に客用の出口が1か所しかないものは、階数や床面積にかかわらず、2以上の直通階段の設置義務の対象とはならない。
  3. 病院、診療所(患者の収容施設があるもの)等の用途に供する階で、その階における当該用途に供する部分の床面積の合計が一定規模を超えるものは、2以上の直通階段を設けなければならない。
  4. 2以上の直通階段の設置義務は、火災時に一つの避難経路がふさがれた場合でも、もう一つの経路によって避難できるようにするという、二方向避難の考え方に基づいている。

解答・解説

正答は2です。

  • 1・3は正しい記述です。共同住宅の6階以上の階に居室を有するもの、病院・診療所等で当該用途に供する部分の床面積が一定規模を超える階は、いずれも2以上の直通階段の設置義務の対象です。
  • 2が誤りです。劇場・映画館等の客席を有する階についても、主階が1階にない場合や、その階の床面積・収容人員等が一定の基準を超える場合には、2以上の直通階段の設置義務の対象となります。「階数や床面積にかかわらず対象とはならない」という説明は誤りです。
  • 4は正しい記述です。2以上の直通階段の設置義務は、避難経路の冗長性を確保する二方向避難の考え方に基づく規定です。

2以上の直通階段の設置義務は、用途ごとに異なる床面積・階数の要件(令第121条)を伴う複合的な規定です。「対象とならない」という限定的な断定は特に慎重に検討してください。


問11 準防火地域内の延焼のおそれのある部分と防火設備

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 延焼のおそれのある部分とは、隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物間の中心線から、1階部分は3m以下、2階以上の部分は5m以下の距離にある建築物の部分をいうのが原則である。
  2. 準防火地域内にある木造建築物等は、その外壁で延焼のおそれのある部分を防火構造とするなど、一定の技術的基準に適合させなければならない。
  3. 延焼のおそれのある部分にある開口部には、原則として防火設備を設けなければならないが、この防火設備には、火災時に炎を一定時間遮る遮炎性能が求められる。
  4. 準防火地域内において、地階を除く階数が4以上の建築物は、延べ面積の規模によらず、準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有する建築物とすれば足りる。

解答・解説

正答は4です。

  • 1〜3は正しい記述です。延焼のおそれのある部分の距離基準(1階3m以下・2階以上5m以下)、準防火地域内の木造建築物等の外壁の防火構造化、延焼のおそれのある部分の開口部への防火設備の設置義務(遮炎性能を含む)は、いずれも基本的な規定です。
  • 4が誤りです。準防火地域内では、地階を除く階数が4以上の建築物は、延べ面積にかかわらず、原則として耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有する建築物としなければならず、準耐火建築物等では足りません。要求される水準を1段階低いものにすり替えた説明です。

準防火地域内の構造制限は、階数・延べ面積の区分ごとに要求水準(耐火・準耐火・防火構造等)が細かく分かれている点が出題の核心です。どの区分にどの水準が対応するかを正確に押さえてください。


問12 排煙設備の設置義務

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 階数が3以上の建築物では、用途にかかわらず、延べ面積が300㎡を超えるものについて、原則として排煙設備の設置が義務づけられる。
  2. 延べ面積1,000㎡を超える建築物では、床面積200㎡を超える居室について、原則として排煙設備の設置が義務づけられる。
  3. 排煙設備の設置義務がある建築物であっても、無窓居室に該当する居室については、天井高さが3m以上であれば排煙上の安全性を別途確保する必要がないため、排煙設備の設置義務から除外される。
  4. 排煙設備の設置基準は、床面積500㎡以上の建築物について建築基準法施行令に定められており、それ未満の規模の建築物については施行令の適用がなく、告示による基準にとどまる。

解答・解説

正答は2です。

  • 1は誤りです。階数3以上の建築物について用途を問わず排煙設備の設置が義務づけられるのは、延べ面積が500㎡を超えるものであり、300㎡超ではありません(令第126条の2第1項)。基準となる床面積の数値をすり替えた説明です。
  • 2は正しい記述です。延べ面積1,000㎡を超える建築物では、床面積200㎡を超える居室について、原則として排煙設備の設置が義務づけられます(令第126条の2第1項)。
  • 3は誤りです。無窓居室は、天井高さにかかわらず、むしろ排煙上の安全性を確保する必要が高い居室として排煙設備の設置義務の対象に含められる類型であり、「天井高さ3m以上であれば設置義務から除外される」という説明は逆です。
  • 4は誤りです。排煙設備の技術的基準は建築物の規模で施行令の適用・不適用が分かれるものではなく、施行令(令第126条の2・第126条の3等)や告示によって、規模にかかわらず具体的に定められています。

排煙設備の設置義務の対象は「特殊建築物」「大規模建築物」「無窓居室」「大規模な居室」という複数の切り口があり、それぞれの床面積・階数の基準を対応づけて覚える必要があります。


問13 建築基準法の用語(地階・敷地面積・居室の定義)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 地階とは、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さが、その階の天井の高さの3分の1以上のものをいう。
  2. 敷地面積は敷地の水平投影面積によるのが原則であるが、法第42条第2項道路に接する敷地では、道路の中心線から水平距離2mの線(みなし境界線)とその道路の中心線との間の部分(セットバック部分)は、敷地面積に算入されない。
  3. 居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいい、玄関、便所、浴室、廊下等は原則として居室に該当しない。
  4. 地階の判定基準である「天井の高さの3分の1以上」という数値は、住宅の用途に供する地階部分について容積率算定用の延べ面積への不算入を認める基準である「当該部分の床面積の合計の3分の1」という数値と、同一の政策目的に基づいて定められたものである。

解答・解説

正答は4です。

  • 1〜3は正しい記述です。地階の定義(天井高さの1/3以上が地盤面下)、42条2項道路のセットバック部分の敷地面積不算入、居室の定義と非該当部分の例示は、いずれも用語の定義に関する基本事項です。
  • 4が誤りです。地階の判定基準となる「天井の高さの3分の1以上」という数値と、地階の住宅用途部分に関する容積率算定用延べ面積の不算入基準である「床面積の合計の3分の1」という数値は、たまたま同じ「3分の1」という分数が使われているだけで、根拠となる条文も政策目的も異なる別個の規定です。前者は地階そのものの判定基準、後者は地階を有効活用しやすくするための緩和措置であり、「同一の政策目的に基づく」という説明は誤りです。

数値が偶然一致する複数の規定を「同じ考え方に基づく」と結びつける説明は、法規科目で見抜きにくい誤りの作り方の一つです。数値だけでなく、条文の目的まで対応させて確認する習慣をつけてください。


問14【計算】特定道路による容積率の緩和

近隣商業地域内にある敷地で、都市計画で指定された容積率は400%である。この敷地の前面道路の幅員は6mであり、幅員15m以上の特定道路までの延長距離は35mである。次のうち、この敷地に適用される容積率の上限として、最も適当なものはどれか。ただし、近隣商業地域における前面道路幅員による容積率の法定乗数は10分の6とする。

  1. 360%
  2. 400%
  3. 480%
  4. 540%

解答・解説

正答は2です。

まず、特定道路による前面道路幅員の加算値Waを求めます。

Wa = (12 − Wr) × (70 − L) / 70 = (12 − 6) × (70 − 35) / 70 = 6 × 35 / 70 = 3m

緩和後の前面道路幅員は 6m + 3m = 9m となり、これに法定乗数10分の6を乗じると、

9m × 6/10 = 5.4 → 540%

この540%と、都市計画で指定された容積率400%とを比較し、小さいほうの数値が実際に適用される容積率となるため、答えは400%です。

  • 1の360%は、特定道路による緩和を行わず、前面道路幅員6mのまま法定乗数を乗じた数値(6×6/10=360%)であり、緩和を見落とした誤りです。
  • 3の480%・4の540%は、緩和後の前面道路幅員から算定した数値(540%)をそのまま採用してしまい、指定容積率400%との比較で小さいほうを選ぶという最後の一手を忘れた誤りです。

特定道路による緩和の計算では、①前面道路幅員の加算、②法定乗数を乗じた数値の算定、③指定容積率との比較という3段階を踏み忘れると誤答につながります。


問15【計算】建蔽率の複合緩和(角地・防火地域内耐火建築物)

準住居地域内にある敷地面積200㎡の敷地で、都市計画で指定された建蔽率は60%である。この敷地は防火地域内にあり、かつ、街区の角にある敷地として特定行政庁の指定を受けている。この敷地に耐火建築物を建築する場合、次のうち、建築可能な建築面積の上限として、最も適当なものはどれか。

  1. 120㎡
  2. 140㎡
  3. 160㎡
  4. 200㎡

解答・解説

正答は3です。

建蔽率の緩和は、次の2つが重複して適用されます。

  • 防火地域内にある耐火建築物等: 建蔽率の上限に10%を加算
  • 街区の角にある敷地(角地等)で特定行政庁が指定するもの: 建蔽率の上限に10%を加算

指定建蔽率60%に、この2つの緩和(10%+10%)を加えると、建蔽率の上限は60%+10%+10%=80%となります。

建築可能な建築面積の上限 = 敷地面積200㎡ × 80% = 160㎡

  • 1の120㎡は、緩和を適用しない指定建蔽率60%のままの数値(200×60%)です。
  • 2の140㎡は、防火地域内耐火建築物・角地緩和のどちらか一方(10%)のみを適用した数値(200×70%)です。
  • 4の200㎡は、建蔽率の制限を受けないもの(建蔽率100%相当)として計算した誤りです。

防火地域内の耐火建築物等の緩和と角地等の緩和は、両方の要件を満たせば重複して加算できる点が、この単元最大の得点ポイントです。


問16【計算】北側高さ制限

第一種中高層住居専用地域内にある敷地において、真北方向の隣地境界線までの水平距離が8mであるとき、この位置における北側高さ制限による建築物の各部分の高さの上限として、次のうち最も適当なものはどれか。ただし、地盤面と隣地の地盤面との高低差はないものとする。

  1. 15m
  2. 18m
  3. 20m
  4. 22m

解答・解説

正答は3です。

第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域における北側高さ制限の算定式は、次のとおりです。

高さの上限 = 真北方向の隣地境界線までの水平距離 × 1.25 + 10m

この式に距離8mを代入すると、

8m × 1.25 + 10m = 10m + 10m = 20m

となります。

  • 1の15mは、第一種・第二種低層住居専用地域(田園住居地域を含む)で用いる算定式(距離×1.25+5m)を、誤って中高層住居専用地域に当てはめた数値です。低層住居専用地域と中高層住居専用地域とでは、加算する定数(5mか10mか)が異なります。
  • 2の18m・4の22mは、加算する定数を10mから誤った数値に置き換えた場合に生じる計算ミスの一例です。

北側高さ制限は用途地域の種別によって係数・加算定数が異なるため、どの用途地域にどの算定式を使うかを正確に対応させることが得点の分かれ目です。


問17【計算】採光補正係数

第一種住居地域内にある住宅の居室の開口部について、隣地境界線までの水平距離Dが4m、開口部の直上にある建築物の部分から開口部の中心までの垂直距離Hが5mであるとき、この開口部の採光補正係数として、次のうち最も適当なものはどれか。

  1. 2.6
  2. 3.0
  3. 3.4
  4. 3.8

解答・解説

正答は2です。

住居系用途地域における採光補正係数の算定式は、次のとおりです。

採光補正係数 = D/H × 6 − 1.4

この式にD=4m、H=5mを代入すると、

(4/5) × 6 − 1.4 = 4.8 − 1.4 = 3.4

となりますが、採光補正係数には上限3.0という制限があります。算定値が3.4であっても、実際に採光関係比率の計算に用いる採光補正係数は上限の3.0に修正されるため、答えは3.0です。

  • 3の3.4は、算定式の計算結果をそのまま答えてしまい、上限3.0による頭打ちを見落とした誤りです。
  • 1の2.6・4の3.8は、算定式の係数や定数を誤って適用した場合に生じる計算ミスの一例です。

採光補正係数の計算は、算定式そのものより「上限3.0でキャップされる」という後処理を忘れないことが最大のポイントです。実務上も、係数が大きく算定される好条件の開口部ほど、このキャップの有無が答えを左右します。


問18【計算】容積率算定用の延べ面積

ある共同住宅の各階の床面積の合計は2,000㎡であり、このうち、共用の廊下・階段の用に供する部分が150㎡、自動車車庫等の用途に供する部分が350㎡、宅配ボックスを設置するための機械室等の部分が15㎡含まれている。この建築物の容積率算定用の延べ面積として、次のうち最も適当なものはどれか。

  1. 1,485㎡
  2. 1,500㎡
  3. 1,635㎡
  4. 1,835㎡

解答・解説

正答は1です。

容積率算定用の延べ面積を求める際には、次の3つの不算入規定をそれぞれ確認する必要があります。

  • 共同住宅の共用の廊下・階段の用に供する部分: 全部を不算入(上限なし)
  • 自動車車庫等の用途に供する部分: 各階の床面積の合計の1/5を限度として不算入(2,000㎡×1/5=400㎡が上限であり、実際の350㎡は限度内なので全額不算入)
  • 宅配ボックスを設置するための機械室等の部分: 各階の床面積の合計の1/100を限度として不算入(2,000㎡×1/100=20㎡が上限であり、実際の15㎡は限度内なので全額不算入)

したがって、容積率算定用の延べ面積は、

2,000㎡ − 150㎡ − 350㎡ − 15㎡ = 1,485㎡

  • 2の1,500㎡は、宅配ボックス部分(15㎡)の不算入を見落とした数値です。
  • 3の1,635㎡は、共用廊下・階段部分(150㎡)の不算入を見落とした数値です。
  • 4の1,835㎡は、自動車車庫等の部分(350㎡)の不算入を見落とした数値です。

延べ面積の不算入規定は「上限あり(車庫1/5・宅配ボックス1/100)」と「上限なし(共用廊下・階段)」が混在しているため、まず各部分の実際の面積が限度内かどうかを確認したうえで、複数の不算入項目を一つずつ積み上げて計算する姿勢が重要です。


問19 用途地域別の建築可能用途の判定

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 準住居地域内には、自動車の交通量が多い幹線道路沿道の性格を有する地域であることから、自動車教習所を建築することができない。
  2. 第一種住居地域内には、原則として、床面積の合計が3,000㎡を超える店舗、飲食店等の用途に供する建築物を建築することができない。
  3. 工業専用地域内には、住宅、共同住宅、寄宿舎その他これらに類する住宅系の用途に供する建築物を建築することができない。
  4. 近隣商業地域内には、キャバレー、個室付浴場等の一部の用途を除き、床面積や階数の制限なく、店舗、飲食店、事務所等の用途に供する建築物を建築することができる。

解答・解説

正答は1です。

  • 1が誤りです。準住居地域は、幹線道路の沿道としての性格にふさわしい業務の利便性の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するために定められた地域であり、自動車教習所は準住居地域における建築可能な用途に含まれます。「自動車教習所を建築することができない」という説明は誤りです。
  • 2〜4は正しい記述です。第一種住居地域では大規模な店舗等の立地が制限され、工業専用地域では住宅系用途が一律に禁止され、近隣商業地域では一部の用途を除き幅広い用途の建築が認められています。

用途地域の判定は、法別表第2の各用途地域の欄を横断的に比較し、「その用途地域がどのような性格の地域として指定されているか」というイメージと結びつけて覚えると、初見の用途でも正誤を判断しやすくなります。


問20 工作物の確認申請の要否

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 高さ2mを超える擁壁を築造する場合は、建築基準法第88条に基づく工作物として、確認申請の対象となる。
  2. 高さ8mを超える高架の遊戯施設を築造する場合であっても、遊園地その他これに類する施設内に設置されるものであれば、工作物としての確認申請の対象から除外される。
  3. 高さ4mを超える広告塔、広告板、装飾塔又は高架水槽等を築造する場合は、工作物として確認申請の対象となる。
  4. 高さ6mを超える煙突を築造する場合は、工作物として確認申請の対象となる。

解答・解説

正答は2です。

  • 2が誤りです。高さ8mを超える高架の遊戯施設(ウォーターシュート、コースター等)は、設置される施設の種類にかかわらず工作物として確認申請の対象となり、「遊園地内に設置されるものであれば除外される」という一般的な適用除外は設けられていません。
  • 1・3・4は正しい記述です。擁壁(高さ2m超)、広告塔・広告板・装飾塔・高架水槽等(高さ4m超)、煙突(高さ6m超)は、いずれも建築基準法第88条・施行令第138条に基づき工作物として確認申請の対象となります。

工作物の確認申請の要否は、擁壁2m・広告塔等4m・煙突6m・高架の遊戯施設8mという高さの数値がそれぞれ対応しており、数値を取り違えさせる出題も多いため、対象物と高さの組み合わせを正確に覚えておく必要があります。


問21 構造計算適合性判定の対象と判定機関

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 一定の構造計算(保有水平耐力計算、限界耐力計算等)によって安全性を確かめた建築物のうち、政令で定める基準に該当するものは、確認審査を行う建築主事等とは別に、構造計算適合性判定を受けなければならない。
  2. 構造計算適合性判定は、都道府県知事が行うほか、都道府県知事の指定を受けた指定構造計算適合性判定機関が行うこともできる。
  3. 構造計算適合性判定の対象となる建築物の規模の基準は、建築確認そのものが必要となる規模の基準と全く同一であり、確認申請の要否の判定結果がそのまま構造計算適合性判定の要否の判定結果になる。
  4. 構造計算適合性判定を求められた都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関は、原則として一定の期間内に判定の結果を通知しなければならないとされている。

解答・解説

正答は3です。

  • 3が誤りです。構造計算適合性判定の対象は、保有水平耐力計算や限界耐力計算等、政令で定める特定の構造計算を要する建築物に限定されており、確認申請の要否の判定基準とは別個のものです。壁量計算で足りる小規模な木造建築物など、確認申請は必要でも構造計算適合性判定までは不要な建築物も存在するため、両者の判定結果が常にそのまま一致するわけではありません。
  • 1・2・4は正しい記述です。一定の構造計算による安全性の確認が必要な建築物のうち政令で定める規模に該当するものは、確認審査を行う建築主事等とは別に、都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関による構造計算適合性判定を受ける必要があり、判定には期間の定めがあります。

「確認申請の要否」と「構造計算適合性判定の要否」は判定基準が異なる別々の手続きです。両者を同一の基準で判断しているように見える説明は、この単元で繰り返し使われる誤りのパターンです。


問22 木造建築物の壁量計算の適用範囲の見直し(令和7年4月施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年4月施行の改正前は、仕様規定としての壁量計算の適用範囲は、「延べ面積500㎡以下・高さ13m以下・軒高9m以下・階数2以下」という基準であった。
  2. 令和7年4月施行の改正により、壁量計算の適用範囲は「延べ面積300㎡以下・高さ16m以下・階数2以下」という基準に変更され、「軒高9m以下」という基準は用いられなくなった。
  3. この改正にあわせて、屋根の重さ(軽い屋根・重い屋根)による区分に基づく従来の必要壁量表は廃止された。
  4. この改正後も、壁量計算書を含む構造関係図書を建築確認の申請書に添付する必要はなく、設計者が壁量計算を行った旨を工事完了後に特定行政庁へ届け出れば足りる。

解答・解説

正答は4です。

  • 1〜3は正しい記述です。改正前の壁量計算の適用範囲基準(延べ面積500㎡以下・高さ13m以下・軒高9m以下・階数2以下)は、改正後は「延べ面積300㎡以下・高さ16m以下・階数2以下」に変更され、「軒高9m以下」という基準は用いられなくなりました。あわせて、屋根の重さによる必要壁量表の区分も廃止されています。
  • 4が誤りです。この改正により、従来は設計者が壁量計算を行った事実を申告すれば審査対象外だった、いわゆる「ブラックボックス」状態が見直され、壁量計算書を含む構造関係図書を建築確認の申請書に添付し、審査を受けることが必要になりました。「添付する必要はなく、工事完了後の届出で足りる」という説明は、添付・審査のタイミングを取り違えており誤りです。

この改正は、審査対象となる建築物の規模の基準(300㎡・16m)と、審査の実質化(構造関係図書の添付義務化)という2つの側面をセットで押さえる必要があります。


問23 エレベーターの強度検証法・地震時管制運転装置

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 地震時管制運転装置の設置義務は、平成21年9月28日より前に設置された既存のエレベーターにも遡って適用され、特定行政庁が改修命令を発した既設のエレベーターは速やかに改修しなければならないとされている。
  2. エレベーターのかご及び主要な支持部分の構造は、通常の地震力に対して安全であることを確かめるため、エレベーター強度検証法により検証する方法、又は国土交通大臣の認定を受ける方法のいずれかによらなければならない。
  3. エレベーター強度検証法は、地震時にかご及び主要な支持部分に生じる力を計算し、それが許容応力度を超えないことを確認する検証方法である。
  4. 平成21年9月28日以降に着工する新設のエレベーターには、地震等の加速度を検知して自動的にかごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させる地震時管制運転装置の設置が義務づけられている。

解答・解説

正答は1です。

  • 1が誤りです。この設置義務は、施行日以降に着工する新設のエレベーターを対象とするものであり、施行日より前に設置された既存のエレベーターに遡って適用されるものではありません。既存のエレベーターは既存不適格として扱われ、法令上は特定行政庁の改修命令によって改修が義務づけられる仕組みにはなっておらず、任意の改修が呼びかけられている段階です。「遡って適用され、行政の改修命令を受けたものは速やかに改修しなければならない」という説明は誤りです。
  • 2・3は正しい記述です。エレベーターのかご及び主要な支持部分は、エレベーター強度検証法(地震時に生じる力が許容応力度を超えないことを確認する方法)又は大臣認定を受ける方法のいずれかにより、地震に対する安全性を確かめる必要があります。
  • 4は正しい記述です。平成21年9月28日以降に着工する新設のエレベーターには、戸開走行保護装置とあわせて地震時管制運転装置の設置が義務づけられています。

新しい安全基準が既存のストックにどこまで遡及するかは、法規科目で繰り返し問われる論点です。「新設のみが対象」か「既存にも遡及する」かを条文ごとに区別してください。


問24 建築士の工事監理業務における権限と報告義務

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めたときは、まず建築主に報告することが最優先であり、工事施工者に対して直接指摘することは建築士法上想定されていない。
  2. 建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めたときは、直ちに、工事施工者に対してその旨を指摘し、設計図書のとおりに実施するよう求めなければならない。
  3. 建築士の求めに対して工事施工者が従わない場合であっても、建築士は独自の判断で工事を中止させる権限を有しており、建築主への報告を経ずに工事を中止させることができる。
  4. 工事監理者が置かれた工事においては、確認済証の交付を受けた設計図書の変更は、建築主の承諾なしに、確認申請を行った建築主事等への届出によって行うことができる。

解答・解説

正答は2です。

  • 1は誤りです。建築士法上、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めたときにまず行うべきなのは、工事施工者に対する直接の指摘であり、建築主への報告はその指摘に工事施工者が従わない場合に行うべき次のステップです。
  • 2は正しい記述です。建築士法第18条第3項により、建築士は工事監理を行う場合、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めたときは、直ちに工事施工者に対してその旨を指摘し、設計図書のとおりに実施するよう求めなければなりません。
  • 3は誤りです。工事施工者が建築士の求めに従わない場合、建築士に認められているのは建築主への報告であり、独自の判断で工事を中止させる権限までは認められていません。
  • 4は誤りです。確認済証の交付を受けた設計図書の変更(計画変更)は、建築主の承諾を得たうえで、必要に応じて計画変更の確認等の手続きを経る必要があり、建築主事等への届出のみで行えるものではありません。

工事監理者の権限は「指摘・是正の要求」までであり、「建築主への報告」がその先の手段として位置づけられている、という順序を正確に理解しておくことが重要です。


問25 建築物省エネ法:省エネ基準適合義務化の全面拡大(令和7年4月施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年4月施行の改正前は、非住宅建築物のうち床面積300㎡以上のものについてのみ、建築物のエネルギー消費性能基準への適合が義務づけられていた。
  2. 改正前において、中規模以上(床面積300㎡以上)の住宅については、適合義務ではなく、所管行政庁への届出義務が課される仕組みであった。
  3. 改正後も、床面積300㎡未満の小規模な住宅については省エネ基準への適合義務は課されておらず、建築士から建築主への説明義務にとどまる取り扱いが維持されている。
  4. 令和7年4月施行の改正により、規模の大小や住宅・非住宅の別を問わず、原則としてすべての新築建築物について建築物のエネルギー消費性能基準への適合が義務づけられることとなった。

解答・解説

正答は3です。

  • 3が誤りです。改正後は、床面積300㎡未満の小規模な住宅も含め、原則としてすべての新築建築物が適合義務の対象となっており、「説明義務にとどまる取り扱いが維持されている」というのは改正前の制度の説明です。この改正によって、小規模住宅にも省エネ基準への適合義務が及ぶようになった点こそが、今回の改正の最大のポイントです。
  • 1・2は正しい記述です。改正前は、非住宅建築物は床面積300㎡以上のものに適合義務、中規模以上の住宅は届出義務、小規模な建築物は建築士から建築主への説明義務にとどまるという、規模・用途に応じた段階的な仕組みでした。
  • 4は正しい記述です。令和7年4月施行の改正により、この段階的な仕組みが見直され、規模の大小や住宅・非住宅の別を問わず、原則としてすべての新築建築物に省エネ基準への適合が義務づけられました。

省エネ関係の改正は「対象規模がどこまで広がったか」を問う出題が中心です。改正前の制度をそのまま改正後の制度として説明する選択肢は定番の誤りパターンです。


問26 建築士の業務範囲の拡大(二級建築士、令和7年4月施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年4月施行の改正前は、二級建築士が構造関係規定を含めて自ら設計・工事監理を行うことができる建築物の規模は、「高さ13m以下、かつ、軒高9m以下」であることが基準の一つとされていた。
  2. 令和7年4月施行の改正により、二級建築士の業務範囲を画する基準は、「階数3以下、かつ、高さ16m以下」に改められた。
  3. この改正にあわせて、木造建築士とも共通する基準であった「軒高9m以下」という基準は用いられなくなり、階数と高さのみで判定する仕組みに整理された。
  4. この改正は、二級建築士が設計・工事監理を行うことができる建築物の規模を縮小する方向の改正であり、改正前より対応可能な建築物の範囲が狭くなった。

解答・解説

正答は4です。

  • 1〜3は正しい記述です。改正前の二級建築士の業務範囲の基準(高さ13m以下・軒高9m以下)は、改正後は「階数3以下・高さ16m以下」に改められ、判断がわかりにくいとされていた「軒高9m以下」という基準は用いられなくなりました。
  • 4が誤りです。この改正は、木造建築物における壁量計算の適用範囲の見直し(延べ面積300㎡以下・高さ16m以下・階数2以下)とあわせて行われたものであり、二級建築士が対応できる建築物の範囲を縮小するものではありません。従来「高さ13m・軒高9m」という基準では対応できなかった、高さ13mを超え16m以下の建築物にも対応できるようになるなど、実質的には業務範囲の拡大に位置づけられる改正です。

「業務範囲の拡大」という改正の趣旨に反して、「範囲が縮小した」という逆向きの説明にすり替えるのは、法改正の方向性を問う問題の典型的な誤りの作り方です。


問27 四号特例の見直し(新2号・新3号建築物、令和7年4月施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 鉄骨造や鉄筋コンクリート造など木造以外の構造による小規模建築物は、新2号建築物・新3号建築物の区分の対象とはならず、木造建築物とは別の基準により、改正前の四号特例の枠組みがそのまま維持されている。
  2. 令和7年4月施行の改正により、従来「四号建築物」と呼ばれていた区分は廃止され、木造・非木造を問わず、新2号建築物と新3号建築物に再編された。
  3. 新3号建築物(階数が1、かつ延べ面積が200㎡以下の建築物)は、構造の種類を問わず、改正後も確認申請における構造関係規定等の審査を省略するいわゆる四号特例の対象として扱われる。
  4. 木造の2階建てや、延べ面積200㎡を超える木造の平屋建てなど新2号建築物に区分される建築物は、改正後は構造関係規定・省エネ関係規定等の審査が新たに必要となった。

解答・解説

正答は1です。

  • 1が誤りです。新2号建築物・新3号建築物という区分は、構造の種類(木造か非木造か)を問わず、階数と延べ面積のみによって判定されます。鉄骨造・鉄筋コンクリート造等の木造以外の構造による小規模建築物であっても、階数1・延べ面積200㎡以下であれば新3号建築物として引き続き四号特例(審査省略)の対象となり、2階建て以上又は延べ面積200㎡超であれば新2号建築物として審査省略の対象から外れます。「木造建築物とは別の基準により、改正前の四号特例の枠組みがそのまま維持されている」という説明は誤りです。
  • 2〜4は正しい記述です。従来の四号建築物は、木造・非木造を問わず新2号建築物(審査省略の対象から外れ、構造関係規定・省エネ関係規定等の審査が必要)と新3号建築物(引き続き四号特例の対象)に再編されました。

四号特例見直しの論点は、区分が構造の種類ではなく階数・延べ面積のみで決まるという点が最大の得点ポイントです。「木造だから対象」「非木造だから対象外」という思い込みで判断すると誤答しやすいので注意してください。


問28 宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)は、宅地・農地・森林等の土地の用途にかかわらず、盛土等により人家等に被害を及ぼしうる区域を都道府県知事等が規制区域として指定し、当該区域内で行う盛土等を許可の対象とする仕組みを設けている。
  2. 盛土規制法は、従来の宅地造成等規制法をいったん廃止したうえで新たに制定された別個の法律であり、宅地造成に係る旧法の規制の枠組みは引き継がれていない。
  3. 規制区域内で盛土等を行う場合、施工状況の定期報告、施工中の中間検査及び工事完了時の完了検査を受けることが求められる。
  4. 盛土等が行われた土地について、土地所有者等は当該土地を安全な状態に維持する責務を有し、都道府県知事等は、必要があるときは土地所有者等だけでなく原因行為者に対しても是正措置等を命令することができる。

解答・解説

正答は2です。

  • 2が誤りです。盛土規制法は、静岡県熱海市の盛土崩落災害等を踏まえ、従来の宅地造成等規制法を抜本的に改正(法律の題名を変更)して規制の対象を宅地以外の農地・森林等にも拡大した法律であり、旧法を廃止して新たに制定されたものではありません。宅地造成の規制という枠組み自体は旧法から引き継がれています。「廃止して新たに制定された別個の法律」という制度の経緯をすり替えた説明です。
  • 1・3・4は正しい記述です。盛土規制法は、土地の用途にかかわらずスキマなく規制区域を指定し、定期報告・中間検査・完了検査による安全性の確保、土地所有者等の責務の明確化と原因行為者への命令権限を柱とする法律です。

盛土規制法は建築確認とも関わりがあり、建築確認の申請にあたっては、原則として盛土規制法の規定に適合していることを証する書面の添付が求められる点もあわせて押さえておいてください。既存475問には単独の論点として扱われていない、令和8年度の新出範囲の一つです。


問29 バリアフリー法施行令の基準改正(令和7年6月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年6月1日施行の改正により、劇場、映画館等の客席における車椅子使用者用部分の設置基準が新たに設けられ、座席数が400以下の場合は2以上、400を超える場合は座席数の0.5%以上を設けることとされた。
  2. 同改正により、車椅子使用者用駐車施設の設置基準は、駐車施設の総数が200以下の場合は当該駐車施設の数の2%以上、200を超える場合は1%に2を加えた数以上とされた。
  3. 今回の改正のうち、便所・駐車場に関する基準は義務基準(政令)の見直しを含む一方、劇場等の客席に関する基準については誘導基準の新設にとどまり、義務基準としての新設は行われていない。
  4. 同改正により、不特定かつ多数の者が利用する便所は、当該便所を設ける階の階数以上の数を設置し、そのうち車椅子使用者用便房は各階に1以上設けることとされた。

解答・解説

正答は3です。

  • 3が誤りです。劇場等の客席における車椅子使用者用部分の基準は、誘導基準だけでなく義務基準(政令)としても新設されており、「座席数400以下は2以上」等の数値基準は政令に定められた義務基準の内容です。便所・駐車場の義務基準の見直しとあわせて、今回の改正は義務基準・誘導基準の両方に及んでいます。義務基準の新設が及ぶ範囲を便所・駐車場だけに狭めた説明になっています。
  • 1・2・4は正しい記述です。令和7年6月1日施行のバリアフリー法施行令改正により、劇場等の客席(座席400以下は2以上、400超は0.5%以上)、車椅子使用者用駐車施設(200以下は2%以上、200超は1%+2以上)、便所(不特定多数利用便所は階数以上、車椅子使用者用便房は各階に1以上)について、それぞれ具体的な数値基準が定められました。

バリアフリー法には「義務基準(最低限)」と「誘導基準(より望ましい水準)」の2段階があり、今回の改正はその両方に及んでいます。既存の予想問題ではバリアフリー基準改正の存在にしか触れていなかった部分ですが、この模試では便所・駐車場・客席の具体的な数値まで踏み込んで出題しています。


問30 建設業法:技術者配置等の金額要件の見直し(令和7年2月1日施行)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 令和7年2月1日施行の建設業法施行令改正により、下請代金の額が一定額以上となる場合に監理技術者の配置や施工体制台帳の作成等が必要となる基準額は、5,000万円(建築一式工事にあっては8,000万円)以上に引き上げられた。
  2. 同改正により、工事現場に監理技術者等を専任で配置しなければならない基準となる請負代金の額は、4,500万円(建築一式工事にあっては9,000万円)以上に引き上げられた。
  3. 同改正により、特定専門工事に関する下請代金の額の上限も、4,500万円に引き上げられた。
  4. これらの金額要件の引上げは、技術者の専任配置や施工体制台帳作成が必要となる工事の範囲を拡大する方向の改正であり、改正後は対象となる工事がこれまでより増加した。

解答・解説

正答は4です。

  • 1〜3は正しい記述です。令和7年2月1日施行の建設業法施行令改正により、監理技術者配置・施工体制台帳作成の基準額は5,000万円(建築一式8,000万円)以上、現場専任の監理技術者等の基準額は4,500万円(建築一式9,000万円)以上、特定専門工事の下請代金の上限は4,500万円に、それぞれ引き上げられました。
  • 4が誤りです。この改正は、近年の人件費・資材費の高騰という実態にあわせて基準額を引き上げたものであり、基準額が上がった結果、これまで対象となっていた工事の一部が基準額に達しなくなり、技術者の専任配置等が必要となる工事の範囲はむしろ縮小する方向の改正です。「対象となる工事が増加した」という説明は、改正の方向性が逆になっています。

金額基準の引上げ改正では、「基準額が上がる=対象が広がる」と直感的に誤読しやすいですが、実際には「基準に達する工事が減る=対象が絞られる」という逆の効果になる点に注意してください。


以上で法規30問は終わりです。お疲れさまでした。間違えた問題、あるいは正解できても根拠条文をすぐに思い出せなかった問題は、解説中に挙げた条文番号を実際にご自身の法令集で開き直し、線引きの位置を最終確認しておいてください。特に問1〜問8で扱った令和7年11月1日施行の建築基準法改正8項目は、施行から日が浅く、直前期の対策が手薄になりやすい分野です。時間が許す限り、明日の試験直前にもう一度目を通すことをおすすめします。本番では、法令集をすぐに引ける問題から確実に得点し、時間のかかりそうな問題は後回しにするという判断を早めに行ってください。健闘をお祈りしています。

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