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環境工学

【令和8年度】一級建築士 学科「環境・設備」予想問題 第5集|電気・防災・省エネ設備20問

第1集では環境工学と建築設備を横断して15問、第2集では環境工学Iにあたる伝熱・結露・温熱環境・換気を20問、第3集では環境工学IIにあたる日照・採光・照明・色彩・音響を20問、第4集では空調・給排水衛生設備を20問収録してきました。ここまでの4集で環境工学と設備の主要な柱をほぼ固めてきましたが、建築設備のうちまだ深掘りできていない領域が残っています。電気設備・防災設備・省エネルギー環境性能・昇降機です。

この第5集では、その4分野に絞って筆者が独自に作成した予想問題を20問収録しました。電気設備では受変電方式や幹線の電圧降下、電動機の始動方式、避雷設備、予備電源を、防災設備では感知器の選定、屋内消火栓・スプリンクラー、排煙設備、非常用照明・誘導灯を、省エネルギー環境性能ではZEB Oriented・BEMS・パッシブアクティブ手法・再生可能エネルギーを、昇降機ではエレベーターとエスカレーターの基準、戸開走行保護装置(UCMP)を扱っています。第1集で触れた高圧受電の基準(契約電力50kW以上)や自動火災報知設備の警戒区域(600㎡・50m)、非常用予備電源の系統分離、ZEBの区分(ZEB Ready・Nearly ZEB・ZEBの定義)とは重複しない論点を選び、より踏み込んだ内容で構成しています。この第5集の公開をもって、環境・設備というひとつの科目だけで約100問の予想問題を用意したことになります。

なお本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。受験にあたっては最新の法令・公式発表をご確認ください。数値基準や法令については2026年7月時点の情報をもとに作成していますが、実際の試験前には必ずご自身でも最新の公式情報をご確認いただくようお願いします。

環境・設備という科目全体の位置づけを先に確認しておきたい方は、一級建築士「環境・設備」の学習ガイドを一度確認しておくと、この記事の20問がどの単元に対応しているかが把握しやすくなります。


出題傾向と予想の考え方

電気設備・防災設備・省エネルギー環境性能・昇降機は、いずれも数値基準そのものを覚えることと、その数値が「なぜその値なのか」という趣旨を理解することの両方が求められる分野だと筆者は捉えています。たとえば非常用発電機の始動時間(40秒以内)やスターデルタ始動の始動電流(1/3)のように、単独の数値として覚えるだけでなく、関連する仕組みとセットで理解しておくと、数値だけを入れ替えたひっかけにも対応しやすくなります。

分野 テーマ 頻出度の目安 対応する問番号
電気設備 受変電方式(キュービクル・借室・借棟) 問1
電気設備 力率改善(進相コンデンサ) 問2
電気設備 幹線の電圧降下基準 問3
電気設備 電動機の始動方式(スターデルタ・インバータ) 問4
電気設備 避雷設備(保護レベル・回転球体法) 問5
電気設備 予備電源(非常用発電機・蓄電池) 問6
防災設備 自動火災報知設備(感知器の選定) 問7
防災設備 屋内消火栓設備(1号・2号) 問8
防災設備 スプリンクラー設備(閉鎖型・開放型) 問9
防災設備 排煙設備(自然排煙の有効開口面積) 問10
防災設備 非常用照明(床面照度基準) 問11
防災設備 誘導灯(A・B・C級区分) 問12
省エネ・環境性能 ZEB Oriented 問13
省エネ・環境性能 BEMS 問14
省エネ・環境性能 パッシブ・アクティブ手法 問15
省エネ・環境性能 再生可能エネルギーの利用 問16
昇降機 エレベーターの速度区分 問17
昇降機 エスカレーターの勾配・速度基準 問18
昇降機 非常用エレベーター(設置義務) 問19
昇降機 戸開走行保護装置(UCMP) 問20

以下の20問は、この表の順に沿って出題しています。


予想問題20問

問1(受変電方式)

受変電設備の方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. キュービクル方式は、変圧器等の受変電機器を金属製の箱(キュービクル)に収めたものであり、屋外・屋上等にも設置しやすい方式である。
  2. 借室方式は、建物内の一室を電力会社の変圧器室として提供する方式であり、電力会社側の設備が建物内に設置される点でキュービクル方式と異なる。
  3. 借棟方式は、電力使用量が比較的小規模な建物に主に採用される方式であり、契約電力が2,000kWを超える特別高圧受電の建物では採用されることはない。
  4. 特別高圧受電は、契約電力がおおむね2,000kW以上となる大規模建築物に採用される受電方式である。

解答・解説

正答は3です。

  1. 正しい記述です。キュービクル方式は受変電機器を金属箱に収めた方式で、設置場所の自由度が比較的高い方式です。
  2. 正しい記述です。借室方式は電力会社の変圧器室を建物内に確保する方式であり、需要家自身が機器を保有するキュービクル方式とは性格が異なります。
  3. 誤りです。借棟方式(供給用変圧器棟方式)は、独立した変電室棟を確保する方式であり、電力需要が大きく、大容量の変電設備を必要とする大規模建築物でも採用される方式です。「小規模建物に主に採用され、特別高圧建物では採用されない」という記述は、借棟方式が担う役割と矛盾します。
  4. 正しい記述です。契約電力がおおむね2,000kW以上になると、高圧受電よりもさらに高い電圧で受電する特別高圧受電の対象となります。

出題根拠: 受変電方式の種類(キュービクル・借室・借棟)ごとの適用規模の違いは、電気室計画の前提知識として頻出です。詳しくは電気室・EPSの計画で解説しています。


問2(力率改善)

力率と力率改善に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 力率は、皮相電力に対する有効電力の割合を表す指標であり、値が1(100%)に近いほど、電力が効率よく利用されていることを示す。
  2. 誘導性負荷(電動機等)の多い建物では、電流の位相が電圧より遅れる遅れ力率となりやすく、力率が低下する傾向がある。
  3. 進相コンデンサは、負荷側に生じる遅れ無効電力を打ち消す方向に働き、力率を改善する目的で設置される。
  4. 力率を改善すると、同じ有効電力を送るために必要な電流が増加するため、幹線の電圧降下や損失はかえって増加する。

解答・解説

正答は4です。

  1. 正しい記述です。力率は有効電力/皮相電力で表され、1に近いほど電力を効率よく利用できていることを示します。
  2. 正しい記述です。電動機等の誘導性負荷が多い建物では、電流の位相が電圧より遅れやすく、力率が低下する傾向があります。
  3. 正しい記述です。進相コンデンサは遅れ無効電力を打ち消し、力率を1に近づける目的で設置されます。
  4. 誤りです。力率を改善すると、同じ有効電力を送るために必要な電流はむしろ減少するため、幹線の電圧降下や損失も低減されます。「電流が増加し損失が増加する」という記述は、力率改善の効果と逆の内容です。

出題根拠: 力率改善の目的と、電流・電圧降下・損失への効果は、電気設備の基礎として頻出の論点であり、令和8年度も出題が予想されます。


問3(幹線の電圧降下基準)

幹線の電圧降下に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 内線規程における電圧降下の基準値は、電線のこう長にかかわらず、常に一律3%以下とすることが定められている。
  2. 需要家構内の変圧器から供給される幹線において、こう長が60m以下の場合、電圧降下は標準的に3%以下とすることとされている。
  3. 幹線のこう長が60mを超え120m以下となる場合には、60m以下の場合と比較して、電圧降下の許容値はより緩和される傾向にある。
  4. 電圧降下は、末端の機器において適正な電圧が確保されず、照明のちらつきや電動機の始動不良等を招くおそれがあるため、幹線設計上考慮すべき要素の一つである。

解答・解説

正答は1です。

  1. 誤りです。内線規程における電圧降下の許容値は、電線のこう長に応じて段階的に緩和される基準となっており、常に一律3%というわけではありません。こう長が長くなるほど電圧降下の許容値も大きく設定されます。
  2. 正しい記述です。需要家の変圧器から供給される幹線で、こう長60m以下の場合は電圧降下3%以下が標準的な基準です。
  3. 正しい記述です。こう長が60mを超え120m以下となる場合には、60m以下の場合より電圧降下の許容値が緩和される段階的な基準となっています。
  4. 正しい記述です。電圧降下が大きいと末端機器の性能に支障が出るおそれがあるため、幹線設計上の重要な検討項目です。

出題根拠: 電圧降下の許容値がこう長に応じて段階的に緩和される基準であるという点は、幹線設計の実務に直結する頻出論点です。詳しくは構内(外構)電気設備の基礎で解説しています。


問4(電動機の始動方式)

三相誘導電動機の始動方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 全電圧始動(直入れ始動)は、電動機の端子に定格電圧をそのまま印加して始動する方式であり、始動電流が大きくなりやすい。
  2. スターデルタ始動は、始動時に固定子巻線をデルタ結線とすることで、始動電流を全電圧始動時のおおむね1/3に抑える方式である。
  3. スターデルタ始動では、始動電流が抑えられる一方、始動トルクも全電圧始動時のおおむね1/3程度まで低下する。
  4. インバータ(VVVF)始動は、始動時の周波数・電圧を徐々に上昇させることで、始動電流を抑えながら滑らかに加速できる方式である。

解答・解説

正答は2です。

  1. 正しい記述です。全電圧始動は定格電圧をそのまま印加する方式で、始動電流は大きくなりやすい方式です。
  2. 誤りです。スターデルタ始動は、始動時に固定子巻線をスター(Y)結線として各相の電流を抑え、加速後にデルタ(Δ)結線へ切り替える方式です。始動時の結線を「デルタ結線」とする記述はスターとデルタを取り違えています。
  3. 正しい記述です。スターデルタ始動では始動電流とともに始動トルクも全電圧始動時のおおむね1/3程度まで低下します。
  4. 正しい記述です。インバータ始動は周波数・電圧を徐々に上昇させることで、始動電流を抑えつつ滑らかな加速を実現する方式です。

出題根拠: スターデルタ始動における結線の切り替え順序(スター始動→デルタ運転)と、始動電流・始動トルクがともに1/3程度になるという関係は、電動機の始動方式の定番論点です。


問5(避雷設備)

避雷設備(雷保護システム)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 避雷設備は、受雷部システム・引下げ導線システム・接地システムによって構成される。
  2. 回転球体法は、一定の半径を持つ仮想の球を建築物の表面に沿って転がし、球が接触しない部分を保護範囲とみなす受雷部の設計手法である。
  3. 回転球体法に用いる球の半径は、保護レベル(I〜IV)に応じて異なり、要求される保護の水準が高いレベルほど、球の半径は小さく設定される。
  4. 回転球体法の球の半径は保護レベルにかかわらず一定であり、建築物の規模や重要度によって半径を使い分けることはない。

解答・解説

正答は4です。

  1. 正しい記述です。避雷設備は受雷部システム・引下げ導線システム・接地システムの3つで構成されます。
  2. 正しい記述です。回転球体法は仮想の球を転がし、球が接触しない範囲を保護範囲とみなす手法です。
  3. 正しい記述です。回転球体法の球の半径は保護レベルによって異なり、要求される保護水準が高いレベルほど半径は小さく設定されます(保護水準が高いほど、より細かく受雷部を配置する必要があるため)。
  4. 誤りです。選択肢3の内容と矛盾しており、回転球体法の球の半径は保護レベル(建築物の重要度・危険度等に応じた区分)によって使い分けられるものであり、一定ではありません。

出題根拠: 回転球体法における球の半径が保護レベルによって変化するという点は、避雷設備の設計手法として近年出題が増えている論点です。


問6(予備電源・非常用発電機)

非常用の予備電源設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 消防法上の自家発電設備は、常用電源が停電してから電圧確立及び投入までの所要時間を、原則として40秒以内とすることが求められている。
  2. 蓄電池設備の基準に適合する蓄電池設備により、停電後40秒経過後まで電力を供給できる場合には、自家発電設備の始動が40秒を超えても差し支えないとされている。
  3. 消防用設備の非常電源として用いる自家発電設備は、定格負荷で連続運転できる時間が定められていないため、必要最小限の短時間だけ運転できれば足りる。
  4. 非常用発電機は、地震等による停電の長期化に備え、燃料の連続運転可能時間を法令・条例等により一定時間以上確保することが求められる場合がある。

解答・解説

正答は3です。

  1. 正しい記述です。自家発電設備は停電後40秒以内に電圧を確立し投入することが原則とされています。
  2. 正しい記述です。蓄電池設備で40秒を超える間の電力供給を担保できる場合には、発電機側の始動が40秒を超えても差し支えないとされています。
  3. 誤りです。消防用設備の非常電源として用いる自家発電設備には、定格負荷で一定時間以上(消防用設備の種類に応じておおむね30分〜1時間以上)連続して運転できることが求められており、「連続運転時間が定められていない」という記述は誤りです。
  4. 正しい記述です。大規模災害等による停電長期化に備え、条例等により燃料の連続運転可能時間の確保が求められる場合があります。

出題根拠: 自家発電設備の始動時間(40秒以内)だけでなく、定格負荷での連続運転時間も基準として定められているという点は、防災設備との複合領域として頻出です。詳しくは防災センターの基礎で解説しています。


問7(自動火災報知設備の感知器選定)

自動火災報知設備の感知器選定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 差動式スポット型感知器は、周囲の温度上昇率が一定値を超えた場合に作動する感知器であり、厨房等の火気を使用する室にも周囲条件を問わず広く設置される。
  2. 定温式スポット型感知器は、周囲の温度が一定の温度(公称作動温度)に達した場合に作動する感知器であり、厨房・ボイラー室等、通常時から温度変化の大きい室に適している。
  3. 煙感知器(光電式等)は、火災初期の煙を検知して作動するため、廊下・階段等、避難経路上の警戒に適した感知器とされている。
  4. 感知器の種別は、設置場所の使用状況(温度変化・煙・粉じんの発生状況等)に応じて選定する必要があり、一律に同一種別を用いるとは限らない。

解答・解説

正答は1です。

  1. 誤りです。差動式スポット型感知器は、通常の使用でも温度が急激に変化する厨房・ボイラー室等では、火災でなくても誤作動を起こしやすいため、そのような室には不向きとされています。「周囲条件を問わず広く設置される」という記述は誤りで、厨房等には温度変化に反応しにくい定温式感知器の方が適しています。
  2. 正しい記述です。定温式感知器は一定温度で作動するため、通常時から温度変化の大きい室でも誤作動を起こしにくく適しています。
  3. 正しい記述です。煙感知器は煙を早期に検知できるため、避難経路上の警戒に適した感知器です。
  4. 正しい記述です。感知器の種別は室の使用状況に応じて適切に選定する必要があります。

出題根拠: 差動式・定温式・煙式の感知器の設置適否を室の用途に当てはめて問う出題は、感知器選定の定番論点であり、令和8年度も出題が予想されます。詳しくは自動火災報知設備の警戒区域と感知器選定の考え方で解説しています。


問8(屋内消火栓設備)

屋内消火栓設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 1号消火栓は、放水量おおむね130L/分以上を確保できる性能を持ち、原則として2人以上で操作することを想定した消火栓である。
  2. 2号消火栓は、放水量おおむね60L/分以上を確保できる性能を持ち、1人でも操作しやすい易操作性を備えた消火栓である。
  3. 屋内消火栓設備の水源水量は、設置個数(最大2個として計算)に、1号消火栓であれば2.6㎥、2号消火栓であれば1.2㎥を乗じて算定するのが基本的な考え方である。
  4. 2号消火栓は1号消火栓よりも放水量・水源水量ともに大きく設定されており、より本格的な消火能力を持つ消火栓として位置づけられている。

解答・解説

正答は4です。

  1. 正しい記述です。1号消火栓は放水量130L/分以上を確保できる性能を持ち、2人での操作を基本とする消火栓です。
  2. 正しい記述です。2号消火栓は放水量60L/分以上で、1人でも扱いやすい易操作性を備えています。
  3. 正しい記述です。水源水量は設置個数(最大2個)に、1号は2.6㎥、2号は1.2㎥を乗じて算定します。
  4. 誤りです。選択肢1〜3の内容と矛盾しており、2号消火栓は1号消火栓よりも放水量・水源水量ともに小さく設定されています。操作性を優先した分、消火能力(放水量)は1号消火栓の方が大きくなっています。

出題根拠: 1号・2号消火栓の放水量・水源水量の大小関係は、屋内消火栓設備の頻出中の頻出論点であり、令和8年度も出題が予想されます。


問9(スプリンクラー設備)

スプリンクラー設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 閉鎖型スプリンクラーヘッドは、火災の熱により感熱部が一定温度で作動し、当該ヘッドのみ(またはその周辺の数個)が開放して散水する方式である。
  2. 開放型スプリンクラーヘッドを用いる設備は、火災感知器の作動等により一斉開放弁が開き、当該区域の全ヘッドから同時に放水する方式である。
  3. 開放型スプリンクラー設備は、劇場の舞台部や倉庫等、火災が急速に拡大するおそれのある部分よりも、事務室等の一般室に主として採用される方式である。
  4. 閉鎖型ヘッドを用いる設備では、配管内に常時水が満たされている湿式のほか、寒冷地等で配管の凍結を防ぐための乾式・予作動式等の方式もある。

解答・解説

正答は3です。

  1. 正しい記述です。閉鎖型ヘッドは感熱部が一定温度で作動し、当該ヘッド(周辺を含む)のみが開放して散水します。
  2. 正しい記述です。開放型は感知器の作動等をきっかけに一斉開放弁が開き、区域内の全ヘッドから同時放水します。
  3. 誤りです。開放型スプリンクラー設備は、劇場の舞台部や化学工場、倉庫等、火災が急速に拡大・成長するおそれのある部分に主として採用される方式であり、一般の事務室等には通常、閉鎖型(湿式等)が用いられます。設問は適用場所の関係を逆にしています。
  4. 正しい記述です。閉鎖型ヘッドを用いる設備には、常時通水している湿式のほか、凍結防止のための乾式・予作動式があります。

出題根拠: 開放型スプリンクラー設備が急速な火災拡大を想定した部分(舞台部・倉庫等)に採用されるという点は、消火設備の適用区分として頻出です。


問10(排煙設備・自然排煙)

自然排煙に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 自然排煙は、排煙口を開放して煙を屋外へ排出する方式であり、機械排煙と比較して停電時にも機能しやすいという利点がある。
  2. 自然排煙における排煙口の有効開口面積は、当該防煙区画の床面積の1/50以上を確保することが基本的な基準とされている。
  3. 排煙口は、天井面またはこれに近い高い位置に設けることで、煙だまりの上部に効率よく煙を排出しやすくする配置とするのが基本である。
  4. 自然排煙における排煙口の有効開口面積の基準は、防煙区画の床面積にかかわらず、常に一定の面積(㎡)で定められている。

解答・解説

正答は4です。

  1. 正しい記述です。自然排煙は開口部の開放により排煙するため、機械排煙より停電時の機能維持に有利な面があります。
  2. 正しい記述です。自然排煙の有効開口面積は、防煙区画の床面積の1/50以上を確保することが基本基準です。
  3. 正しい記述です。排煙口は天井付近に設け、上部に滞留する煙を効率よく排出する配置が基本です。
  4. 誤りです。選択肢2の内容と矛盾しており、自然排煙の有効開口面積の基準は防煙区画の床面積に比例した割合(1/50以上)で定められており、一定の面積で固定されているわけではありません。

出題根拠: 自然排煙の有効開口面積が防煙区画の床面積に比例する基準(1/50以上)であるという点は、排煙設備計画の最も基本的な頻出論点です。詳しくは排煙設備の計画で解説しています。


問11(非常用照明)

非常用照明装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 非常用照明装置は、停電時に自動的に点灯し、避難上必要な床面の水平面照度を一定時間確保することを目的とした照明設備である。
  2. 非常用照明の床面水平面照度は、光源の種類にかかわらず一律1ルクス以上を確保すればよいとされている。
  3. 非常用照明の電源には蓄電池や自家発電設備が用いられ、非常点灯後一定時間(30分間)以上継続して点灯できることが求められる。
  4. 非常用照明は、避難方向を示すことを主目的とする誘導灯とは異なり、避難経路の床面等を照らして視認性を確保することを主目的とする設備である。

解答・解説

正答は2です。

  1. 正しい記述です。非常用照明装置は停電時に自動点灯し、避難上必要な床面照度を一定時間確保する設備です。
  2. 誤りです。非常用照明の床面水平面照度は、白熱灯であれば1ルクス以上、LED・蛍光灯であれば2ルクス以上を確保することとされています。「光源の種類にかかわらず一律1ルクス以上」という記述は誤りで、LED・蛍光灯の場合はより高い照度基準(2ルクス以上)が求められます。
  3. 正しい記述です。非常用照明の電源は蓄電池・自家発電設備等で、非常点灯後30分間以上の点灯継続が求められます。
  4. 正しい記述です。非常用照明は床面等の視認性確保を主目的とし、避難方向の表示を主目的とする誘導灯とは役割が異なります。

出題根拠: 非常用照明の床面照度基準が光源の種類によって異なる(白熱灯1lx・LED等2lx)という点は、防災照明設備の頻出論点であり、令和8年度も出題が予想されます。


問12(誘導灯)

誘導灯に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 誘導灯は、表示面の縦寸法が大きいものほどC級に区分され、縦寸法の小さいものほどA級に区分される。
  2. A級の避難口誘導灯は、B級・C級と比較してより遠方からでも視認しやすいため、大規模な防火対象物や歩行距離が長くなる区画等での使用に適している。
  3. 誘導灯には、避難口の位置を示す避難口誘導灯のほか、避難の方向を示す通路誘導灯、劇場等の客席で使用する客席誘導灯がある。
  4. 誘導灯の設置間隔(歩行距離)は、区分(A・B・C級)や避難方向を示すシンボルマークの有無に応じて異なる基準が定められている。

解答・解説

正答は1です。

  1. 誤りです。誘導灯の区分は表示面の縦寸法によって定められており、縦寸法が大きいものほどA級、小さいものほどC級に区分されます(A級:縦寸法0.4m以上、B級:0.2m以上0.4m未満、C級:0.1m以上0.2m未満)。設問はA級とC級の大小関係を逆にしています。
  2. 正しい記述です。A級は表示面が大きく遠方からの視認性が高いため、大規模な防火対象物等での使用に適しています。
  3. 正しい記述です。誘導灯には避難口誘導灯・通路誘導灯・客席誘導灯があります。
  4. 正しい記述です。設置間隔(歩行距離)は区分やシンボルマークの有無に応じて異なる基準が定められています。

出題根拠: 誘導灯のA・B・C級の区分が表示面の縦寸法によって定められ、大きいものほどA級であるという関係は、誘導灯設置基準の最も基本的な頻出論点です。


問13(ZEB Oriented)

ZEB Orientedに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ZEB Orientedは、延べ面積10,000㎡以上の非住宅建築物を主な対象とし、一次エネルギー消費量の削減率によって水準が定義されている区分である。
  2. ZEB Orientedの一次エネルギー消費量削減率の基準は建築物の用途によって異なり、事務所等・学校等・工場等では40%以上、ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等では30%以上とされている。
  3. ZEB Orientedの削減率は、再生可能エネルギーによる創エネルギー分を除いた一次エネルギー消費量を対象として算定される。
  4. ZEB Orientedは、ZEB・Nearly ZEB・ZEB Readyと同様に、延べ面積の上限・下限にかかわらず、あらゆる規模の建築物に共通して適用される区分である。

解答・解説

正答は4です。

  1. 正しい記述です。ZEB Orientedは延べ面積10,000㎡以上の非住宅建築物を主な対象とする区分です。
  2. 正しい記述です。用途によって削減率の基準が異なり、事務所等・学校等・工場等は40%以上、ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等は30%以上とされています。
  3. 正しい記述です。ZEB Orientedの削減率は、創エネルギー分を除いた一次エネルギー消費量を対象に算定されます。
  4. 誤りです。ZEB Orientedは延べ面積10,000㎡以上の非住宅建築物という規模要件が設けられている点で、他のZEB区分と異なる特徴を持ちます。「延べ面積の上限・下限にかかわらずあらゆる規模に共通して適用される」という記述は、この規模要件と矛盾します。

出題根拠: ZEB Orientedが延べ面積10,000㎡以上の非住宅建築物を対象とし、用途に応じて30%・40%という異なる削減率基準を持つという点は、省エネルギー・環境性能評価の中でも近年出題が増えている論点です。詳しくは建築物のZEBとはで解説しています。


問14(BEMS)

BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. BEMSは、建築物のエネルギー使用状況を計測・監視し、空調・照明等の設備を最適に制御することで省エネルギーを図る仕組みである。
  2. BEMSは、エネルギー使用量の計測・見える化のみを目的としたシステムであり、設備機器を自動的に制御する機能を持つことはない。
  3. BEMSにより取得したエネルギーデータを活用することで、ピークカット・ピークシフトなど、電力需要の平準化に向けた運用改善を図ることができる。
  4. BEMSの導入は、新築建築物だけでなく、既存建築物の省エネルギー改修(運用改善)においても活用される取り組みの一つである。

解答・解説

正答は2です。

  1. 正しい記述です。BEMSはエネルギー使用状況の計測・監視と、設備の最適制御による省エネルギーを図る仕組みです。
  2. 誤りです。BEMSは計測・見える化にとどまらず、空調・照明等の設備機器を自動的に制御する機能も備えたシステムです。「制御機能を持つことはない」という記述はBEMSの主要な機能を否定するもので誤りです。
  3. 正しい記述です。BEMSのデータを活用してピークカット・ピークシフト等の運用改善を図ることができます。
  4. 正しい記述です。BEMSは新築だけでなく既存建築物の運用改善にも活用されます。

出題根拠: BEMSが計測・見える化だけでなく設備の自動制御機能も持つという点は、省エネルギー・環境性能評価の実務的な論点として令和8年度も出題が予想されます。


問15(パッシブ・アクティブ手法)

省エネルギー計画におけるパッシブ手法・アクティブ手法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. パッシブ手法は、建築計画上の工夫(断熱・日射遮蔽・自然通風・自然採光等)によってエネルギー負荷そのものを低減しようとする省エネルギー手法である。
  2. アクティブ手法は、高効率な設備機器の導入や制御の最適化等によって、エネルギー消費効率を高めようとする省エネルギー手法である。
  3. 省エネルギー計画においては、パッシブ手法とアクティブ手法は互いに独立した手法であり、両者を組み合わせて設計することは想定されていない。
  4. 一般に、省エネルギー計画ではまずパッシブ手法によって負荷そのものを低減し、残った負荷に対してアクティブ手法で効率よく対応するという順序で検討することが有効とされている。

解答・解説

正答は3です。

  1. 正しい記述です。パッシブ手法は建築計画上の工夫でエネルギー負荷そのものを低減する手法です。
  2. 正しい記述です。アクティブ手法は高効率機器の導入・制御最適化でエネルギー消費効率を高める手法です。
  3. 誤りです。パッシブ手法とアクティブ手法は、省エネルギー計画において両方を組み合わせて用いるのが一般的な考え方であり、「互いに独立し組み合わせることは想定されていない」という記述は誤りです。
  4. 正しい記述です。パッシブ手法で負荷を低減したうえで、残った負荷にアクティブ手法で対応するという順序が有効とされています。

出題根拠: パッシブ手法とアクティブ手法を組み合わせて計画するという考え方は、省エネルギー設計の基本方針として頻出です。詳しくは照明設備の計画でも関連する省エネ照明制御の考え方を解説しています。


問16(再生可能エネルギーの利用)

建築物における再生可能エネルギーの利用に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 太陽光発電は、太陽電池により光エネルギーを熱エネルギーに変換し、その熱を利用して発電する再生可能エネルギー利用設備である。
  2. 太陽熱利用(太陽熱温水器等)は、太陽の熱エネルギーを直接給湯・暖房等に利用する方式であり、太陽光発電とは変換の仕組みが異なる。
  3. 建築物における再生可能エネルギーの利用は、ZEBの実現において、パッシブ・アクティブ手法による省エネルギーを行ったうえでの創エネルギーの手段として位置づけられる。
  4. 太陽光発電設備の発電量は、設置する方位・傾斜角や周囲の建築物等による日影の影響を受けるため、計画段階でこれらを考慮する必要がある。

解答・解説

正答は1です。

  1. 誤りです。太陽光発電は、太陽電池(半導体)の光電効果により、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する仕組みであり、熱エネルギーへの変換を介するものではありません。熱エネルギーを介して利用するのは太陽熱利用(太陽熱温水器等)の側です。
  2. 正しい記述です。太陽熱利用は太陽の熱エネルギーを直接給湯・暖房等に利用する方式で、太陽光発電とは仕組みが異なります。
  3. 正しい記述です。再生可能エネルギーの利用は、ZEBにおいて省エネルギーを行ったうえでの創エネルギーの手段として位置づけられます。
  4. 正しい記述です。太陽光発電の発電量は方位・傾斜角・日影の影響を受けるため、計画段階での検討が必要です。

出題根拠: 太陽光発電(光→電気の直接変換)と太陽熱利用(熱として利用)の変換方式の違いを混同させる出題は、再生可能エネルギー分野の定番のひっかけです。


問17(エレベーターの速度区分)

エレベーターの定格速度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. エレベーターの定格速度は、おおむね分速45m以下を低速、分速60〜105m程度を中速、分速120m以上を高速とする目安で区分されることがある。
  2. 高層建築物に設置されるエレベーターほど、一般に高い定格速度が採用される傾向にある。
  3. 病院における寝台(ストレッチャー)用エレベーターなど、乗り心地や積載物への配慮が優先される用途では、低速のエレベーターが採用されることがある。
  4. エレベーターの定格速度は、建築物の階数や用途にかかわらず、常に同一の速度を採用することが合理的とされている。

解答・解説

正答は4です。

  1. 正しい記述です。低速・中速・高速はおおむねこの速度域を目安に区分されることがあります。
  2. 正しい記述です。高層建築物ほど移動距離が長くなるため、高い定格速度が採用される傾向にあります。
  3. 正しい記述です。寝台用エレベーター等、乗り心地への配慮が優先される用途では低速が採用されることがあります。
  4. 誤りです。選択肢1〜3の内容と矛盾しており、エレベーターの定格速度は建築物の階数・用途・積載物の特性等に応じて選定するのが合理的であり、常に同一の速度を採用するものではありません。

出題根拠: エレベーターの速度区分と用途に応じた選定の考え方は、昇降機計画の基礎として頻出です。詳しくはエレベーター・エスカレーター設備の基礎で解説しています。


問18(エスカレーターの勾配・速度基準)

エスカレーターの構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築基準法施行令上、エスカレーターの勾配は原則として30度以下とすることとされている。
  2. エスカレーターの踏段の定格速度は、勾配にかかわらず一律に分速50m以下とすることとされている。
  3. エスカレーターの勾配が大きくなるほど、安全上の観点から定格速度の上限は低く抑えられる傾向にある。
  4. エスカレーターは、建築基準法上、勾配・速度のほか、踏段の幅等についても構造上の基準が定められている。

解答・解説

正答は2です。

  1. 正しい記述です。建築基準法施行令上、エスカレーターの勾配は原則として30度以下とされています。
  2. 誤りです。エスカレーターの踏段の定格速度は勾配に応じて上限が定められており、勾配が緩やかなものほど高い速度、勾配が大きいものほど低い速度が上限となります。「勾配にかかわらず一律に分速50m以下」という記述は誤りで、実際には勾配区分ごとに異なる速度上限(例えば勾配が大きい区分ほど低い上限)が定められています。
  3. 正しい記述です。勾配が大きくなるほど、安全上の観点から定格速度の上限は低く抑えられる傾向にあります。
  4. 正しい記述です。エスカレーターは勾配・速度のほか、踏段の幅等についても構造基準が定められています。

出題根拠: エスカレーターの速度上限が勾配に応じて段階的に定められているという点は、選択肢3の内容とあわせて理解しておきたい頻出論点です。詳しくはエレベーター・エスカレーター設備の基礎で解説しています。


問19(非常用エレベーター)

非常用エレベーターに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 非常用エレベーターは、建築基準法上、高さ31mを超える建築物に原則として設置が義務付けられている。
  2. 非常用エレベーターは、主として火災時の消防隊による消火・救助活動のために使用されることを想定した設備である。
  3. 高さ31mを超える建築物であれば、当該部分の用途・階数・防火区画の状況にかかわらず、非常用エレベーターの設置が一律に義務付けられる。
  4. 非常用エレベーターの設置義務における「高さ31m」は一般用のエレベーターとは別に設けられる規定であり、一般用エレベーターの計画だけでは満たすことができない要件である。

解答・解説

正答は3です。

  1. 正しい記述です。非常用エレベーターは高さ31mを超える建築物に原則として設置が義務付けられています。
  2. 正しい記述です。非常用エレベーターは主に火災時の消防隊による消火・救助活動のために使用される設備です。
  3. 誤りです。高さ31mを超える建築物であっても、当該部分の階段室・機械室等の用途や、床面積の合計、耐火構造・防火区画の状況等の条件によっては、非常用エレベーターの設置が不要となる除外規定が設けられています。「用途・階数・防火区画の状況にかかわらず一律に義務付けられる」という記述は、この除外規定と矛盾します。
  4. 正しい記述です。非常用エレベーターの設置義務は一般用エレベーターの計画とは別に検討すべき要件です。

出題根拠: 非常用エレベーターの設置義務(高さ31m超)には、階数・面積・防火区画の状況等に応じた除外規定が存在するという点は、防災設備との複合領域として令和8年度も出題が予想されます。詳しくはエレベーター・エスカレーター設備の基礎で解説しています。


問20(戸開走行保護装置)

戸開走行保護装置(UCMP)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 戸開走行保護装置は、平成21年(2009年)の建築基準法施行令改正により、既存不適格を含むすべてのエレベーターに対して遡及的に設置が義務付けられた装置である。
  2. 戸開走行保護装置は、駆動装置や制御回路の故障等によりかごの戸が開いたまま走行してしまう事故(戸開走行)を防止するための装置である。
  3. 平成21年の建築基準法施行令改正では、戸開走行保護装置とあわせて、地震時にかごを最寄り階へ制御して停止させる地震時管制運転装置の設置も義務化された。
  4. 戸開走行保護装置は、制動装置や制御回路の一部が故障した場合でも、独立した回路によって戸開走行を検出し、かごを制止する仕組みを備えている。

解答・解説

正答は1です。

  1. 誤りです。平成21年の建築基準法施行令改正で戸開走行保護装置の設置が義務付けられたのは、改正後に着工する新設のエレベーターに対してです。改正前から設置されている既存のエレベーターは既存不適格として扱われ、遡及的に設置が義務付けられるものではありません。
  2. 正しい記述です。戸開走行保護装置は戸開走行事故を防止するための装置です。
  3. 正しい記述です。平成21年の改正では戸開走行保護装置とあわせて地震時管制運転装置の設置も義務化されました。
  4. 正しい記述です。制動装置・制御回路の一部が故障しても、独立した回路で戸開走行を検出しかごを制止する仕組みを備えています。

出題根拠: 戸開走行保護装置の設置義務が新設エレベーターを対象とし、既存エレベーターには遡及しない(既存不適格として扱われる)という点は、昇降機の安全装置の頻出論点であり、令和8年度も出題が予想されます。詳しくはエレベーター・エスカレーター設備の基礎で解説しています。


直前チェックリスト

20問で扱った論点に加え、直前期にあわせて確認しておきたい重要論点を以下にまとめます。

  • 受変電方式(キュービクル・借室・借棟)の使い分けと、特別高圧受電(契約電力2,000kW以上)の目安
  • 力率改善(進相コンデンサ)により電流・電圧降下・損失が低減されること
  • 幹線の電圧降下の許容値がこう長に応じて段階的に緩和される基準であること(こう長60m以下は3%以下が標準)
  • スターデルタ始動は始動時にスター結線とし、始動電流・始動トルクがともに全電圧始動時のおおむね1/3になること
  • 避雷設備の回転球体法における球の半径が保護レベル(I〜IV)によって異なること
  • 自家発電設備の始動時間(40秒以内)と、定格負荷での連続運転時間の基準
  • 差動式・定温式・煙式感知器の設置適否(厨房・ボイラー室には定温式が適すること)
  • 屋内消火栓の1号・2号の放水量・水源水量の大小関係(1号の方が大きい)
  • 開放型スプリンクラー設備が舞台部・倉庫等、急速な火災拡大が想定される部分に採用されること
  • 自然排煙の有効開口面積が防煙区画の床面積の1/50以上という比例基準であること
  • 非常用照明の床面照度基準が光源によって異なること(白熱灯1lx以上、LED・蛍光灯2lx以上)
  • 誘導灯のA・B・C級区分(表示面の縦寸法が大きいものほどA級)
  • ZEB Orientedが延べ面積10,000㎡以上の非住宅建築物を対象とし、用途により30%・40%の削減率基準を持つこと
  • BEMSが計測・見える化だけでなく設備の自動制御機能も備えること
  • パッシブ手法とアクティブ手法を組み合わせて計画するのが基本方針であること
  • 太陽光発電は光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する仕組みであること
  • エレベーターの速度区分(低速・中速・高速)の目安と、用途に応じた速度選定の考え方
  • エスカレーターの勾配は原則30度以下、勾配に応じて速度上限が段階的に定められていること
  • 非常用エレベーターの設置義務(高さ31m超)には階数・面積・防火区画等に応じた除外規定があること
  • 戸開走行保護装置(UCMP)は新設エレベーターが対象で、既存エレベーターは既存不適格として扱われること

まとめ

電気設備・防災設備・省エネルギー環境性能・昇降機は、それぞれ独立した単元に見えても、非常用発電機の始動時間と自然排煙の面積基準のように「数値そのものの正確な記憶」が問われる場面と、パッシブ・アクティブ手法や戸開走行保護装置の適用範囲のように「制度の趣旨や仕組みの理解」が問われる場面の両方が混在していると筆者は考えています。この第5集で環境・設備の予想問題は約100問に達しましたが、量をこなすこと自体が目的ではなく、誤答した論点を単元記事に戻って確認し、知識の抜けを一つずつ埋めていく作業こそが直前期の得点力に直結すると筆者は考えています。試験本番では、数値基準を問う選択肢ほど「言い切り表現(常に・一律に・かかわらず等)」に注意しながら読み進めることをおすすめします。


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