宅建 1日20問ドリル Day13|法令上の制限③・国土利用計画法・農地法・土地区画整理法(事後届出制・農地の権利移動と転用・仮換地と換地処分)
「1日20問ドリル」は、令和8年度(2026年)の宅地建物取引士試験を見据え、筆者が独自に作成した予想問題を1日20問ずつ、30日で全単元を一巡できるように構成した連載です。Day13では法令上の制限(8問・16%)に戻り、都市計画法・建築基準法(Day5・Day6)に続く残り4分野のうち、国土利用計画法・農地法・土地区画整理法の3分野を扱います。この3分野は出題範囲が都市計画法・建築基準法ほど広くなく、条文の要件・数値・許可権者を正確に押さえれば得点源にしやすい単元です。
本記事で特に重点を置いたのは「似て非なる制度の入れ替え」です。国土利用計画法では、規制区域の許可制(14条)、注視区域・監視区域の事前届出制(27条の4・27条の7)、それ以外の土地取引の事後届出制(23条)という3つの制度が並行して存在し、届出・許可のタイミング(あらかじめ/契約締結後2週間以内)と、無許可・無届出の効果(契約の効力を生じない/効力には影響しない)が制度ごとに異なります。農地法では、権利移動の制限(3条・許可権者は農業委員会)と転用の制限(4条)・転用のための権利移動の制限(5条・いずれも許可権者は都道府県知事等)とで許可権者が異なり、相続による取得は3条の許可こそ不要であるものの農業委員会への届出(3条の3)が別途必要になる点、市街化区域内の特例(あらかじめの届出で足りる)は4条・5条にはあっても3条にはない点が急所です。土地区画整理法では、仮換地の指定の効果(従前の宅地は使用収益できなくなる)と、換地処分の効果(換地は公告日の翌日から従前の宅地とみなされる)という2つの「効果の発生時点」の違いを扱っています。個数問題を3問(問7・問14・問20)織り交ぜ、四肢すべての記述を精読しないと解けない構成にしています。
なお、本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。法令は令和8年4月1日現在施行されているものを基準に作問しており、e-Gov法令検索(基準日指定機能)で国土利用計画法・農地法・土地区画整理法の該当条文を確認したところ、いずれも令和8年4月1日時点で施行済みの条文であり、本記事が扱う各条項(国土利用計画法14条・23条・24条・27条の3〜27条の7、農地法3条・3条の3・4条・5条、土地区画整理法76条・96条・98条・99条・103条・104条)の数値・要件は確認した条文のとおりであることを確認しています(土地区画整理法は令和8年5月27日施行の改正が別途存在しますが、これは基準日である令和8年4月1日時点では未施行のため、本記事の作問には反映していません)。受験にあたっては最新の法令・公式発表を必ずご確認ください。
一連のドリルの全体構成は、ハブ記事「宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問(令和8年度対応)」でまとめています。あわせてご覧ください。
Day13の範囲:国土利用計画法・農地法・土地区画整理法
| テーマ | 対応問番号 |
|---|---|
| 国土利用計画法・事後届出制の基本(23条) | 問1 |
| 国土利用計画法・事後届出の適用除外面積(23条2項1号) | 問2 |
| 国土利用計画法・届出後の勧告等(24条〜26条) | 問3 |
| 国土利用計画法・注視区域における事前届出(27条の3・27条の4) | 問4 |
| 国土利用計画法・監視区域における事前届出(27条の6・27条の7) | 問5 |
| 国土利用計画法・規制区域における許可制(14条) | 問6 |
| 国土利用計画法の総合確認(個数問題) | 問7 |
| 農地法・権利移動の制限(3条) | 問8 |
| 農地法・相続による取得と届出(3条の3) | 問9 |
| 農地法・転用の制限(4条) | 問10 |
| 農地法・市街化区域内の特例(4条1項7号・5条1項6号) | 問11 |
| 農地法・転用のための権利移動の制限(5条) | 問12 |
| 農地法・3条4条5条の許可権者の比較 | 問13 |
| 農地法の総合確認(個数問題) | 問14 |
| 土地区画整理法・建築行為等の制限(76条) | 問15 |
| 土地区画整理法・仮換地の指定(98条) | 問16 |
| 土地区画整理法・仮換地の指定の効果(99条) | 問17 |
| 土地区画整理法・保留地(96条) | 問18 |
| 土地区画整理法・換地処分の効果(103条・104条) | 問19 |
| 土地区画整理法の総合確認(個数問題) | 問20 |
個数問題を3問(問7・問14・問20)織り交ぜ、四肢すべての記述を精読しないと解けない構成にしています。目安の学習時間は35〜45分です。
問題20問
問1 事後届出制の基本(23条)
宅地建物取引業者ではないAが所有する土地について、Bが土地売買契約を締結し所有権を取得した場合の、国土利用計画法23条の届出に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Bは、契約を締結した日から起算して2週間以内に、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。
- 届出は、権利取得者であるBだけでなく、売主Aも共同してしなければならない。
- Bは、届出をした日から起算して6週間を経過するまでは、取得した土地に関する権利の移転を第三者に対抗することができない。
- Bは、都道府県知事に対し直接届け出なければならず、市町村の長を経由して届け出ることはできない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。土地売買等の契約を締結した場合には、権利取得者は、その契約を締結した日から起算して2週間以内に、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければなりません(23条1項)。
2は誤りです。23条1項の届出義務者は、土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる権利取得者であり、売主が共同で届け出る義務は課されていません。
3は誤りです。6週間という期間は、注視区域における事前届出をした者が契約締結を控えなければならない期間(27条の4第3項)に関するものであり、23条の事後届出にはこのような対抗要件の制限規定はありません。
4は誤りです。届出は、当該土地が所在する市町村の長を経由して都道府県知事に対して行うものとされています。
事後届出の届出義務者は権利取得者に限られ、期限は契約締結日から2週間以内という点が、この制度の入り口の急所です。
問2 事後届出の適用除外面積(23条2項1号)
国土利用計画法23条の事後届出に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 市街化区域内にある土地について土地売買等の契約を締結した場合、その面積が2,000平方メートル未満であるときは、原則として届出を要しない。
- 都市計画法上の市街化調整区域を含む都市計画区域(市街化区域を除く)内にある土地の場合、届出を要しない面積の基準は2,000平方メートル未満である。
- 都市計画区域外の区域にある土地の場合、面積の大小にかかわらず届出を要する。
- 権利取得者が、届出を要しない面積未満の土地を含む一団の土地について、その区域に応じた面積以上の権利の移転又は設定を受けることとなる場合であっても、取得した個々の土地それぞれの面積で判定すれば足り、一団の土地全体の面積は考慮しない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。市街化区域にあっては2,000平方メートル未満の土地についての土地売買等の契約は、原則として事後届出を要しません(23条2項1号イ)。
2は誤りです。市街化区域を除く都市計画区域内にあっては、届出を要しない面積の基準は5,000平方メートル未満です(23条2項1号ロ)。2,000平方メートルは市街化区域の基準です。
3は誤りです。都市計画区域外の区域にあっては、10,000平方メートル未満の土地についての契約は届出を要しません(23条2項1号ハ)。
4は誤りです。権利取得者が、届出を要しない面積未満の土地を含む一団の土地で、その区域に応じた面積以上のものについて権利の移転又は設定を受けることとなる場合には、個々の契約の面積が基準未満であっても、面積要件による適用除外の対象から除かれ、届出を要します(23条2項1号かっこ書)。
市街化区域2,000平方メートル・その他の都市計画区域5,000平方メートル・都市計画区域外10,000平方メートルという3段階の面積基準と、一団の土地として合算判定される場合がある点が、この論点の急所です。
問3 届出後の勧告等(24条〜26条)
前問におけるBの届出があった場合の都道府県知事の対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 都道府県知事は、Bの届出に係る土地の利用目的が、土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画に適合せず、周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、土地利用審査会の意見を聴いて、利用目的について必要な変更をすべきことを勧告することができる。
- 前記1の勧告は、Bの届出があった日から起算して2週間以内にしなければならない。
- 都道府県知事は、Bが前記1の勧告に従わない場合、Bとの間の土地売買契約を取り消すことができる。
- 都道府県知事は、前記1の勧告をした場合であっても、その勧告に基づいて講じた措置についてBに報告をさせることはできない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。都道府県知事は、届出に係る土地の利用目的が計画に適合せず、周辺地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、土地利用審査会の意見を聴いて、利用目的の変更を勧告することができます(24条1項)。
2は誤りです。この勧告は、届出があった日から起算して3週間以内にしなければなりません(24条2項)。
3は誤りです。24条以下の規定には、勧告に従わない場合に土地売買契約そのものを取り消す権限は定められていません。都道府県知事にできるのは、勧告に従わない旨及びその内容を公表することです(26条)。
4は誤りです。都道府県知事は、勧告をした場合において必要があると認めるときは、勧告を受けた者に対し、その勧告に基づいて講じた措置について報告をさせることができます(25条)。
事後届出に対する行政の関与は、勧告・公表・報告徴収にとどまり、契約そのものの効力を左右する強い権限(許可の取消しや契約の無効化)までは及ばない点が、規制区域の許可制との対比で重要な急所です。
問4 注視区域における事前届出(27条の3・27条の4)
都道府県知事が指定する注視区域に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 注視区域内に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合、当事者は、契約を締結した後2週間以内に届け出れば足りる。
- 注視区域における事前届出をした者は、その届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間、原則として当該土地売買等の契約を締結してはならない。
- 都道府県知事は、注視区域を指定しようとする場合、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴くことなく、これを指定することができる。
- 注視区域における事前届出の対象となる面積基準は、事後届出(23条2項1号)の面積基準とは別に、注視区域独自の基準が法律上定められている。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。注視区域内の土地売買等の契約は、事後の届出ではなく、契約を締結しようとする場合にあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない事前届出制です(27条の4第1項)。
2が正しい記述です。注視区域における事前届出をした者は、その届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間、原則として当該土地売買等の契約を締結してはなりません(27条の4第3項本文)。
3は誤りです。都道府県知事は、注視区域を指定しようとする場合には、あらかじめ、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聴かなければなりません(27条の3第2項)。
4は誤りです。注視区域における事前届出の面積基準は、23条2項1号イからハまでに規定する区域に応じた面積基準を準用しており、独自の基準が別に定められているわけではありません(27条の4第2項1号)。
事後届出(契約締結後2週間以内)と事前届出(あらかじめ、かつ届出後6週間は契約締結を控える)という時系列の違いが、この論点の急所です。
問5 監視区域における事前届出(27条の6・27条の7)
監視区域に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 監視区域は、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域について指定される。
- 監視区域における事前届出の対象となる面積基準は、注視区域と同じく、法律上定められた面積基準がそのまま適用される。
- 監視区域における事前届出をした者は、届出をした日から起算して2週間を経過する日までの間、当該土地売買等の契約を締結してはならない。
- 監視区域として指定された区域の全部又は一部が、規制区域として指定されることはない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。都道府県知事は、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を、期間を定めて監視区域として指定することができます(27条の6第1項)。
2は誤りです。監視区域における事前届出の対象面積は、23条2項1号イからハまでに規定する面積に満たない範囲内で、都道府県の規則で定める面積とされており、注視区域のように法律上の基準がそのまま適用されるわけではありません(27条の7第1項・第2項)。
3は誤りです。監視区域における事前届出後の契約締結禁止期間は、注視区域と同じく27条の4第3項が準用され、届出をした日から起算して6週間を経過する日までです。
4は誤りです。監視区域の全部又は一部の区域が規制区域として指定された場合には、当該監視区域の指定が解除され、又は当該一部の区域について監視区域に係る区域の減少があったものとされます(27条の6第6項)。この規定は、監視区域が規制区域として指定されることがあり得ることを前提としています。
監視区域の面積基準は都道府県の規則で定められ、注視区域より小さい面積に設定できる点が、注視区域との違いの急所です。
問6 規制区域における許可制(14条)
国土利用計画法の規制区域に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 規制区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合、当事者は都道府県知事の許可を受けなければならず、その許可を受けないで締結した契約は、その効力を生じない。
- 規制区域における許可制は、注視区域・監視区域における届出制と同様、契約の効力そのものには影響を及ぼさない。
- 規制区域における許可の申請は、都道府県知事に対して直接行うものとされており、市町村の長を経由する必要はない。
- 規制区域内の土地に関する権利の移転についての契約は、民事調停法による調停に基づく場合であっても、14条の許可を要する。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。規制区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合には、当事者は都道府県知事の許可を受けなければならず(14条1項)、その許可を受けないで締結した契約は、その効力を生じません(14条3項)。
2は誤りです。1のとおり、規制区域の許可制は契約の効力そのものを左右する強い規制であり、この点で事後届出制・事前届出制(届出の懈怠が契約の効力に影響しない)とは性質が異なります。
3は誤りです。14条1項の許可を受けようとする者は、申請書を、申請に係る土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に提出しなければなりません(15条1項)。
4は誤りです。14条1項の規定は、民事調停法による調停に基づく場合その他政令で定める場合には、適用されません(14条2項)。したがって、民事調停法による調停に基づく場合には、14条の許可を要しません。
規制区域の許可制は、届出制とは異なり無許可の契約が無効になるという強い効果を持つ点が、国土利用計画法の3つの規制類型の中で最も重要な急所です。
問7 国土利用計画法の総合確認(個数問題)
国土利用計画法の届出制・許可制に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 事後届出制(23条)における届出義務者は、土地売買等の契約の当事者双方である。
イ 事後届出は、土地売買等の契約を締結した日から起算して2週間以内にしなければならない。
ウ 注視区域における事前届出をした者は、原則として、届出をした日から起算して6週間を経過する日までは、当該契約を締結してはならない。
エ 規制区域内の土地売買等の契約は、都道府県知事の許可を受けないで締結した場合であっても、当然に無効となるわけではない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は2です。
アは誤りです。23条1項の届出義務者は、土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる権利取得者であり、当事者双方ではありません。
イは正しい記述です。事後届出は、契約を締結した日から起算して2週間以内にしなければなりません(23条1項)。
ウは正しい記述です。注視区域における事前届出をした者は、原則として、届出をした日から起算して6週間を経過する日までは、当該契約を締結してはなりません(27条の4第3項本文)。
エは誤りです。規制区域内の土地売買等の契約は、都道府県知事の許可を受けないで締結した場合、その効力を生じません(14条3項)。
したがって、正しいものはイ・ウの2つであり、正答は2です。届出制(事後届出・事前届出)では届出の懈怠が契約の効力そのものに影響しないのに対し、許可制(規制区域)では無許可の契約が無効になるという効果の違いが、この分野全体の急所です。
問8 農地の権利移動の制限(3条)
農地法3条(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 農地について所有権を移転する場合には、当事者は、原則として農業委員会の許可を受けなければならない。
- 農地について賃借権を設定する場合には、3条の許可を要しない。
- 農地を取得しようとする者が都道府県である場合であっても、当事者は3条の許可を受けなければならない。
- 3条の許可権者は、当該農地が所在する都道府県の知事である。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。農地について所有権を移転し、又は地上権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、当事者が農業委員会の許可を受けなければなりません(3条1項本文)。
2は誤りです。3条1項本文が対象とする権利には、所有権のほか、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が含まれます。賃借権の設定も3条の許可の対象です。
3は誤りです。これらの権利を取得する者が国又は都道府県である場合は、3条1項の許可を要しません(3条1項5号)。
4は誤りです。3条の許可権者は、都道府県知事ではなく農業委員会です。
3条の許可権者が農業委員会である点は、都道府県知事等が許可権者となる4条・5条(問13参照)との対比で最も重要な急所です。
問9 相続による農地の取得と届出(3条の3)
相続によりAが所有する農地の所有権を取得したBに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Bは、相続による所有権の取得について、農地法3条の許可を受ける必要はないが、遅滞なく、農業委員会にその旨を届け出なければならない。
- Bは、相続による所有権の取得についても、農地法3条の許可を受けなければならない。
- Bは、相続による所有権の取得について農業委員会への届出をする必要はなく、都道府県知事への届出で足りる。
- 遺産分割によって農地を取得した場合は、相続による取得とは異なり、農業委員会への届出を要しない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。相続による農地の所有権の取得は、農林水産省令で定める場合として3条1項の許可を要しない場合にあたりますが、この場合、権利を取得した者は、遅滞なく、農業委員会にその旨を届け出なければなりません(3条の3)。
2は誤りです。相続による所有権の移転は、一般承継として3条1項の許可を要しません。
3は誤りです。3条の3の届出先は農業委員会であり、都道府県知事への届出ではありません。
4は誤りです。3条の3の届出は、3条1項の許可を要しない場合のうち、遺産の分割による場合(3条1項12号)及び相続を含む農林水産省令で定める場合(3条1項16号)については除外されず、いずれも届出の対象となります。遺産分割によって農地を取得した場合も、相続と同様に農業委員会への届出を要します。
相続そのものは3条の許可を要しないが、届出まで不要になるわけではない、という「許可不要」と「届出不要」を混同しない点が、この論点の急所です。
問10 農地の転用の制限(4条)
農地法4条(農地の転用の制限)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 自己の所有する農地を農地以外のものにしようとする者は、原則として都道府県知事等(都道府県知事又は指定市町村の長)の許可を受けなければならない。
- 4条の許可権者は、当該農地の所在地にかかわらず都道府県知事であり、指定市町村の長が許可権者となることはない。
- 農地を転用する行為が、土地収用法その他の法律によって収用した農地をその収用に係る目的に供する場合であっても、4条の許可を要する。
- 4条の許可を受けようとする者は、都道府県知事等に直接申請書を提出しなければならず、農業委員会を経由する必要はない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。農地を農地以外のものにする者は、原則として、都道府県知事等(指定市町村の区域内にあっては指定市町村の長、それ以外は都道府県知事)の許可を受けなければなりません(4条1項本文)。
2は誤りです。指定市町村の区域内にある農地については、許可権者は都道府県知事ではなく指定市町村の長となります(4条1項本文かっこ書)。
3は誤りです。土地収用法その他の法律によって収用した農地を、その収用に係る目的に供する場合は、4条1項の許可を要しません(4条1項6号)。
4は誤りです。4条1項の許可を受けようとする者は、申請書を、農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければなりません(4条2項)。
指定市町村の制度により、許可権者が都道府県知事に限られず指定市町村の長になり得る点が、4条の許可権者に関する見落としやすい急所です。
問11 市街化区域内の特例(4条1項7号・5条1項6号)
農地の転用に関する市街化区域内の特例に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 市街化区域内にある農地を農地以外のものにする場合、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出れば、4条の許可を受ける必要はない。
- 市街化区域内にある農地について、転用のためこれについての権利を取得する場合、あらかじめ都道府県知事に届け出れば、5条の許可を受ける必要はない。
- 市街化区域内にある農地について、転用を伴わない権利移動を行う場合(3条)にも、あらかじめの届出によって許可を要しないとする特例が認められている。
- 市街化調整区域内にある農地についても、市街化区域と同様の、あらかじめの届出による特例が認められている。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。市街化区域内にある農地について、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合には、4条1項の許可を要しません(4条1項7号)。
2は誤りです。5条1項6号も同様の特例を定めていますが、届出先は都道府県知事ではなく農業委員会です。
3は誤りです。市街化区域内の特例(あらかじめの届出による許可不要)が定められているのは、転用を伴う4条・5条のみであり、転用を伴わない権利移動のみを行う3条には、このような特例規定はありません。
4は誤りです。あらかじめの届出による特例は市街化区域内にある農地に限られており、市街化調整区域には適用されません。
市街化区域内の特例は、転用が絡む4条・5条にのみ存在し、単純な権利移動のみを対象とする3条には存在しないという点が、この論点の急所です。
問12 転用のための権利移動の制限(5条)
農地法5条(農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 農地を宅地に転用する目的で当該農地について所有権を移転する場合には、当事者は、原則として都道府県知事等の許可を受けなければならない。
- 5条の許可における申請書は、都道府県知事等に対して直接提出しなければならず、農業委員会を経由する必要はない。
- 国又は都道府県等が転用のためにこれらの権利を取得しようとする場合には、都道府県知事等との協議が成立することをもって5条の許可があったものとみなされることはなく、通常の許可申請の手続を経る必要がある。
- 5条の許可の申請に対する不許可事由は、4条とは異なり、法律上定められていない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。農地を農地以外のものにするため、当該農地について3条1項本文に掲げる権利(所有権等)を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければなりません(5条1項本文)。
2は誤りです。5条の許可の申請書は、4条2項の規定が準用され、農業委員会を経由して都道府県知事等に提出しなければなりません(5条3項)。
3は誤りです。国又は都道府県等が、転用のためにこれらの権利を取得しようとする場合(5条1項各号のいずれかに該当する場合を除く)には、都道府県知事等との協議が成立することをもって、5条1項の許可があったものとみなされます(5条4項)。
4は誤りです。5条2項は、5条1項の許可をすることができない場合(不許可事由)を、4条6項とほぼ同様の内容で列挙しています。
国・都道府県等が転用目的で権利を取得する場合、協議の成立が許可があったものとみなされる扱いになる点が、5条の急所です。
問13 3条・4条・5条の許可権者の比較
農地法3条・4条・5条の許可権者に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 3条(権利移動の制限)の許可権者は農業委員会であるのに対し、4条(転用の制限)及び5条(転用のための権利移動の制限)の許可権者は都道府県知事等(都道府県知事又は指定市町村の長)である。
- 3条・4条・5条のいずれについても、許可権者は都道府県知事等であり、農業委員会が許可権者となることはない。
- 4条の許可を受けようとする者が国又は都道府県等である場合、当該国又は都道府県等は、他の一般の申請者と同様、都道府県知事等の許可を現実に受けなければならない。
- 3条の許可を受けようとする者が国又は都道府県である場合、当該国又は都道府県は、都道府県知事等との協議をもって3条の許可があったものとみなされる。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。3条の許可権者は農業委員会であるのに対し(3条1項本文)、4条・5条の許可権者はいずれも都道府県知事等です(4条1項本文・5条1項本文)。
2は誤りです。3条の許可権者は農業委員会であり、都道府県知事等ではありません。
3は誤りです。国又は都道府県等が農地を農地以外のものにしようとする場合(4条1項各号のいずれかに該当する場合を除く)には、国又は都道府県等と都道府県知事等との協議が成立することをもって4条1項の許可があったものとみなされます(4条8項)。現実に許可を受ける必要はありません。
4は誤りです。国又は都道府県が3条の権利を取得する場合は、そもそも3条1項の適用が除外されます(3条1項5号)。4条・5条のような「協議が成立することをもって許可があったものとみなす」制度とは異なり、そもそも許可を受ける必要のない場合として扱われます。
3条の「国・都道府県は適用除外」という扱いと、4条・5条の「国・都道府県等は協議の成立をもって許可とみなす」という扱いは、いずれも国・都道府県等に配慮した規定である点で似ていますが、条文上の位置付けが異なる点に注意しましょう。
問14 農地法の総合確認(個数問題)
農地法(3条・3条の3・4条・5条)に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 農地について賃借権を設定する場合は、農地法3条の適用対象となる。
イ 相続により農地の所有権を取得した者は、農地法3条の許可を受ける必要はないが、農業委員会への届出をしなければならない。
ウ 市街化区域内にある農地を転用する場合、あらかじめ都道府県知事に届け出れば、4条の許可を受ける必要はない。
エ 農地を転用するため所有権を移転する場合、5条の許可の申請書は、農業委員会を経由して都道府県知事等に提出しなければならない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は3です。
アは正しい記述です。3条1項本文が対象とする権利には賃借権も含まれます。
イは正しい記述です。相続による所有権の取得は3条1項の許可を要しませんが、3条の3により農業委員会への届出が必要です。
ウは誤りです。市街化区域内の特例における届出先は農業委員会であり、都道府県知事ではありません(4条1項7号)。
エは正しい記述です。5条の許可の申請書は、4条2項の規定が準用され、農業委員会を経由して都道府県知事等に提出しなければなりません(5条3項)。
したがって、正しいものはア・イ・エの3つであり、正答は3です。ウのように「あらかじめの届出」という手続そのものは正しくても、届出先(農業委員会)を都道府県知事にすり替える誤りのパターンに注意しましょう。
問15 建築行為等の制限(76条)
土地区画整理事業の施行地区内における建築行為等の制限(76条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 施行地区内で、土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、都道府県知事等(国土交通大臣が施行する事業にあっては国土交通大臣)の許可を受けなければならない。
- 建築行為等の制限の始期は事業計画の認可の公告等であるが、終期は換地計画が確定した日である。
- 都道府県知事等は、76条1項の許可をしようとするときは、施行者の意見を聴く必要はない。
- 都道府県知事等は、76条1項の規定に違反した者に対しては原状回復を命ずることができるが、当該違反者から当該土地についての権利を承継した者に対しては、原状回復を命ずることができない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。事業計画の認可の公告等があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において土地の形質の変更や建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築等を行おうとする者は、都道府県知事等(国土交通大臣が施行する事業にあっては国土交通大臣)の許可を受けなければなりません(76条1項)。
2は誤りです。建築行為等の制限の終期は、換地計画の確定ではなく、換地処分の公告(103条4項)がある日までです。
3は誤りです。都道府県知事等は、76条1項の許可の申請があった場合において、その許可をしようとするときは、施行者の意見を聴かなければなりません(76条2項)。
4は誤りです。都道府県知事等は、76条1項の規定に違反した者だけでなく、これらの者から当該土地、建築物その他の工作物又は物件についての権利を承継した者に対しても、原状回復又は移転若しくは除却を命ずることができます(76条4項)。
建築行為等の制限は「事業計画等の公告」から「換地処分の公告」までという長い期間にわたって及ぶ点が、この規定の急所です。
問16 仮換地の指定(98条)
仮換地の指定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更等に係る工事のため必要がある場合には、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。
- 個人施行者が仮換地を指定しようとする場合、あらかじめ、従前の宅地の所有者及び仮換地となるべき宅地の所有者等の同意を得る必要はなく、土地区画整理審議会の意見を聴けば足りる。
- 区画整理会社が仮換地を指定しようとする場合、施行地区内の宅地について所有権を有する者及び借地権を有する者について、それぞれの過半数の同意を得れば足りる。
- 仮換地の指定については、行政手続法第3章の規定の適用を受け、聴聞その他の意見陳述のための手続を経なければならない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合には、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができます(98条1項)。
2は誤りです。個人施行者が仮換地を指定しようとする場合には、あらかじめ、従前の宅地の所有者及びその宅地についての権利者、並びに仮換地となるべき宅地の所有者及びその宅地についての権利者の同意を得なければなりません(98条3項)。土地区画整理審議会の意見聴取が必要とされるのは、市町村や国土交通大臣等が施行者となる場合です。
3は誤りです。区画整理会社が仮換地を指定しようとする場合には、施行地区内の宅地について所有権を有するすべての者及び借地権を有するすべての者の、それぞれ3分の2以上の同意を得なければなりません(98条4項)。
4は誤りです。仮換地の指定又は仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分の指定については、行政手続法第3章の規定は適用されません(98条7項)。
仮換地の指定に必要な手続(同意・意見聴取のいずれが必要か)は施行者の種類によって異なる点が、この分野の急所です。
問17 仮換地の指定の効果(99条)
仮換地が指定された場合の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 従前の宅地について権原に基づき使用又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
- 仮換地の指定があった場合であっても、従前の宅地について、引き続き使用又は収益をすることができる。
- 仮換地について使用又は収益を開始することができる日は、仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることができない。
- 仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日までの間に生じた損失について、施行者はいかなる場合も補償する必要がない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。仮換地が指定された場合、従前の宅地について権原に基づき使用又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができます(99条1項)。
2は誤りです。同項後段により、従前の宅地については、使用又は収益をすることができなくなります。
3は誤りです。施行者は、仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、仮換地について使用又は収益を開始することができる日を、仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることができます(99条2項)。
4は誤りです。従前の宅地の所有者等が、99条2項の規定によりその仮換地について使用又は収益を開始することができる日を別に定められたため、従前の宅地について使用又は収益することができなくなったことにより損失を受けた場合には、施行者は、通常生ずべき損失を補償しなければなりません(101条1項)。
仮換地の指定によって従前の宅地は使用収益できなくなる一方、仮換地の使用収益開始日は指定の効力発生日と別に定められることがあり、その場合には補償の対象になり得るという構造が急所です。
問18 保留地(96条)
保留地に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 個人施行者、組合又は区画整理会社が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、一定の土地を保留地として定めることができる。
- 市町村が施行する土地区画整理事業の換地計画において保留地を定める場合、その面積に制限はなく、施行後の宅地の価額の総額が施行前の価額の総額を超えない場合であっても、任意の面積を保留地として定めることができる。
- 区画整理会社が保留地を定めようとする場合には、土地区画整理審議会の同意を得なければならない。
- 保留地は、換地処分の公告があった日と同時に、施行者が取得する。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。個人施行者、組合又は区画整理会社が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができます(96条1項)。
2は誤りです。市町村・都道府県・国土交通大臣・機構等が施行する土地区画整理事業の場合、保留地を定めることができるのは、施行後の宅地の価額の総額が施行前の価額の総額を超える場合に限られ、その差額に相当する金額を超えない価額の範囲内でのみ定めることができます(96条2項)。
3は誤りです。土地区画整理審議会の同意を要するのは、市町村・都道府県・国土交通大臣・機構等が施行者である場合であり(96条3項)、区画整理会社はこれに含まれません。
4は誤りです。保留地は、換地処分の公告があった日と同時にではなく、その公告があった日の翌日において、施行者が取得します(104条11項)。
保留地を定められる要件・手続は施行者の種類によって異なり、公的な施行者(市町村等)は施行後の宅地価額が増加する場合に限られる点が急所です。
問19 換地処分の効果(103条・104条)
換地処分及びその効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 換地計画において定められた換地は、換地処分の公告があった日の翌日から、従前の宅地とみなされる。
- 換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、換地処分の公告があった日の翌日から消滅する。
- 施行地区内の宅地について存する地役権は、換地処分の公告があった日の翌日以後は、原則として消滅する。
- 換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了する前には、規準、規約、定款又は施行規程に別段の定めがある場合であっても行うことができない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。換地処分の公告があった場合においては、換地計画において定められた換地は、その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされます(104条1項前段)。
2は誤りです。換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、公告があった日の翌日からではなく、その公告があった日が終了した時において消滅します(104条1項後段)。
3は誤りです。施行地区内の宅地について存する地役権は、換地処分の公告があった日の翌日以後においても、原則としてなお従前の宅地の上に存続します(104条4項)。土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった地役権に限り、公告があった日が終了した時に消滅します(104条5項)。
4は誤りです。換地処分は、換地計画に係る区域の全部について工事が完了した後、遅滞なく行うのが原則ですが、規準、規約、定款又は施行規程に別段の定めがある場合には、工事が完了する以前においても行うことができます(103条2項ただし書)。
換地処分の効果の発生時点が「公告があった日の翌日」であるものと「公告があった日が終了した時」であるものとに分かれる点が、この分野で最も混同しやすい急所です。
問20 土地区画整理法の総合確認(個数問題)
土地区画整理法に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 施行地区内において建築物の新築等を行おうとする者は、事業計画の認可の公告等があった日後、換地処分の公告がある日までは、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
イ 仮換地が指定された場合、従前の宅地について権原に基づき使用又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日以後も、引き続き従前の宅地を使用又は収益することができる。
ウ 保留地は、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、換地計画において定めることができる。
エ 換地処分の公告があった場合、換地計画において定められた換地は、その公告があった日から従前の宅地とみなされる。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は2です。
アは正しい記述です。建築行為等の制限は、事業計画の認可の公告等があった日後、換地処分の公告がある日までの間に及びます(76条1項)。
イは誤りです。仮換地が指定された場合、従前の宅地について権原に基づき使用又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、従前の宅地については使用又は収益することができなくなります(99条1項)。
ウは正しい記述です。保留地は、事業の施行の費用に充てるため、又は規準、規約若しくは定款で定める目的のため、換地計画において定めることができます(96条1項)。
エは誤りです。換地計画において定められた換地は、換地処分の公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされるのであり、公告があった日そのものからではありません(104条1項前段)。
したがって、正しいものはア・ウの2つであり、正答は2です。Day13で扱った国土利用計画法・農地法・土地区画整理法は、いずれも都市計画法・建築基準法に比べて条文数は少ないものの、届出・許可の対象となる期間の始点・終点、効果の発生時点(当日か翌日か)を正確に押さえることで得点しやすい分野です。
まとめとDay12とのつながり
Day13では、法令上の制限のうち、国土利用計画法の事後届出制(23条)・注視区域と監視区域における事前届出(27条の4・27条の7)・規制区域における許可制(14条)、農地法の権利移動の制限(3条)・転用の制限(4条)・転用のための権利移動の制限(5条)・相続による取得の届出(3条の3)・市街化区域内の特例、土地区画整理法の建築行為等の制限(76条)・仮換地の指定とその効果(98条・99条)・保留地(96条)・換地処分の効果(103条・104条)を20問(うち個数問題3問)で確認しました。
Day12の権利関係では、連帯債務・連帯保証について生じた事由のうち更改・相殺・混同だけが他の当事者にも効力が及ぶ絶対的効力事由であるという条文の構造が急所でした。Day13でも同様に、国土利用計画法の許可制(無効になる)と届出制(契約の効力には影響しない)、農地法の許可権者(農業委員会か都道府県知事等か)、土地区画整理法の効果発生時点(公告があった日か、その翌日か)という、断定的な言い回しではなく条文の文言そのものから正誤を判断する論点が中心になっています。数値・主体・期間の起算点を条文単位で正確に区別する姿勢が、法令上の制限全体を通じて役立ちます。
次回のDay14以降は宅建業法の35条書面(重要事項説明)を扱う予定です。全体の進捗やDay一覧は、ハブ記事「宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問(令和8年度対応)」から確認できます。
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