宅建 1日20問ドリル Day11|宅建業法・8種制限②(損害賠償額の予定・手付の額の制限・担保責任の特約制限・割賦販売契約の解除等制限・所有権留保等の禁止)
「1日20問ドリル」は、令和8年度(2026年)の宅地建物取引士試験を見据え、筆者が独自に作成した予想問題を1日20問ずつ、30日で全単元を一巡できるように構成した連載です。Day11では宅建業法(20問・40%)に戻り、自ら売主となる場合の8種制限のうち、Day8で扱わなかった6つの規定——自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限(33条の2)、損害賠償額の予定等の制限(38条)、手付の額の制限(39条)、担保責任についての特約の制限(40条)、割賦販売契約の解除等の制限(42条)、所有権留保等の禁止(43条)——を扱います。この6規定でDay8のクーリングオフ・手付金等の保全措置とあわせ、8種制限の全項目を一巡します。
8種制限のうち38条・39条・40条・42条には「これらの規定に反する特約は無効とする」という条文がそれぞれ置かれていますが、無効となる範囲には違いがあります。38条(損害賠償額の予定等)は代金の10分の2を超える「部分について」無効となるのに対し、39条(手付の額)・40条(担保責任の特約)・42条(割賦販売の解除等)はいずれも「その全部」が無効となり、規定本来の効果(民法の原則や39条2項の解約手付の効力など)に戻ります。この一部無効/全部無効の違いは、断定的な言い回しではなく条文の文言そのものの違いから生まれるものであり、本記事の作問でも重点的に扱っています。個数問題を4問(問6・問10・問14・問20)織り交ぜ、四肢すべての記述を精読しないと解けない構成にしています。
なお、本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。法令は令和8年4月1日現在施行されているものを基準に作問しており、e-Gov法令検索(基準日指定機能)で該当条文を確認したところ、本記事が扱う33条の2・38条・39条・40条・42条・43条については、令和8年4月1日施行の改正(35条書面の説明義務化や不動産登記法の住所等変更登記義務化など、他単元で扱う改正)の対象には含まれておらず、条文の数値・要件は従来どおりであることを確認しています。受験にあたっては最新の法令・公式発表を必ずご確認ください。
一連のドリルの全体構成は、ハブ記事「宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問(令和8年度対応)」でまとめています。あわせてご覧ください。
Day11の範囲:8種制限②
| テーマ | 対応問番号 |
|---|---|
| 自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限(33条の2) | 問1〜2 |
| 損害賠償額の予定等の制限(38条) | 問3〜5 |
| 損害賠償額の予定等の制限の総合確認(個数問題) | 問6 |
| 手付の額の制限等(39条) | 問7〜9 |
| 手付の額の制限等の総合確認(個数問題) | 問10 |
| 担保責任についての特約の制限(40条) | 問11〜13 |
| 担保責任についての特約の制限の総合確認(個数問題) | 問14 |
| 割賦販売契約の解除等の制限(42条) | 問15〜16 |
| 所有権留保等の禁止(43条) | 問17〜18 |
| 総合問題 | 問19 |
| 8種制限②の総合確認(個数問題) | 問20 |
個数問題を4問(問6・問10・問14・問20)織り交ぜ、四肢すべての記述を精読しないと解けない構成にしています。目安の学習時間は35〜45分です。
問題20問
問1 自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限
宅地建物取引業者が自ら売主となる場合における、自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限(宅地建物取引業法33条の2)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約を締結することは、いかなる場合であっても認められない。
- 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物であっても、当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときは、自ら売主となる売買契約を締結することができる。
- 宅地建物取引業者が自己の所有に属しない宅地又は建物を取得する契約を締結している場合であっても、当該取得契約の効力の発生が停止条件に係るものであるときは、自ら売主となる売買契約を締結することができる。
- 自己の所有に属しない宅地又は建物についての売買契約の締結の制限は、宅地建物取引業者が媒介として関与する場合にも適用される。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。自己の所有に属しない宅地又は建物についても、一定の要件を満たせば自ら売主となる売買契約を締結することができます(33条の2各号)。「いかなる場合であっても認められない」という記述が誤りです。
2が正しい記述です。宅地建物取引業者は、当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるときは、自ら売主となる売買契約を締結することができます(33条の2第1号)。
3は誤りです。取得契約を締結していても、その効力の発生が条件に係るものであるときは、33条の2第1号の要件を満たしません。停止条件付きの取得契約は、取得できることが確実とはいえないため除外されています。
4は誤りです。33条の2は、宅地建物取引業者が「自ら売主となる売買契約」を締結する場合の制限であり、媒介又は代理として関与するにすぎない場合には適用されません。
自己物件を取得する契約を締結していても、その効力発生が条件に係るものであれば例外要件を満たさないという点が、この規定の急所です。
問2 自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限(保全措置による例外)
宅地建物取引業者Aが、自己の所有に属しない未完成の宅地について、自ら売主となる売買契約を買主Bと締結しようとする場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Aが当該宅地を取得する契約を締結していない場合であっても、当該売買に関して41条1項1号又は2号に掲げる手付金等の保全措置が講じられているときは、自ら売主となる売買契約を締結することができる。
- 33条の2の適用除外事由である「当該宅地又は建物を取得する契約」には、予約は含まれない。
- 33条の2の規定は、宅地建物取引業者が自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら貸主となる賃貸借契約を締結する場合にも適用される。
- 33条の2の規定に違反して自己の所有に属しない宅地を自ら売主として売却する契約を締結した場合、当該売買契約は当然に無効となる。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。当該宅地又は建物の売買が41条1項に規定する売買(手付金等の保全措置の対象となる売買)に該当する場合で、当該売買に関して同項1号又は2号に掲げる措置(銀行等の保証委託契約・保険事業者の保証保険契約)が講じられているときは、取得契約を締結していなくても自ら売主となる売買契約を締結することができます(33条の2第2号)。
2は誤りです。「当該宅地又は建物を取得する契約」には予約も含まれます。ただし、その効力の発生が条件に係るものは除かれます(問1参照)。
3は誤りです。33条の2は「売買契約」の締結を対象とする規定であり、自ら貸主となる賃貸借契約には適用されません。
4は誤りです。33条の2には、38条・39条3項・40条2項・42条2項のような「特約は無効とする」旨の規定が置かれておらず、違反した場合の効果として売買契約そのものの私法上の効力を当然に否定する条文上の根拠はありません。33条の2違反は監督処分・罰則の対象となる規制ですが、それをもって契約自体が当然に無効になるとまではいえません。
33条の2の例外要件は「取得契約の締結」(1号)と「手付金等の保全措置」(2号)の2種類があり、いずれか一方を満たせば自ら売主となる売買契約を締結できる点を押さえておきましょう。
問3 損害賠償額の予定等の制限
宅地建物取引業者A(自ら売主、代金3,000万円の宅地)と買主Bとの売買契約における、債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額の予定及び違約金に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- AB間で損害賠償額の予定と違約金をそれぞれ600万円ずつ、合計1,200万円と定める特約は、いずれも代金の10分の2(600万円)以内であるため、有効である。
- AB間で損害賠償額の予定と違約金を合算して600万円と定める特約は、代金の10分の2に相当する額であるため、有効である。
- AB間で損害賠償額の予定を700万円と定めた場合、700万円の全部が無効となり、Aは債務不履行による損害賠償を請求できなくなる。
- 損害賠償額の予定又は違約金の定めをしなかった場合、Aは、Bの債務不履行を理由とする損害の賠償を請求することができない。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。損害賠償額の予定と違約金は、それぞれ独立に代金の10分の2まで定められるのではなく、両者を合算した額が代金の10分の2を超えてはならないとされています(38条1項)。合計1,200万円は代金の10分の2(600万円)を超えています。
2が正しい記述です。損害賠償額の予定と違約金を合算して600万円とする定めは、代金3,000万円の10分の2にちょうど相当する額であり、38条1項の上限内に収まるため有効です。
3は誤りです。代金の10分の2を超える定めをした場合、無効となるのは代金の10分の2をこえる部分についてのみであり(38条2項)、定め全体が無効になるわけではありません。700万円のうち600万円(10分の2)の限度では有効です。
4は誤りです。損害賠償額の予定又は違約金の定めをしなかった場合は、そもそも38条の規制対象がないというだけであり、民法の原則に従って現実に生じた損害の賠償を請求すること自体は妨げられません。
38条は「損害賠償額の予定と違約金を合算して10分の2まで」という上限を定める規定であり、それぞれ別枠で10分の2ずつ認められるわけではない点が最大の急所です。
問4 損害賠償額の予定等の制限(超過部分の無効)
宅地建物取引業者A(自ら売主)が、買主Bとの間で、代金2,500万円の宅地の売買契約における損害賠償額の予定を600万円(代金の10分の2は500万円)と定めた場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 600万円の定めは、代金の10分の2(500万円)を超えているため、超過する100万円部分についてのみ無効となり、500万円の限度で有効である。
- 600万円の定めは、代金の10分の2を超えているため、その全部が無効となる。
- 600万円の定めが代金の10分の2を超える場合、当該売買契約自体が無効となる。
- 600万円の定めが代金の10分の2を超えるかどうかは、宅地建物取引業者Aの判断により決定され、買主Bがこれを争うことはできない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。損害賠償額の予定及び違約金の定めが代金の10分の2を超える場合、その超える部分についてのみ無効となります(38条2項)。600万円のうち代金の10分の2に相当する500万円の限度では有効であり、超過する100万円部分だけが無効となります。
2は誤りです。38条2項は「代金の額の十分の二をこえる部分について」無効とすると定めており、定め全体が無効になるのではありません。
3は誤りです。38条2項が無効とするのは損害賠償額の予定・違約金の特約部分であり、売買契約自体の効力には影響しません。
4は誤りです。代金の10分の2を超えるかどうかは客観的な数値の比較で決まる事柄であり、宅地建物取引業者の一存で決定されるものではありません。
38条2項は「こえる部分について、無効」と条文上明記されており、一部無効の構造をとっている点が、この後の39条・40条・42条(全部無効)との対比で重要な急所になります。
問5 損害賠償額の予定等の制限(予定がない場合・特約の限界)
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの宅地の売買契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- AB間で損害賠償額の予定をしなかった場合、Bの債務不履行によりAに現実に生じた損害が代金の10分の2を超えるときであっても、Aは民法の原則に従い、その実損害の賠償を請求することができる。
- 損害賠償額の予定をした場合、Bが、Aに現実に生じた損害額が予定額を下回ることを証明すれば、Aは予定額より低い額の限度でしか賠償を請求することができない。
- 損害賠償額の予定及び違約金の合算額の上限は、宅地の売買と建物の売買とで異なり、建物の売買の場合は代金の10分の3である。
- 損害賠償額の予定が代金の10分の2以下である場合、これとは別に、違約金を代金の10分の2まで上乗せして定めることができる。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。損害賠償額の予定をしなかった場合、38条の規制自体が及ぶ場面がなく、Aは民法の債務不履行による損害賠償の原則に従って、現実に生じた損害の賠償を請求することができます。
2は誤りです。損害賠償額の予定は、実際に生じた損害額の証明を要せず、あらかじめ定めた額で賠償額が確定するという性質のものであり、現実の損害額が予定額を下回ることを証明しても、予定額より低い額に減額されるものではありません。
3は誤りです。損害賠償額の予定及び違約金の合算額の上限は、宅地の売買・建物の売買を問わず、一律に代金の10分の2です。宅地と建物とで基準が異なるという規定はありません。
4は誤りです。38条1項の上限(代金の10分の2)は、損害賠償額の予定と違約金を合算した額についての上限であり、それぞれ別枠で10分の2まで認められるわけではありません(問3参照)。
損害賠償額の予定をしていない場合にまで38条が実損害賠償請求権を制限するわけではない、という点が本問の急所です。
問6 損害賠償額の予定等の制限の総合確認(個数問題)
損害賠償額の予定等の制限(38条)に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 損害賠償額の予定と違約金は、それぞれ独立して代金の10分の2まで定めることができ、合算した額が10分の2を超えても差し支えない。
イ 損害賠償額の予定及び違約金の定めが代金の10分の2を超える場合、その超過部分についてのみ無効となる。
ウ 損害賠償額の予定又は違約金の定めをしなかった場合であっても、宅地建物取引業者は、買主の債務不履行により現実に生じた損害の賠償を請求することができる。
エ 損害賠償額の予定及び違約金の制限(38条)は、宅地建物取引業者相互間の取引にも適用される。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は2です。
アは誤りです。損害賠償額の予定と違約金は、それぞれ別枠で10分の2まで認められるのではなく、両者を合算した額が代金の10分の2を超えてはならないとされています(38条1項)。
イは正しい記述です。代金の10分の2を超える部分についてのみ無効となります(38条2項)。
ウは正しい記述です。損害賠償額の予定・違約金の定めがなければ38条の規制対象自体がなく、民法の原則に従って実損害の賠償を請求することができます。
エは誤りです。33条の2及び37条の2から43条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。38条はこの範囲に含まれるため、業者間取引には適用されません。
したがって、正しいものはイ・ウの2つであり、正答は2です。「宅地建物取引業者相互間の取引に適用されない規定」の範囲(33条の2及び37条の2〜43条)に38条も含まれる点を見落とすと、エを正しいと誤認しやすいので注意しましょう。
問7 手付の額の制限等
宅地建物取引業者A(自ら売主、代金4,000万円の宅地)が買主Bから手付を受領する場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Aは、代金の10分の2(800万円)を超える額の手付を受領することができない。
- Aは、代金の10分の3までの手付を受領することができる。
- 手付の額の制限は、宅地建物取引業者が媒介として関与する売買契約にも適用される。
- 手付の額の制限に反して800万円を超える手付を授受する特約をした場合、当該売買契約自体が無効となる。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができません(39条1項)。代金4,000万円の10分の2は800万円です。
2は誤りです。10分の3ではなく10分の2が上限です。
3は誤りです。手付の額の制限は、宅地建物取引業者が「自ら売主となる」場合の規制であり、媒介として関与するにすぎない場合には適用されません。
4は誤りです。39条1項に反する額の手付を授受したとしても、それによって売買契約自体が無効になるわけではありません。
代金の10分の2という上限の数値と、規制対象が「自ら売主」の場合に限られる点の2つが、この規定の基本的な急所です。
問8 手付の額の制限等(解約手付の性質・履行の着手)
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの宅地の売買契約において、Aが手付を受領した場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 契約書に当該手付が「違約手付」である旨が明記されている場合には、Bはその手付を放棄して契約を解除することができない。
- Bが手付を放棄して契約の解除をすることができるのは、Aが契約の履行に着手する前に限られ、B自身が既に履行に着手しているかどうかは解除の可否に影響しない。
- Aが手付の倍額を現実に提供して契約を解除することができるのは、A自身が契約の履行に着手する前に限られる。
- Bが手付を放棄して契約を解除する場合、Bは、解除の意思表示に加えて、Aに対し損害賠償を請求することができる。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合に受領した手付は、その手付がいかなる性質のもの(違約手付である旨の合意など)であっても、買主はこれを放棄して契約の解除をすることができます(39条2項)。
2が正しい記述です。買主が手付を放棄して契約の解除をすることができるのは、「その相手方」、すなわち売主Aが契約の履行に着手する前に限られます(39条2項ただし書)。買主B自身が履行に着手しているかどうかは、この解除の可否に影響しません。
3は誤りです。宅地建物取引業者Aが手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができなくなるのは、「その相手方」、すなわち買主Bが契約の履行に着手した後です。A自身の履行の着手を基準とする記述は誤りです。
4は誤りです。手付を放棄して契約を解除する場合、当事者双方とも、これに伴う損害賠償又は違約金の請求をすることはできません。
「その相手方が履行に着手した後は解除できない」という基準は、解除しようとする当事者からみた相手方の着手を意味し、自分自身の着手は解除の可否に影響しないという点が急所です。
問9 手付の額の制限等(特約の効力)
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの間の手付に関する特約の効力についての記述として、最も適切なものはどれか。
- 「Bは手付を放棄して契約を解除することはできない」とする特約は、Bに不利であるため無効である。
- 「Aが履行に着手した後であっても、Bは手付を放棄して契約を解除することができる」とする特約は、Bに不利であるため無効である。
- 「Aは手付の倍額を現実に提供しなくても、口頭の意思表示によって契約を解除することができる」とする特約は、Bに不利でないため有効である。
- 「手付の額を代金の10分の3とする」特約は、39条2項の解除に関する規定に反する特約ではないため、当然に有効である。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。39条2項の規定に反する特約で、買主に不利なものは無効です(39条3項)。手付放棄による解除自体を封じる特約は、買主に不利な特約として無効です。
2は誤りです。この特約は、Aの履行着手後もBが解除できるとするものであり、買主Bに有利な特約です。買主に不利な特約ではないため、無効にはなりません。
3は誤りです。この特約は、売主Aが倍額の現実の提供という要件を経ずに解除できるとするものであり、買主Bに不利な特約にあたるため無効です。
4は誤りです。手付の額を代金の10分の3とすること自体が、39条1項の「代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない」という制限に反しています。39条2項の解除に関する規定に反していないとしても、1項の額の制限には反しており、当然に有効とはいえません。
39条3項が無効とするのは「買主に不利なもの」に限られ、買主に有利な特約や解除に関する規定に反しない中立的な特約は無効にならないという判断基準を押さえておきましょう。
問10 手付の額の制限等の総合確認(個数問題)
手付の額の制限等(39条)に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、代金の10分の2を超える額の手付を受領することはできない。
イ 手付が解約手付でない旨(違約手付である旨)を契約書に明記すれば、買主は当該手付を放棄して契約を解除することができなくなる。
ウ 買主が手付を放棄して契約を解除することができるのは、宅地建物取引業者が契約の履行に着手する前に限られる。
エ 手付の額の制限及び解除に関する規定(39条)は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は3です。
アは正しい記述です。代金の10分の2を超える額の手付を受領することはできません(39条1項)。
イは誤りです。手付がいかなる性質のものであっても、買主は手付を放棄して契約の解除をすることができます(39条2項)。違約手付である旨の明記だけで解除権自体が失われるわけではありません。
ウは正しい記述です。買主による手付放棄の解除は、相手方である宅地建物取引業者が履行に着手する前に限られます(39条2項ただし書)。
エも正しい記述です。39条は33条の2及び37条の2から43条までの規定に含まれ、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。
したがって、正しいものはア・ウ・エの3つであり、正答は3です。イのように「特約や契約書上の記載によって解約手付としての性質そのものを封じることができるか」という論点は、39条3項の「買主に不利な特約は無効」という原則に立ち返って判断する姿勢が問われます。
問11 担保責任についての特約の制限
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの宅地の売買契約における、目的物の種類又は品質に関する契約不適合を担保すべき責任についての特約に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- AB間で、「Bが不適合を知った時から6か月以内に通知しないときは、Bは不適合を理由とする請求をすることができない」とする特約は、民法566条の期間(1年)より買主に不利であるため、原則として無効である。
- 目的物の数量に関する契約不適合を担保すべき責任についての特約も、40条の規制対象である。
- 40条の規制は、宅地建物取引業者が媒介として関与する売買契約にも適用される。
- 40条の規制に反する特約であっても、買主がこれに同意して契約を締結した以上、当該特約は有効である。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。民法566条は、種類又は品質に関する契約不適合について、買主がその不適合を知った時から1年以内に通知しないと権利行使できないと定めています。これより短い6か月とする特約は買主に不利な特約にあたり、40条1項ただし書の例外(後述問12)に該当しない限り、原則として無効です。
2は誤りです。40条が規制するのは「その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合」の担保責任についての特約であり、数量に関する契約不適合についての特約は40条の規制対象に含まれません。
3は誤りです。40条は宅地建物取引業者が「自ら売主となる」売買契約についての規制であり、媒介として関与するにすぎない場合には適用されません。
4は誤りです。40条2項は、これに反する特約を無効とする強行法規であり、買主が特約に同意して契約を締結したという事情があっても、当該特約が有効になるわけではありません。
40条の規制対象は「種類又は品質」に関する契約不適合に限られ、「数量」に関する契約不適合は対象外という点が見落としやすい急所です。
問12 担保責任についての特約の制限(例外・2年特約)
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの宅地の売買契約における担保責任の特約として、「目的物の引渡しの日から2年以内にBがAに不適合を通知しなかったときは、Bは当該不適合を理由とする請求をすることができない」旨を定めた場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- この特約は、民法566条に規定する期間について目的物の引渡しの日から2年以上となる特約に該当するため、有効である。
- この特約は、民法566条の期間(1年)より短い期間となるため無効である。
- この特約が有効となるのは、目的物の引渡しの日から2年以上3年以内の範囲に限られる。
- この特約は、Bに不利な特約ではないため、そもそも40条1項ただし書の適用を検討するまでもなく40条の規制対象外である。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。40条1項ただし書は、民法566条に規定する期間について、目的物の引渡しの日からの期間が2年以上となる特約をする場合を例外とし、この場合は民法566条より買主に不利な特約であっても許容しています。本問の特約はこの要件を満たすため有効です。
2は誤りです。2年は民法566条の期間(知った時から1年)より長く、買主に不利な特約ではありません。
3は誤りです。40条1項ただし書は「2年以上」となる特約を許容するものであり、3年以内という上限は条文上定められていません。
4は誤りです。この特約は、まさに40条1項ただし書の要件(引渡しの日から2年以上)を満たすことによって有効となる典型例であり、「規制対象外」という説明が誤りです。40条の規制の枠内で、ただし書の例外要件を満たすために有効となる、という構造で理解する必要があります。
40条1項ただし書の例外は「引渡しの日から」2年以上という起算点・期間の両方の要件を満たす必要がある点が急所です。
問13 担保責任についての特約の制限(無効の効果)
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの宅地の売買契約において、担保責任について民法566条の規定より買主に不利な特約(40条1項に反する特約)を定めた場合の効力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 当該特約は、その全部が無効となり、目的物の種類又は品質に関する契約不適合を担保すべき責任については、民法の原則どおりの規律に戻る。
- 当該特約は、損害賠償額の予定及び違約金の制限(38条2項)と同様、民法566条の期間を超える部分が無効となる。
- 当該特約が無効となるのは、Bがその無効を主張した場合に限られ、Bが特約の効力を争わない限り、特約どおりの効力を有する。
- 当該特約が無効となる場合、AB間の売買契約自体も無効となる。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。40条1項の規定に反する特約は、その全部が無効となります(40条2項)。この結果、目的物の種類又は品質に関する契約不適合を担保すべき責任については、特約がなかったものとして民法566条の原則どおりの規律に戻ります。
2は誤りです。38条2項は「代金の額の十分の二をこえる部分について」無効とする一部無効の構造ですが、40条2項は「前項の規定に反する特約は、無効とする」とのみ定めており、部分無効ではなく全部無効の構造です。両者を同一に扱う記述は誤りです。
3は誤りです。40条2項は強行法規であり、特約は当然に無効となります。買主が無効を主張するかどうかによって効力が左右されるものではありません。
4は誤りです。40条2項が無効とするのは担保責任についての特約部分であり、売買契約自体の効力には影響しません。
38条(一部無効)と39条・40条・42条(全部無効)とで、無効となる範囲の構造が異なる点が、8種制限の横断的な急所です。
問14 担保責任についての特約の制限の総合確認(個数問題)
担保責任についての特約の制限(40条)に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 目的物の種類又は品質に関する契約不適合を担保すべき責任について、民法566条に規定する期間を目的物の引渡しの日から2年以上とする特約は、有効である。
イ 40条の規制対象は、目的物の種類又は品質に関する契約不適合に限られ、数量に関する契約不適合は対象に含まれない。
ウ 目的物の引渡しの日から1年6か月とする特約は、2年以上ではないため、40条1項ただし書の要件を満たさない。
エ 40条の規定は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は4です。
アは正しい記述です。民法566条に規定する期間について、目的物の引渡しの日から2年以上となる特約は、40条1項ただし書により有効です。
イも正しい記述です。40条が規制するのは目的物の「種類又は品質」に関する契約不適合についての特約であり、「数量」に関する契約不適合についての特約は対象に含まれません。
ウも正しい記述です。40条1項ただし書の要件は「目的物の引渡しの日から」2年以上となる特約であり、1年6か月はこれに満たないため、ただし書の要件を形式的に満たしません。
エも正しい記述です。40条は33条の2及び37条の2から43条までの規定に含まれ、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。
したがって、正しいものはア・イ・ウ・エの4つすべてであり、正答は4です。個数問題では、選択肢の一部が正しく一部が誤っているとは限らず、すべて正しい・すべて誤りという構成もあり得ます。断定的な言い回しの有無で判断せず、条文の要件(起算点・期間・対象範囲)を一つずつ確認する姿勢が問われます。
問15 割賦販売契約の解除等の制限
宅地建物取引業者A(自ら売主)と買主Bとの宅地の割賦販売契約において、Bの賦払金の支払義務が履行されない場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Aは、30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内に履行がないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として契約を解除することができない。
- Aは、Bの賦払金の支払が1回でも遅滞した場合には、直ちに契約を解除することができる。
- Aによる催告は、口頭で行っても差し支えない。
- Aは、30日の催告期間中であっても、支払時期の到来していない賦払金の支払をBに請求することができる。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払義務が履行されない場合、30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内に履行がないときでなければ、支払の遅滞を理由として契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができません(42条1項)。
2は誤りです。1回の遅滞をもって直ちに解除することはできず、30日以上の催告期間を経る必要があります。
3は誤りです。催告は書面で行わなければならないとされており、口頭による催告では足りません。
4は誤りです。42条1項は、契約の解除だけでなく、支払時期の到来していない賦払金(期限の利益を喪失していないもの)の支払請求についても、同じ催告手続を経なければ行うことができないと定めています。催告期間中に期限未到来の賦払金の支払を請求することはできません。
42条1項は「解除」と「期限未到来の賦払金の支払請求」の両方を、30日以上の書面による催告という同一の手続要件にかからしめている点が急所です。
問16 割賦販売契約の解除等の制限(特約の効力)
宅地建物取引業者Aが、買主Bとの宅地の割賦販売契約において、賦払金の支払が遅滞した場合の解除等に関する特約についての記述として、最も適切なものはどれか。
- 「賦払金の支払が1回でも遅滞したときは、Aは催告をすることなく直ちに契約を解除することができる」とする特約は、42条1項の規定に反し、無効である。
- 「賦払金の支払の遅滞を理由とする解除については、20日以上の相当の期間を定めて催告すれば足りる」とする特約は、Bに不利でないため有効である。
- 42条の規定に反する特約は、その全部ではなく、法定の催告期間(30日)を下回る部分が無効となる。
- 42条の規定は、宅地建物取引業者が自ら売主となる割賦販売契約に限らず、代理・媒介として関与する割賦販売契約にも適用される。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。42条1項に反する特約は無効です(42条2項)。催告を要せず直ちに解除できるとする特約は、買主に不利な内容であり無効です。
2は誤りです。20日は法定の30日を下回っており、買主に不利な特約にあたるため無効です。
3は誤りです。42条2項は「前項の規定に反する特約は、無効とする」とのみ定めており、40条と同様に全部無効の構造です。法定期間を下回る部分についてのみ無効とする一部無効の規定(38条2項)ではありません。
4は誤りです。42条は宅地建物取引業者が「自ら売主となる」割賦販売契約についての規制であり、代理・媒介として関与するにすぎない場合には適用されません。
42条もまた、38条とは異なり「その全部」が無効となる構造である点を、問13で確認した40条とあわせて押さえておきましょう。
問17 所有権留保等の禁止(登記等の義務の履行時期)
宅地建物取引業者A(自ら売主)が、買主Bとの間で代金3,000万円の宅地の割賦販売契約を締結した場合における登記等の義務の履行時期(43条1項)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Aは、原則として、当該宅地をBに引き渡すまでに、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、引渡しまでに代金の10分の3を超える額の支払を受けていない場合には、代金の10分の3を超える額の支払を受けるまでに履行すれば足りる。
- Aは、Bへの引渡しの有無にかかわらず、代金の全部の支払を受けた後に登記等の義務を履行すれば足りる。
- 43条1項の基準となる代金割合は、42条の催告期間の日数と同様の考え方で、代金の10分の2である。
- 43条1項の規定は、買主が、所有権の登記をした後の代金債務を担保するための抵当権等の登記を申請する見込みがあるかどうかにかかわらず適用される。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地又は建物の割賦販売を行った場合には、当該宅地又は建物を買主に引き渡すまで(引渡しまでに代金の額の10分の3を超える額の金銭の支払を受けていない場合にあっては、10分の3を超える額の支払を受けるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければなりません(43条1項本文)。
2は誤りです。引渡しの有無にかかわらず代金全部の支払後でよいとする記述は、43条1項の要件(引渡し又は代金の10分の3超の受領のいずれか早い時点)と異なります。
3は誤りです。43条1項の基準となる代金割合は10分の3であり、10分の2ではありません。数値のすり替えに注意しましょう。
4は誤りです。43条1項ただし書は、買主が、所有権の登記をした後の代金債務を担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでないと定めています。この見込みの有無にかかわらず一律に適用されるという記述は誤りです。
「引渡し」と「代金の10分の3超の受領」のいずれか早い時点までに登記等の義務を履行しなければならないという基準を押さえておきましょう。
問18 所有権留保等の禁止(担保目的での譲受けの禁止)
宅地建物取引業者Aが、買主Bとの間で宅地の割賦販売契約を締結した場合における、担保の目的での譲受けの禁止(43条2項)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- Aは、当該宅地をBに引き渡し、かつ、代金の10分の3を超える額の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地を譲り受けてはならない。
- Aは、当該宅地をBに引き渡してさえいれば、代金の受領割合にかかわらず、担保の目的で当該宅地を譲り受けることができない。
- 43条2項の規定は、宅地建物取引業者が売主として通常の(割賦販売でない)売買を行った場合にも適用される。
- 43条2項の規定は、宅地建物取引業者相互間の取引にも適用される。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地又は建物の割賦販売を行った場合において、当該宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の10分の3を超える額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはなりません(43条2項)。
2は誤りです。43条2項の要件は「引渡し」と「代金の10分の3を超える額の支払受領」の両方がそろって初めて満たされます。引渡しのみでは要件を満たしません。
3は誤りです。43条2項は「割賦販売を行なった場合」についての規定であり、割賦販売ではない通常の売買には適用されません。
4は誤りです。43条は33条の2及び37条の2から43条までの規定に含まれ、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。
43条1項(登記等の義務の履行時期)・2項(担保目的の譲受禁止)はいずれも「引渡し」と「代金の10分の3超の受領」という2つの要件を軸に組み立てられている点が急所です。
問19 総合問題
宅地建物取引業者A(自ら売主、代金3,600万円の宅地)と買主Bとの売買契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- AB間で、Bの債務不履行による契約解除に伴う損害賠償額の予定を800万円と定めた場合、800万円は代金の10分の2(720万円)を超えるため、超過する80万円部分について無効となる。
- AB間で手付を800万円と定めた場合、これは代金の10分の2(720万円)を超えるため、当該売買契約自体が無効となる。
- AB間で、担保責任について民法566条より買主に不利な特約を定めた場合、当該特約は超過する部分が無効となる。
- Aが、宅地建物取引業者Cとの間で、Cを買主として本問と同様の内容の特約を定めた場合であっても、38条から43条までの規定はそのまま適用される。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。損害賠償額の予定が代金の10分の2(720万円)を超える場合、超える部分についてのみ無効となります(38条2項)。800万円のうち720万円の限度では有効です。
2は誤りです。手付の額の制限に反して10分の2を超える手付を授受したとしても、それによって売買契約自体が無効になるわけではありません(問7参照)。
3は誤りです。担保責任についての特約の制限(40条)に反する特約は、超過部分のみではなく、その全部が無効となります(問13参照)。
4は誤りです。買主が宅地建物取引業者である場合、33条の2及び37条の2から43条までの規定は適用されません(78条2項)。38条から43条までの規定もこの範囲に含まれるため、業者間取引にはそのまま適用されません。
38条(一部無効)と39条・40条・42条(全部無効・かつ売買契約自体は無効にならない)の構造の違いを整理できているかどうかが、この総合問題の急所です。
問20 8種制限②の総合確認(個数問題)
8種制限のうち33条の2・38条〜40条・42条・43条に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 33条の2、38条から40条まで、42条及び43条の規定は、いずれも宅地建物取引業者相互間の取引には適用されない。
イ 損害賠償額の予定及び違約金の制限(38条)に反する特約は、代金の10分の2を超える部分についてのみ無効となるのに対し、手付の額の制限(39条)・担保責任についての特約の制限(40条)・割賦販売契約の解除等の制限(42条)に反する特約は、いずれもその全部が無効となる。
ウ 自己の所有に属しない宅地又は建物についての売買契約締結の制限(33条の2)は、宅地建物取引業者が自ら貸主となる賃貸借契約にも適用される。
エ 割賦販売契約における所有権留保等の禁止(43条)の基準となる代金の受領割合は、代金の額の10分の3である。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は3です。
アは正しい記述です。33条の2及び37条の2から43条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。38条から40条まで・42条・43条はいずれもこの範囲に含まれます。
イも正しい記述です。38条2項は「こえる部分について」無効とする一部無効の構造であるのに対し、39条3項・40条2項・42条2項はいずれも「無効とする」とのみ定める全部無効の構造です(問13・16参照)。
ウは誤りです。33条の2は「売買契約」の締結を対象とする規定であり、自ら貸主となる賃貸借契約には適用されません。
エも正しい記述です。43条1項・2項の基準となる代金の受領割合は、いずれも代金の額の10分の3です。
したがって、正しいものはア・イ・エの3つであり、正答は3です。Day11で扱った6つの規定は、それぞれ基準となる数値(10分の2・10分の3・30日以上・2年以上)も、特約が無効となる範囲(一部無効・全部無効)も異なります。数値と構造の両方を条文単位で正確に区別できるかどうかが、この分野全体の得点力を左右します。
まとめとDay8とのつながり
Day11では、8種制限のうちDay8で扱わなかった6つの規定——自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限(33条の2)、損害賠償額の予定等の制限(38条)、手付の額の制限等(39条)、担保責任についての特約の制限(40条)、割賦販売契約の解除等の制限(42条)、所有権留保等の禁止(43条)——を20問(うち個数問題4問)で確認しました。Day8のクーリングオフ(37条の2)・手付金等の保全措置(41条・41条の2)とあわせ、これで8種制限の全項目を一巡したことになります。
8種制限のうち特約が無効となる規定は、38条(超える部分についてのみ無効)と、39条・40条・42条(その全部が無効)とで構造が異なります。断定的な言い回しの有無ではなく、それぞれの条文が「部分について」無効と定めているか、「無効とする」とだけ定めているかという文言そのものの違いに注目すると、本試験でも正誤を判断しやすくなります。
次回のDay12以降では、権利関係の担保物権(抵当権・根抵当権・保証・連帯債務)を扱う予定です。全体の進捗やDay一覧は、宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問から確認できます。
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