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基本設計宅建士(宅地建物取引士)

宅建 1日20問ドリル Day8|宅建業法・広告規制と8種制限①(誇大広告等の禁止・広告開始時期の制限・取引態様の明示・クーリングオフ・手付金等保全)

「1日20問ドリル」は、令和8年度(2026年)の宅地建物取引士試験を見据え、筆者が独自に作成した予想問題を1日20問ずつ、30日で全単元を一巡できるように構成した連載です。Day8では宅建業法(20問・40%)に戻り、広告規制(誇大広告等の禁止・広告開始時期の制限・取引態様の明示)と、自ら売主となる場合の8種制限のうちクーリングオフ・手付金等の保全措置を扱います。

宅建業法は令和7年度試験で個数問題が過去最多の10問出題された分野です。本記事の20問も、断定的な言い回しを誤りの目印にするのではなく、数値のすり替え(5%と10%、8日間と10日間など近い別の数値への置き換え)・主語のすり替え(買主と宅地建物取引業者、事務所と事務所等以外の場所を取り違えさせる)・制度の入れ替え(未完成物件と完成物件、クーリングオフの適用対象となる場合とならない場合を取り違えさせる)という3つの作り方を中心に構成し、四肢すべての正誤を判断させる個数問題を4問(問4・問7・問11・問18)織り交ぜています。

なお、本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。法令は令和8年4月1日現在施行されているものを基準に作問していますが、受験にあたっては最新の法令・公式発表を必ずご確認ください。

一連のドリルの全体構成は、ハブ記事「宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問(令和8年度対応)」でまとめています。あわせてご覧ください。


Day8の範囲:広告規制・クーリングオフ・手付金等の保全

テーマ対応問番号
広告規制(誇大広告等の禁止・広告開始時期の制限・取引態様の明示)問1〜問4
クーリングオフ(適用対象となる場所・適用除外・告知と起算点・効力発生時期・効果・特約の効力)問5〜問12
手付金等の保全措置(手付金等の意義・未完成物件・完成物件・保全措置を講じない場合の効果)問13〜問19
総合問題(広告規制・クーリングオフ・手付金等保全の横断)問20

個数問題を4問(問4・問7・問11・問18)織り交ぜ、四肢すべての記述を精読しないと解けない構成にしています。目安の学習時間は35〜45分です。


問題20問

問1 誇大広告等の禁止

誇大広告等の禁止(宅地建物取引業法32条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 誇大広告等の禁止の対象となる広告表示事項に、代金の額についての表示は含まれるが、その支払方法についての表示は含まれない。
  2. 誇大広告等の禁止に違反したかどうかを判断するにあたり、実際にその広告を見た者が現実に契約を締結して損害を被ったことは要件とされていない。
  3. 宅地又は建物の環境や交通その他の利便に関する表示は、誇大広告等の禁止の対象に含まれず、代金その他の対価に関する事項の表示に限られる。
  4. 誇大広告等の禁止は、宅地建物取引業者が自ら売主となる取引に限り適用され、媒介又は代理により契約を成立させる場合の広告には適用されない。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。誇大広告等の禁止の対象事項には、代金の額だけでなく、その支払方法についての表示も含まれます(32条)。

2が正しい記述です。誇大広告等の禁止は、著しく事実に相違する表示又は著しく優良・有利と誤認させる表示をすること自体を禁止する規定であり、その広告を見た者が実際に契約を締結して損害を被ったことまでは要件とされていません。

3は誤りです。誇大広告等の禁止の対象事項には、所在・規模・形質・利用の制限に加え、環境又は交通その他の利便に関する表示も含まれます。

4は誤りです。誇大広告等の禁止は、宅地建物取引業者が業務に関して広告をする場合に広く適用される規定であり、自ら売主となる取引に限られるものではありません。

誇大広告等の禁止は「結果として実害が生じたかどうか」ではなく、「著しく事実に相違する表示・著しく優良有利と誤認させる表示をしたこと」自体を問題にする規定である点が急所です。


問2 広告開始時期の制限

広告開始時期の制限(宅地建物取引業法33条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前であっても、宅地建物取引業者が近く許可等の処分を受ける見込みであることを広告中に明示すれば、その処分を受ける前に広告をすることができる。
  2. 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法上の開発許可や建築基準法上の建築確認等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
  3. 広告開始時期の制限は、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買の広告に限り適用され、媒介として売買の広告をする場合には適用されない。
  4. 建築確認を受ける前であっても、契約の締結を確認済証の交付後に行うのであれば、その前に工事に係る建物の広告をすることは差し支えない。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。許可等の処分を受ける見込みを明示したとしても、実際にその処分があった後でなければ広告をすることはできません(33条)。「見込みの明示」で足りるとする点が誤りです。

2が正しい記述です。工事完了前は、当該工事に関し必要とされる法令上の許可等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならないとされています(33条)。

3は誤りです。広告開始時期の制限は、宅地建物取引業者が行う業務に関する広告一般に適用される規定であり、自ら売主となる場合の広告に限られるものではありません。

4は誤りです。33条が制限しているのは広告をする時期そのものであり、契約締結の時期を確認済証の交付後にすれば広告時期を問わないというものではありません。

広告開始時期の制限は「広告そのものを行ってよい時期」を規制する規定であり、契約を締結してよい時期の規制(33条の2)とは別の規定である点を押さえておきましょう。


問3 取引態様の明示

取引態様の明示(宅地建物取引業法34条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときに取引態様の別を明示すれば足り、その後注文を受けた際に改めて明示する必要はない。
  2. 宅地建物取引業者は、広告をするときに加え、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときも、遅滞なく、取引態様の別を明らかにしなければならない。
  3. 取引態様の明示義務は、宅地建物取引業者が自ら売主又は貸主となる場合に課される義務であり、代理又は媒介として取引に関与する場合には課されない。
  4. 取引態様の別を明示する義務は、広告や注文の相手方が宅地建物取引業者である場合には適用されない。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。広告時の明示義務(34条1項)とは別に、注文を受けたときにも遅滞なく取引態様の別を明らかにする義務があります(34条2項)。広告時の明示だけで足りるわけではありません。

2が正しい記述です。宅地建物取引業者は、広告をするとき(34条1項)と、注文を受けたとき(34条2項)のそれぞれについて、取引態様の別を明示・明らかにしなければなりません。

3は誤りです。取引態様の明示義務は、自ら売主・貸主となる場合に限られず、代理又は媒介として取引に関与する場合にも課されます。

4は誤りです。33条の2及び37条の2から43条までの規定は宅地建物取引業者相互間の取引には適用されませんが、34条はこの適用除外の対象に含まれておらず、相手方が宅地建物取引業者であっても適用されます。

34条は「広告時」と「注文を受けたとき」という2つの場面でそれぞれ明示義務が課される点、そして33条の2・37条の2以下と異なり業者間取引にも適用される点が急所です。


問4 広告規制の総合(個数問題)

広告規制に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 誇大広告等の禁止(32条)は、実際にその広告を見た者が契約を締結し、損害を被ったことを要件としない。

イ 広告開始時期の制限(33条)は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前における広告に限って適用され、工事完了後に行う広告には適用されない。

ウ 取引態様の明示義務(34条)は、広告をする場合と、注文を受けた場合のそれぞれについて課される別個の義務である。

エ 誇大広告等の禁止・広告開始時期の制限・取引態様の明示義務は、いずれも宅地建物取引業者相互間の取引には適用されない。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答は3です。

アは正しい記述です。誇大広告等の禁止は、広告表示自体を問題とする規定であり、実際の契約締結・損害の発生を要件としません。

イは正しい記述です。広告開始時期の制限は、文言上「工事の完了前」における広告を対象とする規定であり、工事完了後の広告にはそもそも適用の場面がありません。

ウは正しい記述です。取引態様の明示義務は、広告時(34条1項)と注文を受けたとき(34条2項)のそれぞれについて課される別個の義務です。

エは誤りです。宅地建物取引業者相互間の取引に適用されないのは、33条の2及び37条の2から43条までの規定であり、32条(誇大広告等の禁止)・33条(広告開始時期の制限)・34条(取引態様の明示)はこの適用除外の対象に含まれていません。

したがって、正しいものはア・イ・ウの3つであり、正答は3です。「宅地建物取引業者相互間の取引に適用されない規定」の範囲(33条の2及び37条の2〜43条)を正確に押さえていないと、エを正しいと誤認しやすい点に注意しましょう。


問5 クーリングオフの適用対象となる場所

宅地建物取引業者A(自ら売主)が宅地の売買契約を締結する場合において、買主Bは、Aの事務所ではない喫茶店で買受けの申込みをし、後日、Aの事務所で売買契約を締結した。クーリングオフ(宅地建物取引業法37条の2)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. Bは、事務所等以外の場所である喫茶店で買受けの申込みをしているため、その後Aの事務所で売買契約を締結した場合であっても、原則としてクーリングオフによる契約の解除をすることができる。
  2. クーリングオフの可否は、買受けの申込みをした場所ではなく、売買契約を締結した場所を基準に判断されるため、Bは事務所で契約を締結した以上、クーリングオフをすることはできない。
  3. Aの事務所で契約を締結した以上、Bが申込みをした場所にかかわらず、クーリングオフによる契約の解除をすることはできない。
  4. Bが喫茶店で買受けの申込みをした際に、Aから宅地建物取引士による重要事項の説明を受けていた場合には、その説明をもってクーリングオフを行うことができる旨の告知があったものとみなされる。

解答・解説

正答は1です。

1が正しい記述です。クーリングオフの適用対象となるかどうかは、原則として買受けの申込みをした場所を基準に判断されます。Bは事務所等以外の場所である喫茶店で申込みをしているため、その後事務所で契約を締結した場合であっても、原則としてクーリングオフによる契約の解除をすることができます(37条の2第1項)。

2は誤りです。クーリングオフの可否は、契約を締結した場所のみで決まるものではなく、買受けの申込みをした場所も基準になります。

3は誤りです。2と同様、契約締結場所だけで一律に判断されるものではありません。

4は誤りです。重要事項説明はクーリングオフの告知とは別の制度であり、重要事項説明を行ったことをもってクーリングオフの告知があったものとみなされるわけではありません。

クーリングオフの可否は、原則として「買受けの申込みをした場所」を基準に判断される点が急所です。次の問6では、この原則の例外となる場面を確認します。


問6 事務所での申込みと事務所等以外での契約締結

宅地建物取引業者A(自ら売主)が宅地の売買契約を締結する場合において、買主Bは、Aの事務所で買受けの申込みをし、後日、事務所等に該当しない喫茶店で売買契約を締結した。クーリングオフに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. Bは事務所において買受けの申込みをしているため、その後契約を締結した場所にかかわらず、クーリングオフによる契約の解除をすることができない。
  2. Bは、契約を締結した場所が事務所等以外の喫茶店である以上、申込みをした場所にかかわらずクーリングオフによる契約の解除をすることができる。
  3. 事務所で申込みをした場合であっても、契約締結時に改めてクーリングオフを行うことができる旨の告知を受けなかったときは、告知がなかったことを理由にクーリングオフをすることができる。
  4. 事務所において買受けの申込みをした後、事務所等以外の場所で契約を締結した買主が37条の2の適用対象から除外されるのと同様に、事務所等以外の場所で申込みをした後、事務所で契約を締結した買主も適用対象から除外される。

解答・解説

正答は1です。

1が正しい記述です。事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主は、37条の2の適用対象(クーリングオフができる者)から除外されます(37条の2第1項括弧書)。

2は誤りです。1のとおり、事務所で申込みをした場合は、その後の契約締結場所にかかわらずクーリングオフの適用対象から除外されます。

3は誤りです。本問の買主はそもそも37条の2の適用対象から除外されており、告知の有無を問題にする場面ではありません。

4は誤りです。適用対象から除外されるのは「事務所等で申込みをし、事務所等以外の場所で契約を締結した買主」に限られます。問5で確認したとおり、「事務所等以外の場所で申込みをし、事務所で契約を締結した買主」は、この除外規定にあたらず、原則どおりクーリングオフの適用対象です。

事務所等で申込み→事務所等以外で契約締結という組み合わせのときだけ適用対象から除外され、逆の組み合わせ(事務所等以外で申込み→事務所等で契約締結)は除外されないという非対称性が、この分野で最も取り違えやすい急所です。


問7 クーリングオフの適用除外(個数問題)

クーリングオフによる申込みの撤回等をすることができなくなる場合に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 申込者等が、クーリングオフを行うことができる旨及びその方法について告げられた日から起算して8日を経過したとき。

イ 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払ったとき。

ウ 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受けたが、代金の一部しか支払っていないとき。

エ 宅地建物取引業者が、クーリングオフによる申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を買主に対して請求したとき。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答は2です。

アは正しい記述です。告げられた日から起算して8日を経過したときは、クーリングオフによる申込みの撤回等をすることができなくなります(37条の2第1項1号)。

イも正しい記述です。宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払ったときも、クーリングオフをすることができなくなります(37条の2第1項2号)。

ウは誤りです。引渡しを受けていても代金の全部を支払っていなければ、2号の要件(引渡しを受け、かつ代金全部を支払ったとき)を満たさず、クーリングオフをすることができなくなる場合にはあたりません。

エは誤りです。宅地建物取引業者は、そもそも申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求すること自体ができません(37条の2第1項後段)。買主がクーリングオフをすることができなくなる場合の話ではありません。

したがって、正しいものはア・イの2つであり、正答は2です。イの要件は「引渡し」と「代金全部の支払」の両方がそろって初めて満たされる点、ウのように片方だけでは足りない点を押さえておきましょう。


問8 告知と8日間の起算点

宅地建物取引業者Aが、買主Bに対し、クーリングオフを行うことができる旨及びその方法を書面で告げた場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 8日間の期間は、売買契約を締結した日から起算され、告知を受けた日は起算点とならない。
  2. 8日間の期間は、Bがクーリングオフを行うことができる旨及びその方法について告げられた日から起算される。
  3. Aは、口頭でクーリングオフの告知を行えば足り、書面による告知は要求されていない。
  4. 告知が行われなかった場合であっても、契約締結の日から8日を経過すれば、Bはクーリングオフを行うことができなくなる。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。8日間の起算点は、契約締結日ではなく、クーリングオフを行うことができる旨等について告げられた日です(37条の2第1項1号)。

2が正しい記述です。8日間の期間は、告げられた日から起算されます。

3は誤りです。クーリングオフを行うことができる旨及びその方法についての告知は、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより行うものとされており、実務上は書面によって行うことが求められています。

4は誤りです。告知が行われていない場合は、そもそも8日間の期間の起算点が生じていないため、契約締結日からの期間経過によってクーリングオフができなくなるものではありません。

8日間の期間は「契約締結日」ではなく「告知を受けた日」から起算されるという起算点のすり替えが、この論点の最大の急所です。


問9 クーリングオフの効力発生時期

申込者等が、クーリングオフによる契約の解除の書面を郵便で発送した場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 契約の解除の効力は、その書面が宅地建物取引業者に到達した時に生ずる。
  2. 契約の解除の効力は、申込者等がその書面を発した時に生ずる。
  3. 申込者等は、書面ではなく口頭による意思表示によっても、クーリングオフによる契約の解除をすることができる。
  4. クーリングオフによる契約の解除は、宅地建物取引業者の承諾を得て初めてその効力を生ずる。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。クーリングオフによる申込みの撤回等は、書面が相手方に到達した時ではなく、申込者等がその書面を発した時に効力を生じます(37条の2第2項、発信主義)。

2が正しい記述です。申込みの撤回等は、申込者等が書面を発した時に、その効力を生じます。

3は誤りです。クーリングオフによる申込みの撤回等は、書面によって行うことが要件とされており、口頭による意思表示では足りません。

4は誤りです。クーリングオフの効力発生に宅地建物取引業者の承諾は不要であり、申込者等が書面を発した時点で当然に効力が生じます。

クーリングオフは、民法の意思表示の一般原則(到達主義)とは異なり、書面を発した時点で効力が生じる発信主義が採用されている点が急所です。


問10 クーリングオフの効果

クーリングオフによる申込みの撤回等が行われた場合の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者Aは、買主Bに対し、契約の解除に伴う事務手数料相当額を損害賠償として請求することができる。
  2. 宅地建物取引業者Aは、買主Bに対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
  3. 宅地建物取引業者Aは、既に交付した重要事項説明書等の書類の返還を受けるまで、受領した手付金の返還を拒むことができる。
  4. 宅地建物取引業者Aは、申込みの撤回等が行われた場合、買主Bに対して、手付金の返還に加えて遅延損害金を上乗せして支払わなければならない。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができません(37条の2第1項後段)。

2が正しい記述です。申込みの撤回等が行われた場合、宅地建物取引業者は、買主に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければなりません(37条の2第3項)。

3は誤りです。手付金その他の金銭の返還は「速やかに」行うべきものとされており、書類の返還を受けるまで返還を拒むことができるとする規定はありません。

4は誤りです。条文が定めているのは受領した手付金その他の金銭の返還であり、これに加えて遅延損害金を上乗せして支払うべき旨は定められていません。

クーリングオフの効果は「業者は損害賠償等を請求できない」「業者は受領した金銭を速やかに返還しなければならない」という買主保護のための2つの効果がセットになっている点を押さえておきましょう。


問11 クーリングオフに関する特約の効力(個数問題)

クーリングオフに関する特約の効力についての次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア クーリングオフができる期間を、告げられた日から起算して5日間とする特約は、買主に不利であるため無効である。

イ クーリングオフができる期間を、告げられた日から起算して10日間とする特約は、買主に不利であるため無効である。

ウ クーリングオフが行われた場合に宅地建物取引業者が損害賠償を請求できる旨の特約は、買主に不利であるため無効である。

エ クーリングオフが行われた場合に宅地建物取引業者が手付金等を速やかに返還することを確約する特約は、買主に不利でないため有効である。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答は3です。

アは正しい記述です。8日間より短い5日間とする特約は、申込者等に不利な特約にあたり、無効です(37条の2第4項)。

イは誤りです。8日間より長い10日間とする特約は、申込者等に不利な特約にはあたらず、無効とはなりません。

ウは正しい記述です。宅地建物取引業者が損害賠償等を請求できないという原則を覆す特約は、申込者等に不利な特約にあたり、無効です。

エは正しい記述です。速やかな返還を確約する特約は、条文が定める効果をそのまま確認するものであり、申込者等に不利な特約にはあたらないため有効です。

したがって、正しいものはア・ウ・エの3つであり、正答は3です。37条の2に反する特約のうち、申込者等(買主)に不利なものだけが無効となり、有利・中立な特約は無効にならないという判断基準を押さえておきましょう。


問12 クーリングオフ制度の総合

宅地建物取引業者A(自ら売主)と宅地建物取引業者Dが買主となる宅地の売買契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 買主が宅地建物取引業者である場合には、37条の2のクーリングオフの規定は適用されない。
  2. 媒介業者Cの事務所で買受けの申込みをした場合には、自ら売主となるAの事務所で申込みをした場合とは異なり、事務所等における申込みとして扱われることはない。
  3. 買主が個人であっても、あらかじめ宅地建物取引業者と同等の取引経験を有することを申告した場合には、クーリングオフの適用が除外される。
  4. クーリングオフの規定は、宅地又は建物の貸借の媒介契約には適用されるが、売買契約には適用されない。

解答・解説

正答は1です。

1が正しい記述です。33条の2及び37条の2から43条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。買主Dが宅地建物取引業者である以上、37条の2の規定は適用されません。

2は誤りです。宅地建物取引業者から媒介の依頼を受けた業者の事務所であっても、専任の宅地建物取引士を置くなど一定の要件を満たせば「事務所等」に含まれ得ます。

3は誤りです。買主が個人である場合に、取引経験の申告のみでクーリングオフの適用を除外する規定は設けられていません。

4は誤りです。37条の2は宅地又は建物の「売買契約」を対象とする規定であり、貸借の契約には適用されません。

37条の2から43条までの規定(クーリングオフ・損害賠償額の予定の制限・手付の額の制限・担保責任の特約の制限・手付金等の保全・割賦販売契約の解除等の制限)は、いずれも宅地建物取引業者相互間の取引には適用されないという横断的なルールを押さえておきましょう。


問13 手付金等の意義

宅地建物取引業者A(自ら売主)が、未完成物件の売買契約の締結後、代金に充当される金銭を段階的に受領する場合における「手付金等」(41条1項)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 「手付金等」に該当するのは、契約書上「手付金」という名称で授受される金銭に限られ、「中間金」「内金」等の名称で授受される金銭は該当しない。
  2. 「手付金等」とは、代金の全部又は一部として授受される金銭及び代金に充当される金銭のうち、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいい、その名目は問わない。
  3. 手付金等に該当する金銭は、契約の締結に際して受領されるものに限られ、契約締結後、引渡しまでの間に授受される中間金は「手付金等」に含まれない。
  4. 手付金等に該当するかどうかは金銭の名目によって決まるものではないが、代金に充当されない金銭であっても、契約の締結に際して授受されるものであれば手付金等に含まれる。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。「手付金等」に該当するかどうかは名称ではなく実質で判断され、「中間金」「内金」など手付金以外の名目で授受される金銭であっても、代金に充当されるものであれば手付金等に含まれます(41条1項)。

2が正しい記述です。「手付金等」とは、代金の全部又は一部として授受される金銭及び代金に充当される金銭のうち、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいい、名目は問いません。

3は誤りです。契約締結後、引渡しまでの間に授受される中間金も、代金に充当されるものであれば「手付金等」に含まれます。契約締結時に受領するものに限られません。

4は誤りです。代金に充当されない金銭は「手付金等」に含まれません。代金への充当性は手付金等の該当性を判断するうえで必須の要件です。

「手付金等」は名目にかかわらず「代金に充当される金銭であって、契約締結日以後引渡し前に支払われるもの」を広く指す点が急所です。


問14 未完成物件の保全措置の要否

宅地建物取引業者A(自ら売主)が、代金3,000万円の未完成物件(工事完了前)の宅地の売買契約を締結し、手付金等として受領しようとする額(既に受領した額を含む)が180万円(代金の6%)である場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 180万円は政令で定める額である1,000万円以下であるから、代金に対する割合にかかわらず、Aは保全措置を講じなくても受領することができる。
  2. 180万円は代金の5%を超えているため、政令で定める額である1,000万円以下であっても、Aは保全措置を講じなければ受領することができない。
  3. 未完成物件については、手付金等の額にかかわらず、宅地建物取引業者が保全措置を講じることなく手付金等を受領することが認められている。
  4. 手付金等の保全措置が必要となるかどうかは、買主への所有権移転登記の有無にかかわらず、代金に対する割合によって判断される。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。未完成物件について保全措置が不要となるのは、手付金等の額が代金の5%以下であり、かつ政令で定める額(1,000万円)以下であるときに限られます(41条1項ただし書)。5%を超える180万円は、1,000万円以下であっても保全措置が必要です。

2が正しい記述です。180万円は代金3,000万円の6%にあたり、5%の基準を超えているため、1,000万円以下であっても保全措置を講じなければ手付金等を受領することができません。

3は誤りです。未完成物件であっても、代金に対する割合や政令で定める額を超える場合には保全措置が必要です。

4は誤りです。所有権移転登記がされているときは、代金に対する割合にかかわらず保全措置が不要となる別の適用除外事由があります(41条1項ただし書)。

保全措置が不要となるのは「代金の5%以下」と「政令で定める額(1,000万円)以下」の両方を満たすときに限られ、いずれか一方でも超えれば保全措置が必要になるという「かつ」の関係が急所です。


問15 未完成物件の保全措置の方法

未完成物件について手付金等の保全措置を講じる方法(41条1項)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 未完成物件について手付金等の保全措置を講じる方法として、宅地建物取引業者は、銀行等との保証委託契約、保険事業者との保証保険契約、指定保管機関への寄託のいずれかを自由に選択することができる。
  2. 未完成物件について手付金等の保全措置を講じる場合、宅地建物取引業者は、銀行等との間で保証委託契約を締結し、当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付する方法によることができる。
  3. 保証保険契約による保全措置の場合、保険金額は手付金等の額の2分の1に相当する金額で足りる。
  4. 保証委託契約による保全措置は、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務のうち、代金の額の10分の2を超える部分について保証すれば足りる。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。未完成物件について認められている保全措置の方法は、銀行等との保証委託契約と、保険事業者との保証保険契約の2種類に限られます。指定保管機関への寄託による方法は、完成物件についてのみ認められています(41条の2第1項)。

2が正しい記述です。未完成物件について保全措置を講じる場合、宅地建物取引業者は、銀行等との間で保証委託契約を締結し、当該銀行等が手付金等の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付する方法によることができます(41条1項1号)。

3は誤りです。保証保険契約の保険金額は、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既受領分を含む)に相当する金額でなければならず、2分の1で足りるものではありません(41条3項1号)。

4は誤りです。保証委託契約は、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の全部を保証するものでなければならず、一部の保証で足りるものではありません(41条2項1号)。

未完成物件の保全措置は「銀行等の保証委託契約」「保険事業者の保証保険契約」の2種類に限られ、いずれも受領額の全部を保証・保険の対象としなければならない点が急所です。


問16 完成物件の保全措置の要否

宅地建物取引業者A(自ら売主)が、代金2,000万円の完成物件(工事完了後)の建物の売買契約を締結し、手付金等として受領しようとする額(既に受領した額を含む)が180万円(代金の9%)である場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 完成物件については、手付金等の額が代金の10%を超え、かつ政令で定める額である1,000万円を超える場合に、保全措置を講じなければならない。
  2. 本問の場合、手付金等の額180万円は代金の10%(200万円)以下であり、かつ政令で定める額1,000万円以下でもあるため、Aは保全措置を講じなくても手付金等を受領することができる。
  3. 完成物件については、未完成物件よりも保全措置が必要となる代金割合の基準が低く設定されている(5%)。
  4. 完成物件について保全措置が必要となるかどうかの基準は、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額そのものの大小で判断され、代金に対する割合は考慮されない。

解答・解説

正答は2です。

1は誤りです。保全措置が必要となるのは、手付金等の額が代金の10%を超えるか、又は政令で定める額(1,000万円)を超えるときであり、両方を超える場合に限られません(41条の2第1項ただし書の反対解釈)。いずれか一方を超えれば保全措置が必要です。

2が正しい記述です。180万円は代金2,000万円の9%にあたり、10%(200万円)以下であり、かつ1,000万円以下でもあるため、41条の2第1項ただし書の適用除外に該当し、保全措置を講じなくても受領することができます。

3は誤りです。保全措置が必要となる代金割合の基準は、未完成物件が5%、完成物件が10%であり、完成物件のほうが高く設定されています。

4は誤りです。保全措置の要否は、手付金等の額そのものだけでなく、代金に対する割合(10%)も基準の一つとされています。

未完成物件は5%、完成物件は10%という基準の数値と大小関係を取り違えないようにしましょう。


問17 完成物件の保全措置の方法

完成物件について手付金等の保全措置を講じる方法(41条の2)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 完成物件について手付金等の保全措置を講じる場合、宅地建物取引業者は、銀行等との保証委託契約又は保険事業者との保証保険契約に加え、指定保管機関に手付金等を保管させる方法(買主との質権設定契約とあわせて講じるもの)によることもできる。
  2. 完成物件についても未完成物件と同様、保全措置の方法は銀行等との保証委託契約又は保険事業者との保証保険契約の2種類に限られる。
  3. 指定保管機関による保全措置を用いる場合、宅地建物取引業者は、買主との間で質権設定契約を締結する必要はなく、指定保管機関との手付金等寄託契約を締結すれば足りる。
  4. 指定保管機関による保全措置は、未完成物件・完成物件のいずれについても利用することができる。

解答・解説

正答は1です。

1が正しい記述です。完成物件について保全措置を講じる場合、41条1項1号・2号に掲げる措置(銀行等の保証委託契約・保険事業者の保証保険契約)に加え、指定保管機関との手付金等寄託契約及び買主との質権設定契約をあわせて講じる方法によることもできます(41条の2第1項)。

2は誤りです。完成物件については、未完成物件にはない指定保管機関による方法も認められており、2種類に限られるものではありません。

3は誤りです。指定保管機関による保全措置を用いる場合、宅地建物取引業者は、指定保管機関との手付金等寄託契約に加え、買主との間で質権設定契約を締結し、これを証する書面を買主に交付しなければなりません(41条の2第1項2号)。

4は誤りです。指定保管機関による保全措置は完成物件についてのみ認められており、未完成物件には認められていません。

完成物件だけに認められている指定保管機関による方法は、寄託契約と質権設定契約の2つがセットで必要になる点が急所です。


問18 保全措置を講じない場合の効果等(個数問題)

手付金等の保全措置に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 宅地建物取引業者が保全措置を講ずべき場合において、これを講じないときは、買主は手付金等を支払わないことができる。

イ 宅地建物取引業者が保全措置を講じないまま手付金等を受領した場合、その受領行為自体は有効であり、買主は既に支払った手付金等の返還を請求することはできない。

ウ 完成物件について指定保管機関による保全措置を講じる場合、既に自ら手付金等を受領していたときは、宅地建物取引業者は、買主が手付金等の支払をする前に、受領済みの額に相当する額の金銭を指定保管機関に交付しなければならない。

エ 保全措置を講ずべき義務は、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合に課される規定であり、宅地建物取引業者が媒介として関与するにすぎない取引には適用されない。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答は3です。

アは正しい記述です。宅地建物取引業者が保全措置を講ずべき場合において、これを講じないときは、買主は手付金等を支払わないことができます(41条4項、41条の2第5項)。

イは誤りです。保全措置を講ずべき場合にこれを講じずに手付金等を受領する行為は、41条・41条の2に違反する行為であり、買主保護の趣旨から、買主が既に支払った手付金等の返還を請求できないとする根拠はありません。

ウは正しい記述です。完成物件について指定保管機関による保全措置を講じる場合、既に自ら手付金等を受領していたときは、宅地建物取引業者は、買主が手付金等の支払をする前に、受領済みの額に相当する額の金銭を指定保管機関に交付しなければなりません(41条の2第4項)。

エは正しい記述です。41条・41条の2は、いずれも「宅地建物取引業者が自ら売主となる」宅地又は建物の売買に関する規定であり、宅地建物取引業者が媒介又は代理として関与するにすぎない取引には適用されません。

したがって、正しいものはア・ウ・エの3つであり、正答は3です。手付金等の保全措置の規定は「自ら売主」の場合に限られる規定である点は、37条の2から43条までに共通する8種制限全体の前提でもあります。


問19 未完成物件・完成物件の保全措置の比較総合

未完成物件・完成物件の手付金等の保全措置(41条・41条の2)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 手付金等の保全措置に関する規定(41条・41条の2)は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されない。
  2. 未完成物件の保全措置が不要となる代金割合の基準は10%、完成物件は5%である。
  3. 政令で定める額(1,000万円)の基準は、未完成物件について適用され、完成物件には適用されない。
  4. 未完成物件・完成物件のいずれについても、買主への所有権移転登記がされたときは保全措置の適用除外となるが、買主が自ら所有権の登記をしたときはこの限りでない。

解答・解説

正答は1です。

1が正しい記述です。33条の2及び37条の2から43条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引には適用されません(78条2項)。41条・41条の2はこの範囲に含まれるため、業者間取引には適用されません。

2は誤りです。保全措置が不要となる代金割合の基準は、未完成物件が5%、完成物件が10%であり、本肢は数値が入れ替わっています。

3は誤りです。政令で定める額(1,000万円)の基準は、41条1項ただし書・41条の2第1項ただし書のいずれにも共通して適用されます。

4は誤りです。「買主への所有権移転の登記がされたとき」と「買主が所有権の登記をしたとき」は、いずれも独立した適用除外事由であり、一方が他方を打ち消すような関係にはありません。

宅地建物取引業者相互間の取引に適用されない規定の範囲(33条の2及び37条の2から43条まで)は、クーリングオフだけでなく手付金等の保全措置にも及ぶという横断的な理解が急所です。


問20 総合問題

宅地建物取引業者A(自ら売主)が、代金2,500万円の未完成物件(工事完了前)の建物について、建築基準法上の確認済証の交付を受ける前に広告を行い、その後、事務所等以外の場所で買主Bと売買契約を締結し、契約締結日に手付金として200万円(代金の8%)を受領した場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. Aが確認済証の交付前に広告を行った行為は、広告開始時期の制限(33条)に違反する。
  2. Bは事務所等以外の場所で契約を締結しているため、37条の2のクーリングオフの適用対象外であり、契約の解除をすることはできない。
  3. 手付金200万円は代金の8%であり、未完成物件の保全措置が必要となる基準(5%)を超えているが、政令で定める額(1,000万円)以下であるため、Aは保全措置を講じなくても受領することができる。
  4. Aが確認済証の交付前に広告を行ったことは、宅地建物取引業者の免許の欠格要件に直ちに該当し、免許を取り消される。

解答・解説

正答は1です。

1が正しい記述です。工事完了前において、建築確認等の処分があった後でなければ広告をすることはできません(33条)。確認済証の交付前に広告を行ったAの行為は、この規定に違反します。

2は誤りです。事務所等以外の場所で買受けの申込み又は契約締結をした買主は、まさに37条の2のクーリングオフの典型的な適用対象です。契約を締結した場所が事務所等以外であることを理由に適用対象外とするのは誤りです。

3は誤りです。手付金等の額が代金の5%を超える場合、政令で定める額(1,000万円)以下であっても保全措置が必要です(41条1項ただし書)。5%と1,000万円の基準は「かつ」の関係にあり、いずれか一方でも超えれば保全措置を要します。

4は誤りです。33条違反は監督処分等の対象となり得ますが、違反した事実だけで直ちに免許の欠格要件に該当し、免許を取り消されるものではありません。

この問題は、広告規制・クーリングオフ・手付金等の保全措置という3つのテーマがそれぞれ独立した要件を持つことを確認する総合問題です。一つの事例の中に複数の論点が登場しても、それぞれの要件を個別に検討する姿勢が大切です。


まとめとDay9への導線

Day8では、宅建業法の広告規制(誇大広告等の禁止・広告開始時期の制限・取引態様の明示)と、8種制限のうちクーリングオフ・手付金等の保全措置を、20問(うち個数問題4問)で確認しました。クーリングオフは「事務所等での申込みか、それ以外の場所での申込みか」、手付金等の保全は「代金の5%・10%という割合基準と、1,000万円という政令の額基準の両方を満たす必要がある」という2点が繰り返し狙われる急所です。

明日のDay9では、権利関係の物権変動・対抗要件・不動産登記の基礎を扱う予定です。全体の進捗やDay一覧は、宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問から確認できます。


あわせて読みたい

  • #宅建士
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