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基本設計電気通信資格(電通主任・工事担任者)

電気通信主任技術者のおすすめ参考書・過去問題集の選び方

電気通信主任技術者の参考書選びで最初につまずくのは、書店やオンラインストアで検索してもタイトルの似た本が何冊も出てきて、どれを買えばいいのか判断がつかないという点ではないでしょうか。筆者自身、伝送交換主任技術者・線路主任技術者の両方を受験する過程で何冊も参考書を見比べてきましたが、結局のところ「過去問集を学習の軸に据え、テキストはそれを補助する位置づけで選ぶ」という単純な方針に落ち着いています。

この記事では、参考書・過去問題集を選ぶときの基本方針、購入前に必ず確認しておきたい「新版か旧版か」の見分け方、過去問は何周すればよいのかという考え方、定番の出版社系統ごとの特徴、科目別の教材の使い分け、そして電子版と紙の使い分けまでを整理します。個別の科目そのものの勉強法(出題範囲や学習時間の目安)は、「電気通信システム」科目の勉強法「設備及び設備管理」科目の勉強法「法規」科目の勉強法 で扱っているので、この記事はあくまで「教材そのものの選び方」に絞って書いています。資格全体の位置づけを先に知りたい場合は 電気通信主任技術者・工事担任者 学習ガイド から読み進めるとつながりが分かりやすいはずです。

なお、この記事で紹介する出版社・シリーズ名はあくまで一般的な傾向として書いているもので、特定の書籍を強く推奨する趣旨ではありません。年版・改訂版は毎年のように入れ替わるため、実際に購入する際は必ず最新の発行年・対応年度を自分の目で確認してください。


早見まとめ:参考書選びの判断軸

判断軸 考え方
学習の軸 過去問集を中心に据える。テキストは「過去問で理解できなかった部分を補う」補助教材と位置づける
新版・旧版の見分け方 令和3年度の科目改正(4科目→3科目、専門的能力の廃止・統合)をまたいで発行されているかを最優先で確認する
過去問の周回数 目安は3周以上。1周目は出題形式と自分の弱点を把握する回、2周目以降は正答率を上げていく回と位置づける
出版社系統 過去問中心の「全問題解答集」型と、要点整理・テキスト型の2系統を組み合わせるのが基本
電子版・紙 過去問の周回・書き込みは紙、通勤・移動中の読み込みや検索性重視なら電子版が向く

以下、それぞれの項目を詳しく見ていきます。


参考書選びの基本方針|過去問集を軸に、テキストは補助

電気通信主任技術者に限らず、この手の国家試験全般に言えることですが、参考書を通読してから過去問に取り組むという順番は遠回りになりやすいと筆者は感じています。理由は単純で、電気通信主任技術者の出題範囲は電気通信システム・設備及び設備管理・法規のいずれも広く、参考書を頭から丁寧に読み込んでいると、実際の試験でどこがどのくらいの比重で問われるのかが分からないまま時間だけが過ぎてしまうためです。

筆者がおすすめする順番は、①まず過去問集を数回分解いて出題形式・頻出分野の感覚をつかむ、②解けなかった問題・理解が浅い分野をテキストで補強する、③再度過去問を解いて定着を確認する、というサイクルです。この進め方だと、テキストは「最初から最後まで読む本」ではなく「過去問で引っかかった箇所を調べる辞書のような使い方」になります。過去問集を1冊、テキストを1冊(科目によっては科目ごとに)という組み合わせが、遠回りのない基本形だと考えてよいと思います。

過去問そのものは、日本データ通信協会 電気通信国家試験センターの公式サイトで無料公開されています。まずは公式の過去問で出題形式を確認し、そのうえで「解説がどこまで丁寧か」「収録年数がどのくらいか」を基準に市販の過去問集を選ぶと、無駄な出費を避けやすくなります。


「新版か旧版か」を見分ける視点|令和3年度改正をまたぐかどうか

参考書選びで最も注意してほしいのが、発行年ではなく「令和3年度の科目改正をまたいでいるかどうか」を基準に新旧を見分けるという視点です。電気通信主任技術者試験は令和3年度第1回試験から、それまでの①電気通信システム、②専門的能力、③設備及び設備管理、④法規という4科目構成から、②専門的能力が廃止されて①電気通信システム、②設備及び設備管理、③法規の3科目構成に変わりました。専門的能力科目で扱われていた内容の一部は「設備及び設備管理」に統合され、この科目の設問数は40問から60問へ、試験時間は100分から150分へと大きく変わっています。

つまり、この改正をまたいで発行されている古い参考書には、そもそも今の試験に存在しない「専門的能力」の章がそのまま残っていたり、逆に統合後の「設備及び設備管理」で問われるようになった内容(ソフトウェア管理などの区分)が載っていなかったりします。中古書店やフリマアプリで安く出回っている古い参考書を見かけても、改正前・改正後のどちらの科目構成に対応しているかを確認しないまま購入するのは避けるべきというのが筆者の考えです。

見分け方としては、目次に「専門的能力」という章があるかどうか、あるいは「設備及び設備管理」の章に「ソフトウェア管理」の項目が含まれているかどうかを確認するのが確実です。奥付の発行年だけを見て判断すると、改正前に出版された版がそのまま増刷されているケースを見落とすことがあるため、必ず目次の章立てで確認することをおすすめします。オンラインストアであれば、目次の一部が試し読みできる場合が多いので、購入前に一度目を通しておくとよいと思います。


過去問は何周すべきか|周回の考え方

過去問を「何周すればよいか」という質問はよく聞かれますが、筆者は最低3周を一つの目安として考えています。ただし、3回とも同じやり方で解き直すのではなく、周ごとに目的を変えるのがポイントです。

1周目は、出題形式・分量・時間配分の感覚をつかむための回です。この段階では正答率にこだわりすぎず、「どの分野が繰り返し出題されているか」「自分がどの分野で特に苦手意識を感じるか」を把握することを優先します。2周目は、1周目で間違えた問題・理解が浅かった分野を中心に、テキストで背景知識を補いながら解き直す回です。単に答えを暗記するのではなく、なぜその選択肢が正解なのかを説明できる状態を目指します。3周目は、直近の試験に近い感覚で時間を計って解き、実戦力を確認する回と位置づけます。

この3周を終えても得点が安定しない分野があれば、さらに周回を重ねるか、テキストの該当章を読み直すかで補強します。範囲が広く出題数も多い「設備及び設備管理」のような科目は、3周では足りずに5周前後まで回す受験者も少なくないという印象を筆者は持っています。逆に、過去問と似た形式の問題が繰り返し出やすい分野については、3周程度で十分な手応えを感じられることも多いです。周回数を絶対視するのではなく、「同じ問題を見て迷わず解けるかどうか」を基準に、必要な分だけ回数を重ねるという考え方が実情に近いと思います。


定番の出版社系統|過去問型とテキスト型の組み合わせ

電気通信主任技術者向けの市販教材は、大きく分けると過去問を中心にまとめた「過去問集」型と、出題範囲を体系的に解説する「テキスト」型の2系統に分けられます。定番として挙げられるのが、オーム社が出している電気通信主任技術者試験の全問題解答集です。過去複数回分の試験問題と解説をまとめて収録しており、前述の「過去問を軸にする」学習方針とそのまま相性がよい教材です。年版が変わるたびに収録される回が入れ替わるため、購入時は対応年版を必ず確認してください。

テキスト型では、電気通信システム・設備及び設備管理・法規の3科目を1冊にまとめた要点解説テキスト&問題集のようなシリーズもあります。この種のテキストは、過去問だけでは背景が分かりにくい基礎理論や法令の趣旨を補うのに向いています。工事担任者側の教材では、リックテレコムが出している実戦問題集・標準テキストが定番として知られており、総合通信や第一級デジタル通信を先に受験する人はこちらも視野に入るはずです。

出版社ごとに解説の詳しさ・図表の量・レイアウトの好みが分かれるため、「この出版社が絶対によい」という決め方よりも、過去問型を1冊、テキスト型を1冊という組み合わせを基本にしたうえで、実際に書店やオンラインストアの試し読みで自分に合う解説の書き方かどうかを確認して選ぶのが現実的だと筆者は考えています。


科目別の教材の使い分け

電気通信システム・設備及び設備管理・法規の3科目は、それぞれ性質が異なるため、教材の使い分け方にも違いが出てきます。

科目 教材の使い分けの考え方
電気通信システム 情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト試験など)と範囲が重なる部分があるため、過去問中心で解き進めつつ、理解が浅い分野だけIT系の参考書やテキストで補うと効率的
設備及び設備管理 出題範囲が広く試験時間も長いため、過去問集とテキストを分野ごとに往復させながら進める。伝送交換・線路で対象分野が異なる点にも注意
法規 条文の趣旨を問う問題が多いため、過去問だけで対応しきれない場合は法規専用の参考書で条文の背景・改正の経緯を補強するのが効果的

3科目まとめて1冊で学習できるテキストも便利ですが、特に「設備及び設備管理」のように出題範囲が広い科目については、科目単体のテキストの方が説明が詳しいことが多いという印象を筆者は持っています。3科目共通のテキストは全体像をつかむ最初の1冊として使い、苦手な科目が絞れてきた段階で単体のテキストに切り替えるという進め方もおすすめです。


電子版と紙、どちらを選ぶか

近年は過去問集・テキストとも電子書籍版が用意されているものが増えています。電子版は持ち運びが軽く、通勤・移動中のすきま時間に読み込むのに向いています。検索機能が使える場合は、法規科目のように条文名や用語で該当箇所を探したいときにも便利です。一方で、過去問集を印刷して繰り返し書き込みながら解く、あるいは複数のページを見比べながら解説を読むといった使い方には、紙の方が向いていると感じる人も多いはずです。

電子版を検討する場合は、固定レイアウト(印刷版をそのまま画像化したような形式)で提供されているものが多く、対応する端末やアプリによっては文字の拡大表示や検索がうまく機能しないことがある点に注意してください。購入前に対応端末・対応フォーマットを確認しておくと、後から「思っていた使い方ができない」というミスマッチを避けやすくなります。筆者自身は、過去問を繰り返し解く段階では紙を使い、テキストで調べものをする段階では電子版も併用するという使い分けをしています。どちらか一方に絞る必要はなく、教材の役割に応じて紙・電子版を組み合わせるのが現実的だと思います。


よくある誤解

  • 「新しい年版を買えば内容も新しい」とは限らない:年版が新しくても、収録されている過去問の回が入れ替わっているだけで、テキスト部分の記述自体は数年前のまま更新されていない場合があります。過去問集は収録年、テキストは章立て・改訂履歴をそれぞれ別に確認する必要があります。
  • 「分厚い参考書ほど網羅性が高くて安心」ではない:分量が多い教材は、必ずしも過去問との対応がよいとは限りません。過去問を解いてみて「この分野が説明不足だ」と感じた箇所を補う目的で選んだ方が、結果的に効率よく得点につながりやすいと筆者は感じています。
  • 「テキストを1冊読み終えてから過去問に進む」必要はない:先にテキストを通読しようとすると挫折しやすい科目が多く、過去問を先に解いて分からない箇所をテキストで調べるという順番の方が、電気通信主任技術者のように出題範囲が広い試験には向いています。

まとめ

  • 参考書選びは「過去問集を軸に、テキストは補助」という位置づけが基本方針
  • 新版・旧版は発行年だけでなく、令和3年度の科目改正(専門的能力の廃止・設備及び設備管理への統合)をまたいでいるかを目次で確認する
  • 過去問は最低3周を目安に、周ごとに「形式把握」「弱点補強」「実戦確認」と目的を変えて回す
  • 定番の教材は「過去問集」型と「テキスト」型の2系統に分かれ、両方を組み合わせるのが基本
  • 科目ごとに教材の相性が異なるため、まず共通テキストで全体像をつかみ、苦手科目は単体のテキストに切り替える進め方もおすすめ
  • 電子版・紙はどちらか一方に絞らず、過去問の反復は紙、調べものや持ち運びは電子版というように役割で使い分ける

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参考書籍でさらに学ぶ

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  • 電気通信主任技術者試験全問題解答集(伝送交換主任技術者・線路主任技術者)

    過去8回分を収録した過去問中心の対策本。年版が変わるので最新版を選ぶこと。

  • これ1冊で最短合格 電気通信主任技術者 要点解説テキスト&問題集[伝送交換主任技術者編]

    電気通信システム・設備及び設備管理・法規の3科目を1冊に集約したテキスト&問題集。

  • 工事担任者 総合通信 実戦問題

    直近5回分の試験問題を収録。科目別の出題傾向分析つき。年版更新に注意。

  • 工事担任者 総合通信 標準テキスト(第2版)

    資格制度改正後の内容に対応した総合通信の標準テキスト。

  • 工事担任者 第一級デジタル通信 精選問題

    過去問を精選して収録。第一級デジタル通信の過去問中心の対策に。

  • 工事担任者 第1級デジタル通信 標準テキスト(第2版)

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