建築設備.tech
基本設計電気通信資格(電通主任・工事担任者)

電気通信主任技術者 独学の学習スケジュール例|半年計画と科目分割戦略

電気通信主任技術者の学習を始めようと決めても、試験日までの時間をどう配分すればいいのか、最初はイメージがつかみにくいのではないでしょうか。筆者は伝送交換主任技術者・線路主任技術者の両方を独学で取得していますが、いずれも仕事をしながらの学習だったため、まとまった勉強時間を毎日確保できたわけではありません。それでも試験日から逆算して大まかな計画を立て、コツコツと積み上げることで合格にたどり着けたという実感があります。

この記事では、試験日から逆算した学習計画の立て方、半年計画の月ごとの配分例、科目合格の有効期間を活かした「科目分割受験」という戦略、働きながら学習を続けるコツ、直前期にやるべきことまでを、筆者の学習経験をもとに整理します。あくまで一つの型として参考にしてもらうためのもので、実際のペースは受験者ごとの土台となる知識・実務経験・確保できる時間によって大きく変わります。科目ごとの具体的な勉強法は、当サイトの「「電気通信システム」科目の勉強法」「「設備及び設備管理」科目の勉強法」「「法規」科目の勉強法」もあわせて参照してください。


早見まとめ:計画づくりの前提

項目 内容
試験頻度 年2回程度(7月ごろ・1月ごろ)。日程・申込期間は年度ごとに公式サイトで要確認
3科目の配点目安 電気通信システム:満点100点・合格点60点以上/設備及び設備管理:満点150点・合格点目安90点以上/法規:満点100点・合格点60点以上
科目合格の有効期間 合格した試験が行われた月の翌月から起算して3年以内に行われる試験のうち、最後に実施される回の申込受付締切日まで有効(日本データ通信協会 電気通信国家試験センター公表情報)
学習の重心 3科目の中で最も出題範囲が広く配点も高い「設備及び設備管理」に、学習時間全体の中で最も多くの時間を割くのが基本形
主なプラン 半年で3科目まとめて受験する「一発合格プラン」と、科目合格3年を使って2回に分けて受験する「科目分割プラン」の2通り

この表は計画を立てるための前提整理であり、断定できるのは科目合格の有効期間など制度として公表されている部分だけです。学習時間や配点の運用は年度・個人差によって変わるため、この後の本文もあくまで目安として読んでください。


学習計画の立て方|試験日から逆算し、年2回をどう使うか

電気通信主任技術者の学習計画は、まず「次にどの試験回を狙うか」を決めるところから始めるのが筆者のやり方です。試験は年2回程度(7月ごろ・1月ごろ)実施されるため、今の時期から次の試験まで何か月あるかを数え、そこから逆算して月ごとにやることを割り振っていきます。半年後の回を狙うのか、その次の回まで1年かけるのかによって、1か月あたりに詰め込める学習量はまったく変わってきます。

逆算するときに意識したいのは、3科目を均等に3等分するのではなく、「設備及び設備管理」に厚めの時間を確保することです。この科目は試験時間150分・満点150点と3科目中もっとも重く、出題範囲も装置系から線路系まで幅広いため、学習時間を均等配分すると本番でこの科目だけ準備不足になりやすいというのが筆者の実感です。逆に「電気通信システム」「法規」は範囲がある程度絞りやすく、過去問中心の学習で得点が伸びやすい科目でもあるため、全体の時間配分は「設備及び設備管理」を軸に、残りをシステム・法規に振り分けるという考え方が現実的だと思います。

もう一つ、逆算の際に見落としやすいのが申込期間です。試験日そのものよりも数か月前に申込受付が締め切られるため、「まだ勉強が仕上がっていないから申込みは様子見」とためらっているうちに次の回の申込みまで逃してしまうと、結果として1年待つことになりかねません。学習計画を立てるタイミングで、次の試験回の申込期間もあわせて確認し、早めに申し込んでおく方が「後には引けない」という緊張感が学習の継続にもつながりやすいと感じています。


半年計画の例|月ごとの学習配分

半年(6か月)で1回の試験を目指す場合の配分例を、筆者の経験をもとに整理すると次のようになります。あくまで一例であり、工事担任者や情報処理技術者試験など関連資格の学習経験がある人はもっと短い期間でも十分に間に合うはずです。

時期 主な取り組み
1か月目 3科目の出題範囲を大まかに把握する。電気通信システムの過去問を1〜2年分解き、出題パターンの感覚をつかむ
2か月目 設備及び設備管理の学習を開始(伝送交換・線路のどちらを受けるか決めた上で)。技術系の柱から着手し、基礎用語を固める
3か月目 設備及び設備管理を継続しつつ、法規の学習も並行して開始する。法規は暗記中心のため早めに触れておくと後半が楽になる
4か月目 3科目とも過去問の2周目に入る。間違えた分野をノートやメモにまとめ、弱点を可視化する
5か月目 過去問3周目。時間を計って本番形式で解く練習を始め、時間配分の感覚をつかむ
6か月目(直前期) 全科目の総復習。法規の暗記事項を詰め込み、過去問で解けなかった分野を最終確認する

この配分の中で「設備及び設備管理」に割く時間が2〜4か月目にまたがって最も長くなっている点がポイントです。範囲が広い科目ほど、直前期に一気に詰め込むよりも早い段階から継続的に触れておいた方が定着しやすいというのが筆者の感覚で、逆に法規は暗記中心のため、直前期にまとめて詰め込んでもある程度対応できる科目だと考えています。


科目分割受験という戦略|科目合格3年をどう活かすか

電気通信主任技術者試験は科目ごとの合格が認められており、合格した科目は合格した試験が行われた月の翌月から起算して3年以内に行われる試験のうち、最後に実施される回の申込受付締切日まで有効という制度になっています。この仕組みを使うと、3科目を1回の試験でまとめて合格を狙う「一発合格プラン」だけでなく、2回の試験に分けて着実に合格を積み上げる「科目分割プラン」という選択肢が現実的になります。

科目分割プランの考え方はいくつかありますが、筆者が現実的だと思うのは次のような分け方です。

プラン 第1回で狙う科目 第2回で狙う科目 向いているケース
軽い科目を先に固める型 電気通信システム+法規 設備及び設備管理 仕事や家庭の事情で学習時間が限られ、まず得点しやすい科目で自信をつけたい人
重い科目を先に片づける型 設備及び設備管理 電気通信システム+法規 半年間まとまった時間を確保できる時期があり、範囲が広い科目を早めに片づけたい人

いずれのプランでも、1回目の試験で合格した科目は3年間有効なので、2回目の試験では残りの科目だけに集中できます。半年ごとに3科目すべてを仕上げるプレッシャーがなくなる分、1科目あたりにかけられる学習時間を厚くできるのが科目分割プランの利点です。一方で、合格を持ち越す期間が長くなるほど「早く資格を取り切りたい」というモチベーションが途切れやすくなる面もあるため、2回目の試験回もあらかじめ決めておき、間延びさせすぎないことが大切だと筆者は感じています。


一発合格プランとの比較|どちらが向いているか

一発合格プランは、半年程度で3科目をまとめて仕上げて1回の試験で合格を狙う進め方です。学習期間が実質的に一度で完結するため、資格取得までの総期間は短くなりやすい一方、1回の試験にかける学習密度は高くなります。とくに「設備及び設備管理」まで含めて短期間で仕上げる必要があるため、まとまった学習時間を継続的に確保できる人向けのプランだと言えます。

科目分割プランは、1回あたりの負担を抑えられる代わりに、資格取得までのトータル期間は一発合格プランより長くなります。働きながら学習時間の確保が難しい人、あるいは設備及び設備管理のように範囲の広い科目にじっくり時間をかけたい人にとっては、無理なく合格に近づける現実的な選択肢だと筆者は考えています。

どちらが正解というものではなく、今の自分がどれくらいの学習時間を継続的に確保できるかで選ぶのが筆者のおすすめです。仕事の繁忙期が読めない、家庭の事情で学習時間が変動しやすいという人は、最初から科目分割プランを前提に計画を立てておいた方が、途中で計画倒れになるリスクを抑えられると思います。


働きながら学習を続けるコツ

仕事をしながらの独学でもっとも崩れやすいのは、まとまった時間を確保しようとして計画倒れになるパターンだと筆者は感じています。休日にまとめて何時間も勉強しようと計画しても、仕事の疲れや急な予定でその日がつぶれると、そのまま学習が止まってしまいやすいためです。平日は短時間でもよいので毎日机に向かう習慣をつくり、休日はその積み上げを補強する時間にあてる、という配分の方が結果的に継続しやすいというのが筆者の実感です。

通勤時間の使い方も、まとまった学習時間が取りにくい人にとっては重要な工数になります。過去問はスマートフォンで見られる形式(公式サイトで公開されているPDFを保存しておく、あるいは市販の過去問アプリを使うなど)にしておくと、電車やバスの移動時間に1問でも2問でも解き進められます。移動時間は集中力が続きにくい分、じっくり考える計算問題よりも、法規の暗記事項や過去問の一問一答形式の復習に向いていると感じます。まとまった時間は技術科目の理解に、細切れの時間は暗記事項の反復に、というように時間の性質で学習内容を使い分けるのがコツです。


直前期にやること

試験の1か月前後になったら、新しい範囲に手を広げるよりも、これまで解いてきた過去問の「間違えた問題」を優先的に復習する方が効率がよいと筆者は考えています。直前期に初見の分野へ手を出すと、中途半端な理解のまま本番を迎えることになりかねません。それよりも、すでに一度学習した範囲の中で自分がつまずいた箇所を確実に潰していく方が、得点の底上げにつながりやすいはずです。

法規科目は暗記の比重が大きいため、直前期に集中して詰め込む戦略が比較的機能しやすい科目です。条文の数字や主体(誰が届け出るのか、誰の許可が必要かなど)を、直前1〜2週間で一気に見直すという進め方は、筆者自身も実践して手応えを感じた方法です。一方で「設備及び設備管理」のように理解を伴う技術系の内容が多い科目は、直前の詰め込みだけでは対応しきれない部分があるため、直前期はあくまで総仕上げの位置づけとして、理解が浅い分野の再確認に使うのが現実的だと思います。


モチベーションを保つために

半年という学習期間は、短いようで途中でだれてしまうことも珍しくありません。筆者が実践して効果を感じたのは、次の試験の申込みを早めに済ませてしまうことです。受験料を払って申込みを済ませると、後には引けないという意識が働き、学習を継続する動機づけになります。

もう一つは、過去問を解いた記録を簡単でよいので残しておくことです。得点や正答率をメモしておくと、範囲が広い試験だけに「前よりできるようになっている」という実感が持ちにくい時期でも、数字で伸びを確認できます。科目分割プランを選んだ場合は、1回目の試験で科目合格を得られた時点で「あとは残りの科目に集中すればよい」という区切りができるため、この達成感を次のモチベーションにつなげやすいという利点もあります。毎日1時間でもいいので机に向かう習慣をコツコツ続けることが、結局は一番の近道だというのが、筆者が実際に合格するまでの過程で感じたことです。


まとめ

  • 学習計画は次の試験回(年2回程度、7月ごろ・1月ごろ)から逆算し、申込期間も忘れずに確認する
  • 半年計画では「設備及び設備管理」に最も多くの時間を割き、システム・法規は過去問中心で効率よく仕上げるのが基本形
  • 科目合格は3年間有効なため、1回の試験で3科目まとめて狙う一発合格プランと、2回に分けて着実に積み上げる科目分割プランのどちらも現実的な選択肢になる
  • 働きながらの学習は、平日の短時間の継続と通勤時間などの細切れ時間の活用がカギ。時間の性質に合わせて学習内容を使い分けるとよい
  • 直前期は新しい範囲を広げるより、過去問で間違えた分野の復習を優先する。法規は詰め込みが効きやすく、設備及び設備管理は理解の再確認にあてる
  • 申込みを早めに済ませる、過去問の記録を残すなど、小さな工夫でモチベーションは維持しやすくなる

あわせて読みたい

参考書籍でさらに学ぶ

※ この欄は書籍のアフィリエイト広告(Amazon・楽天)を含みます。価格・在庫・最新の年度版はリンク先でご確認ください。

  • 電気通信主任技術者試験全問題解答集(伝送交換主任技術者・線路主任技術者)

    過去8回分を収録した過去問中心の対策本。年版が変わるので最新版を選ぶこと。

  • これ1冊で最短合格 電気通信主任技術者 要点解説テキスト&問題集[伝送交換主任技術者編]

    電気通信システム・設備及び設備管理・法規の3科目を1冊に集約したテキスト&問題集。

  • 工事担任者 総合通信 実戦問題

    直近5回分の試験問題を収録。科目別の出題傾向分析つき。年版更新に注意。

  • 工事担任者 総合通信 標準テキスト(第2版)

    資格制度改正後の内容に対応した総合通信の標準テキスト。

  • 工事担任者 第一級デジタル通信 精選問題

    過去問を精選して収録。第一級デジタル通信の過去問中心の対策に。

  • 工事担任者 第1級デジタル通信 標準テキスト(第2版)

    第一級デジタル通信の基礎から法規まで押さえる標準テキスト。

→ 建築設備士のおすすめ参考書まとめ

関連記事