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宅建 1日20問ドリル Day4|宅建業法・媒介契約(専属専任・専任・一般)(予想問題・解説付き)

「1日20問ドリル」は、令和8年度(2026年)の宅地建物取引士試験を見据え、筆者が独自に作成した予想問題を1日20問ずつ、30日で全単元を一巡できるように構成した連載です。Day4となる今回は、宅建業法のなかでも媒介契約(一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約)を取り上げます。

3つの媒介契約は、依頼できる宅建業者の数・自己発見取引の可否・指定流通機構(レインズ)への登録義務・業務処理状況の報告義務・有効期間の上限が、それぞれ少しずつ異なります。数値や制度そのものを近い別の制度に入れ替えて誤りを作る出題が定番の分野のため、本記事の20問も「一般媒介契約の話を専任媒介契約の数値にすり替える」「専任媒介契約と専属専任媒介契約の登録期限・報告頻度を入れ替える」といった構成を中心にしています。あわせて、令和7年1月1日施行の指定流通機構(レインズ)に関する改正も1問取り上げています。

なお、本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。法令は令和8年4月1日現在施行されているものを基準に作問していますが、受験にあたっては最新の法令・公式発表を必ずご確認ください。

一連のドリルの全体構成は、ハブ記事「宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問(令和8年度対応)」でまとめています。あわせてご覧ください。


出題テーマと予想の考え方

宅建業法20問のうち、媒介契約の分野は毎年出題される最頻出単元の一つです。単に「専任媒介契約は◯◯」と丸暗記するのではなく、3つの契約類型を常に比較しながら整理できているかどうかで得点が分かれます。本記事の20問は、下表のような配分で構成しました。

テーマ出題頻度対応問番号
媒介契約の三類型の基本(依頼できる業者数・自己発見取引の可否)★★★★★問1・問2・問19
一般媒介契約(明示型・非明示型)★★★☆☆問3
有効期間・更新(自動更新の禁止)★★★★☆問4・問5
指定流通機構(レインズ)への登録義務・登録期限★★★★★問6・問7・問8・問18
業務処理状況の報告義務★★★★☆問9・問10
媒介契約書面(34条の2書面)の記載事項★★★★★問11・問12・問13・問14
特約の効力/令和7年改正(レインズ登録事項の追加)★★★★☆問15・問16
代理契約との比較・総合まとめ★★★☆☆問17・問20

個数問題(次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか、という形式)を4問(問7・問11・問18・問19)に混ぜています。個数問題は選択肢を1つだけ読んで消去法で解くことができないため、四肢すべてを丁寧に読む練習として活用してください。


予想問題20問

問1 媒介契約の三類型の基本

媒介契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 一般媒介契約は、依頼者が同時に複数の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができる契約形態であり、明示型と非明示型がある。
  2. 専任媒介契約は、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができない契約形態であるが、依頼者自身が発見した相手方と契約を締結することも認められない。
  3. 専属専任媒介契約は、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介を依頼できる点で一般媒介契約と共通する。
  4. 一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれについても、宅建業者は依頼者に対して契約の内容を記載した書面を交付する義務を負わない。

解答・解説

正答:1

1が正しい記述です。一般媒介契約は、依頼者が同時に複数の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができる契約形態で、他に依頼した業者名を明らかにする「明示型」と、明らかにしない「非明示型」があります。

2は誤りです。専任媒介契約の依頼者は、他の宅建業者に重ねて媒介を依頼することはできませんが、自ら発見した相手方と直接契約を締結すること(自己発見取引)は認められています。自己発見取引が制限されるのは専属専任媒介契約の特徴です。

3も誤りです。専属専任媒介契約は、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができない点で一般媒介契約と対照的な契約形態です。

4も誤りです。宅建業者は、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれを締結した場合でも、遅滞なく、宅建業法34条の2第1項所定の事項を記載した媒介契約書面を作成し、依頼者に交付しなければなりません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第1項


問2 自己発見取引の可否

自己発見取引の可否に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 一般媒介契約の依頼者は、自ら発見した相手方と、宅建業者を介さずに直接契約を締結することができる。
  2. 専任媒介契約の依頼者が、自ら発見した相手方と契約を締結することを禁止する特約は、依頼者に不利益な特約として有効に定めることができる。
  3. 専属専任媒介契約においては、依頼者が自ら発見した相手方があっても、媒介を依頼した宅建業者を介して契約を締結しなければならない旨の特約を定めることができる。
  4. 自己発見取引を制限する特約の有効性は、一般媒介契約・専任媒介契約と専属専任媒介契約とで扱いが異なる。

解答・解説

正答:2

1は正しい記述です。一般媒介契約の依頼者は、自ら発見した相手方と直接契約を締結することができます。

2が誤りです。専任媒介契約において、依頼者が自ら発見した相手方と契約を締結することを禁止する特約は、依頼者に不利益な特約として無効です。専任媒介契約の依頼者にも自己発見取引は認められています。

3は正しい記述です。専属専任媒介契約は、依頼者が自ら発見した相手方があっても媒介を依頼した宅建業者を介さなければならない旨の特約を含む契約形態であり、この特約自体は有効です。

4も正しい記述です。自己発見取引を制限する特約は、専属専任媒介契約では有効ですが、一般媒介契約・専任媒介契約では依頼者に不利益な特約として無効となり、扱いが異なります。

自己発見取引の可否は「専属専任媒介契約だけが制限できる」という一点を押さえておくと、他の3肢を正誤判断しやすくなります。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第9項


問3 一般媒介契約の明示型・非明示型

一般媒介契約の明示型・非明示型に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 非明示型の一般媒介契約とは、依頼者が他に重ねて依頼した宅建業者の名称を、契約を依頼した宅建業者に明らかにする義務を負う契約形態である。
  2. 一般媒介契約は明示型としなければならず、非明示型とすることは宅建業法上認められていない。
  3. 明示型の一般媒介契約とは、依頼者が他に重ねて依頼した宅建業者の名称を、それぞれの宅建業者に明らかにする義務を負う契約形態であり、これに対し非明示型は当該義務を負わない。
  4. 明示型・非明示型のいずれであっても、一般媒介契約である以上、指定流通機構への登録は宅建業法上の義務である。

解答・解説

正答:3

1は誤りです。設問の内容は非明示型ではなく明示型の説明になっています。他に依頼した宅建業者の名称を明らかにする義務を負うのは明示型です。

2も誤りです。一般媒介契約には明示型と非明示型の両方があり、いずれの形態とするかは依頼者と宅建業者の合意によります。

3が正しい記述です。明示型の一般媒介契約は、依頼者が他に重ねて依頼した宅建業者の名称をそれぞれの宅建業者に明らかにする義務を負う形態で、非明示型はこの義務を負わない形態です。

4は誤りです。指定流通機構への登録義務が生じるのは専任媒介契約・専属専任媒介契約であり、一般媒介契約には明示型・非明示型のいずれであっても登録義務はありません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第1項3号相当(重ねて依頼することの許否及び明示義務に関する事項)


問4 媒介契約の有効期間の上限

媒介契約の有効期間に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 専任媒介契約の有効期間は6か月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは、その期間は6か月とされる。
  2. 専属専任媒介契約の有効期間の上限は専任媒介契約より長く、6か月とされている。
  3. 一般媒介契約の有効期間は、宅建業法上3か月を超えることができないと明文で定められている。
  4. 専任媒介契約及び専属専任媒介契約の有効期間は、いずれも3か月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは、その期間は3か月とされる。

解答・解説

正答:4

1は誤りです。専任媒介契約の有効期間の上限は6か月ではなく3か月です。

2も誤りです。専属専任媒介契約の有効期間の上限も専任媒介契約と同じ3か月であり、専任媒介契約より長いということはありません。

3も誤りです。一般媒介契約の有効期間について、宅建業法は上限を明文で定めていません。3か月という上限が明文で定められているのは専任媒介契約・専属専任媒介契約です。

4が正しい記述です。専任媒介契約及び専属専任媒介契約の有効期間は、いずれも3か月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは、その期間は3か月に短縮されます。

有効期間の上限「3か月」は専任媒介契約・専属専任媒介契約に共通する数値で、一般媒介契約には法定の上限がないという対比を押さえておきましょう。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第3項


問5 媒介契約の更新(自動更新の禁止)

媒介契約の更新に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 媒介契約書面に、有効期間満了時に依頼者からの申出がなくても契約が自動的に更新される旨を定めた特約は、有効な特約として扱われる。
  2. 専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出があれば更新することができる。
  3. 更新後の有効期間も、更新の時から3か月を超えることができない。
  4. 更新の申出は依頼者からの申出によるものであり、宅建業者の側から一方的に更新することはできない。

解答・解説

正答:1

1が誤りです。依頼者からの申出がなくても契約が自動的に更新される旨の特約(自動更新特約)は、依頼者に不利益な特約として無効です。更新には依頼者からの申出が必要です。

2は正しい記述です。専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出があれば更新することができます。

3も正しい記述です。更新後の有効期間も、更新の時から3か月を超えることはできません。

4も正しい記述です。更新は依頼者からの申出によって行うものであり、宅建業者の側から一方的に更新することはできません。

自動更新特約が無効とされる点は、有効期間の上限「3か月」とセットで狙われやすい論点です。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第4項


問6 指定流通機構(レインズ)への登録義務の有無

指定流通機構(レインズ)への登録義務に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 一般媒介契約を締結した宅建業者は、指定流通機構への登録が宅建業法上の義務とされている。
  2. 専任媒介契約及び専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、いずれも指定流通機構への登録義務を負うが、登録すべき期限は両者で異なる。
  3. 専属専任媒介契約を締結した宅建業者は登録義務を負わないが、専任媒介契約を締結した宅建業者は登録義務を負う。
  4. 指定流通機構への登録義務は、媒介契約の種類にかかわらず、宅建業者が任意に判断して履行すれば足りる。

解答・解説

正答:2

1は誤りです。指定流通機構への登録が義務付けられるのは専任媒介契約・専属専任媒介契約であり、一般媒介契約に登録義務はありません(一般媒介契約でも任意に登録すること自体は禁止されていません)。

2が正しい記述です。専任媒介契約及び専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、いずれも指定流通機構への登録義務を負いますが、登録すべき期限は専任媒介契約が契約締結日から7日以内、専属専任媒介契約が5日以内(いずれも休業日を除く)と異なります。

3は誤りです。専属専任媒介契約も専任媒介契約と同様に登録義務を負います。両者の関係が逆になっています。

4も誤りです。専任媒介契約・専属専任媒介契約における登録は宅建業法上の義務であり、宅建業者の任意の判断に委ねられているものではありません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第5項


問7 指定流通機構への登録期限(個数問題)

指定流通機構(レインズ)への登録期限に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 専任媒介契約を締結した宅建業者は、契約締結の日から7日以内(休業日を除く)に、所定事項を指定流通機構に登録しなければならない。

イ 専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、契約締結の日から5日以内(休業日を除く)に、所定事項を指定流通機構に登録しなければならない。

ウ 指定流通機構への登録期限の計算にあたっては、宅建業者の休業日は登録期限の日数に算入しない。

エ 一般媒介契約についても、依頼者から特段の申出がない限り、専任媒介契約と同じ7日以内の登録義務が生じる。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:3

アは正しい記述です。専任媒介契約の登録期限は契約締結の日から7日以内(休業日を除く)です(宅地建物取引業法施行規則15条の10)。

イも正しい記述です。専属専任媒介契約の登録期限は契約締結の日から5日以内(休業日を除く)です。

ウも正しい記述です。登録期限の日数計算では、宅建業者の休業日は算入しません(同施行規則15条の10第2項)。

エは誤りです。一般媒介契約には、依頼者の申出の有無にかかわらず、指定流通機構への登録義務そのものがありません。

したがって、正しいものはア・イ・ウの三つであり、正答は3です。

登録期限「専任=7日、専属専任=5日」は数値を入れ替えた誤りが定番です。あわせて、この期限の計算では休業日を算入しない点も押さえておきましょう(後述の業務処理状況の報告義務の期間計算とは扱いが異なります)。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第5項、宅地建物取引業法施行規則15条の10


問8 登録を証する書面の引渡し義務

指定流通機構への登録を証する書面に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 宅建業者は、指定流通機構に登録したときであっても、登録を証する書面を依頼者に引き渡す義務は負わない。
  2. 登録を証する書面の引渡しは専属専任媒介契約に限られ、専任媒介契約では不要である。
  3. 宅建業者は、指定流通機構に登録したときは、遅滞なく、登録を証する書面を依頼者に引き渡さなければならない。
  4. 登録を証する書面は、依頼者の承諾があっても電磁的方法により提供することは認められていない。

解答・解説

正答:3

1は誤りです。指定流通機構に登録した宅建業者は、遅滞なく、登録を証する書面を依頼者に引き渡す義務を負います。

2も誤りです。登録を証する書面の引渡し義務は、専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれにも生じます。

3が正しい記述です。宅建業者は、指定流通機構に登録したときは、遅滞なく、登録を証する書面を依頼者に引き渡さなければなりません。

4は誤りです。依頼者の承諾を得た場合、登録を証する書面は電磁的方法により提供することも認められています。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第6項


問9 業務処理状況の報告義務の頻度

業務処理状況の報告義務の頻度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 専任媒介契約の業務処理状況の報告義務は、1か月に1回以上である。
  2. 専属専任媒介契約の業務処理状況の報告義務は、3週間に1回以上である。
  3. 業務処理状況の報告は、書面によらなければならず、口頭による報告は認められていない。
  4. 専任媒介契約の業務処理状況の報告義務は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上であり、この期間の計算には休業日を含める。

解答・解説

正答:4

1は誤りです。専任媒介契約の報告義務は1か月に1回以上ではなく、2週間に1回以上です。

2も誤りです。専属専任媒介契約の報告義務は3週間に1回以上ではなく、1週間に1回以上です。

3は誤りです。報告の方法は宅建業法上、書面に限定されていません。口頭による報告も認められています(次の問10で扱います)。

4が正しい記述です。専任媒介契約の報告義務は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上であり、この期間の計算には休業日を含みます。指定流通機構への登録期限(休業日を除く)とは計算方法が異なる点に注意が必要です。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第8項


問10 業務処理状況の報告方法

業務処理状況の報告方法及び報告義務の性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 業務処理状況の報告方法は宅建業法上書面に限定されておらず、口頭による報告も認められている。
  2. 業務処理状況の報告は、宅建業者と依頼者が対面で行わなければならない。
  3. 業務処理状況の報告義務は、専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれについても、これを怠ったことが監督処分の対象となることはない。
  4. 業務処理状況の報告義務は、宅建業者と依頼者の合意による特約で排除することができる。

解答・解説

正答:1

1が正しい記述です。業務処理状況の報告方法は書面に限定されておらず、口頭やメールなど、依頼者に伝わる方法であれば足ります。

2は誤りです。対面で行うことは義務付けられておらず、電話や書面等の方法によることもできます。

3も誤りです。報告義務を怠った宅建業者は、指示処分・業務停止処分等の監督処分の対象となり得ます。

4も誤りです。業務処理状況の報告義務は宅建業法上の強行的な規定であり、依頼者に不利益な特約で排除することはできません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第8項


問11 媒介契約書面の記載事項(個数問題)

媒介契約書面(宅建業法34条の2第1項)の記載事項に関する次のア〜エの記述のうち、記載事項として正しいものはいくつあるか

ア 宅地又は建物を特定するために必要な表示

イ 媒介契約の相手方となるべき者の氏名及び住所

ウ 当該宅地又は建物の指定流通機構への登録に関する事項

エ 依頼者の年間所得の見込額

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:2

アは記載事項です。宅地又は建物を特定するために必要な表示は、媒介契約書面の記載事項に含まれます。

イは記載事項ではありません。媒介契約締結の段階では相手方はまだ確定しておらず、相手方の氏名及び住所は媒介契約書面の記載事項として定められていません。

ウは記載事項です。当該宅地又は建物の指定流通機構への登録に関する事項は、媒介契約書面の記載事項に含まれます。

エは記載事項ではありません。依頼者の年間所得の見込額は、媒介契約書面の記載事項として定められていません。

したがって、記載事項として正しいものはア・ウの二つであり、正答は2です。

媒介契約書面の記載事項は、対象物件・価額・有効期間と解除・指定流通機構への登録・重ねての依頼の許否・報酬・標準約款に基づくか否かなど、いずれも「契約の枠組みそのもの」に関する事項であり、相手方や依頼者個人の属性に関する事項は含まれない点を押さえておきましょう。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第1項


問12 価額・評価額についての意見の根拠明示義務

宅地又は建物の価額又は評価額についての意見申述に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 宅建業者は、媒介契約の依頼者に対し、宅地又は建物の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにする必要はない。
  2. 宅建業者は、媒介契約の依頼者に対し、宅地又は建物の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
  3. 価額又は評価額についての意見の根拠は、書面で明示しなければならず、口頭での説明は認められていない。
  4. 価額又は評価額についての意見の根拠を明示する義務は、専属専任媒介契約の場合に限られ、一般媒介契約・専任媒介契約には適用されない。

解答・解説

正答:2

1は誤りです。宅建業者は、価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません。

2が正しい記述です。宅建業者は、媒介契約の依頼者に対し、宅地又は建物の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません。査定価額を不当に高く示して契約を誘引することを防ぐための規定です。

3は誤りです。根拠の明示方法は書面に限定されておらず、口頭による説明でも足ります。

4も誤りです。根拠明示義務は、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれにも適用され、専属専任媒介契約に限られるものではありません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第2項


問13 既存建物の建物状況調査あっせんに関する事項

建物状況調査のあっせんに関する事項に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 建物状況調査のあっせんに関する事項は、既存の建物であるか新築の建物であるかを問わず、媒介契約書面に記載しなければならない。
  2. 建物状況調査のあっせんに関する事項の記載は、宅建業者が実際に建物状況調査を実施することを義務付けるものであり、あっせんの有無にかかわらず調査そのものを行わなければならない。
  3. 媒介の対象となる建物が既存の建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を、媒介契約書面に記載しなければならない。
  4. 建物状況調査のあっせんに関する事項の記載は専属専任媒介契約に限られ、専任媒介契約・一般媒介契約の媒介契約書面には不要である。

解答・解説

正答:3

1は誤りです。建物状況調査のあっせんに関する事項の記載が必要になるのは、対象が既存の建物である場合に限られます。新築の建物については記載事項となりません。

2も誤りです。この記載事項は、建物状況調査を実施する者をあっせんするかどうか、あっせんする場合はその内容を記載するものにとどまり、宅建業者に建物状況調査そのものの実施を義務付けるものではありません。

3が正しい記述です。媒介の対象となる建物が既存の建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を、媒介契約書面に記載しなければなりません。

4は誤りです。この記載事項は媒介契約の種類にかかわらず、対象が既存の建物であれば一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれにも共通して適用されます。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第1項4号


問14 標準媒介契約約款に基づくか否かの別

標準媒介契約約款に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 媒介契約書面には、標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を記載する必要はない。
  2. 標準媒介契約約款を用いることは宅建業法上の義務であり、これを用いない媒介契約書面の作成は宅建業法違反となる。
  3. 標準媒介契約約款は専任媒介契約について定められているが、一般媒介契約に対応する約款は存在しない。
  4. 媒介契約書面には、標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を記載しなければならない。

解答・解説

正答:4

1は誤りです。標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は、媒介契約書面の記載事項です。

2も誤りです。標準媒介契約約款の使用は宅建業法上の義務ではありません。国土交通省の解釈・運用の考え方において使用が推奨されているにとどまり、これを用いなくても直ちに宅建業法違反となるわけではありません。

3も誤りです。標準媒介契約約款は一般媒介契約についても定められており、専任媒介契約に限られるものではありません。標準媒介契約約款は、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のそれぞれについて用意されています。

4が正しい記述です。媒介契約書面には、標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を記載しなければなりません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第1項


問15 依頼者に不利な特約の効力

媒介契約における特約の効力に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 媒介契約書面に定められた特約であっても、宅建業法の規定に反し、依頼者に不利なものは無効となる。
  2. 媒介契約における特約は、依頼者の署名押印があれば、その内容を問わず有効になる。
  3. 専任媒介契約に自動更新の特約を定めることは、依頼者の利益に資するため、宅建業法上有効な特約として扱われる。
  4. 宅建業法の規定に反し依頼者に不利な特約であっても、宅建業者と依頼者が合意していれば有効である。

解答・解説

正答:1

1が正しい記述です。媒介契約書面に定められた特約であっても、宅建業法の規定に反し、依頼者に不利なものは無効となります。

2は誤りです。依頼者の署名押印があっても、宅建業法の規定に反し依頼者に不利益な内容の特約は無効です。署名押印の有無は特約の効力を左右しません。

3も誤りです。自動更新特約は、依頼者にとって一見有利に見えても、依頼者が更新の要否を判断する機会を失わせるものとして無効な特約とされています。

4も誤りです。依頼者に不利な特約は、宅建業者と依頼者が合意していたとしても無効です。合意の有無は特約の効力を左右しません。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第10項


問16 指定流通機構への登録事項の改正(令和7年1月1日施行)

指定流通機構(レインズ)への登録事項に関する令和7年1月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 令和7年1月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正により、指定流通機構への登録事項から、宅地又は建物の売買すべき価額が削除された。
  2. 令和7年1月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正により、指定流通機構への登録事項として、宅地又は建物の取引の申込みの受付に関する状況が追加された。
  3. 令和7年1月1日施行の改正の目的は、指定流通機構への登録義務そのものを一般媒介契約にも拡大することにあり、一般媒介契約についても登録が義務化された。
  4. 令和7年1月1日施行の改正は専属専任媒介契約について適用され、専任媒介契約には適用されない。

解答・解説

正答:2

1は誤りです。宅地又は建物の売買すべき価額は従来から登録事項であり、今回の改正で削除されたものではありません。

2が正しい記述です。令和7年1月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正により、指定流通機構への登録事項として、宅地又は建物の取引の申込みの受付に関する状況が新たに追加されました。売主に買受けの申込みがあるかのような虚偽の情報を登録して他の宅建業者からの照会を断る、いわゆる「囲い込み」を防止することが改正の狙いです。

3は誤りです。今回の改正は登録事項の追加であり、一般媒介契約への登録義務の拡大は行われていません。一般媒介契約への登録は従来どおり任意です。

4も誤りです。今回の改正は専任媒介契約・専属専任媒介契約の双方に適用され、専属専任媒介契約に限られるものではありません。

令和8年度試験では、こうした直近の改正論点そのものが狙われやすいと筆者は予想しています。改正の背景(囲い込みの防止)とあわせて理解しておくと得点源になります。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第5項、宅地建物取引業法施行規則15条の11(令和7年1月1日施行)


問17 媒介契約と代理契約の違い

媒介契約と代理契約の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 代理契約は、宅地建物取引業法上、媒介契約と同一の規律に服し、代理契約に固有の規定は存在しない。
  2. 媒介契約における宅建業者は、依頼者に代わって売買契約を締結する権限を有する。
  3. 宅建業法34条の3は、代理契約について、34条の2の規定(媒介契約書面の作成・交付、指定流通機構への登録等)を準用する旨を定めている。
  4. 代理契約には、専属専任媒介契約に相当する類型は存在せず、専任代理契約・一般代理契約という区別もない。

解答・解説

正答:3

1は誤りです。宅建業法上、代理契約は媒介契約とは別の条文(34条の3)が置かれており、代理契約に固有の規律が及びます。

2も誤りです。依頼者に代わって契約を締結する権限を有するのは代理契約における宅建業者であり、媒介契約における宅建業者は契約締結の権限を有しません。

3が正しい記述です。宅建業法34条の3は、宅地又は建物の売買又は交換の代理の依頼を受けた場合について、34条の2の規定(媒介契約書面の作成・交付、価額等の意見の根拠明示、有効期間の上限、指定流通機構への登録、業務処理状況の報告等)を準用する旨を定めています。

4は誤りです。実務上、代理契約についても専属専任媒介契約に相当する専属専任代理契約、専任代理契約、一般代理契約という区別が用いられています。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の3


問18 三類型の比較(個数問題)

一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の比較に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 一般媒介契約には、宅建業法上、有効期間の上限に関する明文の規定がない。

イ 専任媒介契約の有効期間は3か月を超えることができず、専属専任媒介契約も同様である。

ウ 専任媒介契約及び専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、いずれも指定流通機構への登録義務を負うが、一般媒介契約にはその義務がない。

エ 専属専任媒介契約は、専任媒介契約と比較して、指定流通機構への登録期限が短く、業務処理状況の報告義務の頻度も高い。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:4

アは正しい記述です。一般媒介契約の有効期間について、宅建業法は上限を明文で定めていません。

イも正しい記述です。専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間は、いずれも3か月を超えることができません。

ウも正しい記述です。指定流通機構への登録義務は専任媒介契約・専属専任媒介契約に生じ、一般媒介契約には生じません。

エも正しい記述です。専属専任媒介契約は、専任媒介契約と比べて、指定流通機構への登録期限が5日以内(専任は7日以内)と短く、業務処理状況の報告義務も1週間に1回以上(専任は2週間に1回以上)と頻度が高くなっています。

したがって、正しいものはア・イ・ウ・エの四つであり、正答は4です。

専属専任媒介契約は、専任媒介契約よりも「依頼者を1社に縛る度合い」が強い分、宅建業者側の義務(登録期限・報告頻度)も厳しくなっているという対応関係を理解しておくと、この分野の問題は解きやすくなります。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第3項・第5項・第8項


問19 三類型の比較・数値の入れ替え(個数問題)

一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の比較に関する次のア〜エの記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 専任媒介契約の指定流通機構への登録期限は、契約締結の日から5日以内(休業日を除く)である。

イ 専属専任媒介契約の業務処理状況の報告義務は、2週間に1回以上である。

ウ 一般媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者の求めがない限り、指定流通機構への登録をしてはならない。

エ 専属専任媒介契約は、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができない点で、専任媒介契約と共通する。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:1

アは誤りです。5日以内は専属専任媒介契約の登録期限であり、専任媒介契約の登録期限は7日以内です。数値が入れ替わっています。

イも誤りです。2週間に1回以上は専任媒介契約の報告義務の頻度であり、専属専任媒介契約は1週間に1回以上です。こちらも数値が入れ替わっています。

ウも誤りです。一般媒介契約に指定流通機構への登録義務がないことは正しいのですが、宅建業者が任意に登録すること自体が禁止されているわけではありません。「登録をしてはならない」という記述は誤りです。

エが正しい記述です。専属専任媒介契約・専任媒介契約はいずれも、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができない点で共通しています。両者が異なるのは、自己発見取引の可否・登録期限・報告頻度の3点です。

したがって、正しいものはエの一つであり、正答は1です。

ア・イのように、専任媒介契約と専属専任媒介契約の数値をそっくり入れ替える誤りは最も引っかかりやすいパターンです。「専属専任の方が厳しい(期限が短く、報告頻度が高い)」という向きを軸に覚えておくと、入れ替えに気づきやすくなります。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2第1項・第5項・第8項


問20 媒介契約の総合まとめ

一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約のいずれも、宅建業法上、契約の有効期間の上限は3か月と定められている。
  2. 専任媒介契約の指定流通機構への登録期限は5日以内、専属専任媒介契約の登録期限は7日以内である。
  3. 業務処理状況の報告義務の頻度は、専任媒介契約が1週間に1回以上、専属専任媒介契約が2週間に1回以上である。
  4. 専属専任媒介契約は、依頼できる宅建業者が1社に限られる点、指定流通機構への登録義務がある点、自己発見取引を制限する特約を定めることができる点のいずれにおいても、専任媒介契約より制約が強い契約形態である。

解答・解説

正答:4

1は誤りです。有効期間の上限が3か月と定められているのは専任媒介契約・専属専任媒介契約であり、一般媒介契約には法定の上限がありません。

2は誤りです。登録期限は専任媒介契約が7日以内、専属専任媒介契約が5日以内であり、設問の数値は入れ替わっています。

3も誤りです。報告義務の頻度は専任媒介契約が2週間に1回以上、専属専任媒介契約が1週間に1回以上であり、こちらも数値が入れ替わっています。

4が正しい記述です。専属専任媒介契約は、依頼できる宅建業者が1社に限られる点は専任媒介契約と共通しますが、指定流通機構への登録期限が短く、業務処理状況の報告頻度が高く、さらに自己発見取引を制限する特約を定めることができる点で、専任媒介契約よりも依頼者を1社に縛る度合いが強い契約形態です。

一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約は、常に3つをセットで比較しながら覚えることが得点への近道です。数値の単純な暗記だけでなく、「なぜ専属専任媒介契約の方が宅建業者の義務が重いのか」という理由まで理解しておくと、入れ替え型の出題にも対応しやすくなります。

根拠条文:宅地建物取引業法34条の2


まとめとDay5への導線

Day4では、宅建業法の媒介契約(一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約)を20問(うち個数問題4問)で確認しました。依頼できる業者数・自己発見取引の可否・指定流通機構への登録義務と登録期限(7日/5日)・業務処理状況の報告頻度(2週間/1週間)は、いずれも3つの契約類型を横断して比較しながら覚えることが得点への近道です。令和7年1月1日施行のレインズ登録事項の追加(囲い込み防止)は、令和8年度試験でも狙われやすい改正論点だと筆者は考えています。間違えた問題は、根拠条文に戻って理由まで確認しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

明日のDay5では、法令上の制限のうち都市計画法を扱う予定です。全体の進捗やDay一覧は、宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問(令和8年度対応)から確認できます。


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