宅建 1日20問ドリル Day1|宅建業法・免許制度と欠格要件
宅建士試験の学習は、範囲の広さに対してどこから手を付けるか迷いやすいのが最初の壁です。この連載では、1日20問×30日で全単元を一巡できる予想問題ドリルを、頻出単元から順番にお届けします。Day1は、宅建業法の中でも配点が厚く、暗記中心で得点効率が高い免許制度・欠格要件を扱います。目安の学習時間は30〜40分です。
このドリルは、宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問のDay1にあたります。他の日の問題や単元別のテキスト解説は、そちらのハブ記事から一覧できます。免許制度の要点を先に整理してから解きたい場合は、宅建業の免許制度を整理する|欠格要件・更新・案内所の届出もあわせてご覧ください。
なお、本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。法令は令和8年4月1日現在施行されているものを基準に作問していますが、受験にあたっては最新の法令・公式発表を必ずご確認ください。
Day1の範囲:免許制度・欠格要件
宅建業法は本試験50問中20問を占める最大分野で、なかでも免許制度・欠格要件は毎年安定して出題される基礎領域です。令和7年度試験では宅建業法20問中10問が個数問題という過去最多の傾向が見られたため、本Dayでも個数問題を3問織り交ぜ、4肢すべてを精読する練習も兼ねています。また、令和7年4月1日施行の宅建業者名簿・標識の記載事項変更という直近の改正論点も1問取り上げています。
問題20問
問1 宅建業の意義と免許が不要な取引
次の記述のうち、宅地建物取引業法上、免許を受けなければ行うことができない業務として、最も適切なものはどれか。
- 宅建業者ではないAが、自己所有の土地を多数の区画に分割し、不特定多数の者に反復継続して売却する業務
- 宅建業者ではないBが、自己所有のアパート(10戸)を、複数の入居者に反復して賃貸する業務
- 宅建業者ではないCが、自ら借り上げた住宅を、転貸(サブリース)として複数の入居者に反復して貸し出す業務
- 宅建業者ではないDが、自己所有の空き店舗1戸を、知人が営む店舗として賃貸する業務
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。自ら当事者として宅地の売買を反復継続して行うことは、宅建業法2条2号の「取引」に該当し、これを業として行う以上、免許が必要です(3条1項)。区画を分割して不特定多数の者に反復継続して売却する行為は、典型的に「業として行う」と判断されます。
2は誤りです。自ら貸主として賃貸する行為(自ら貸借)は、宅建業法2条2号の「取引」に含まれないため、いくら反復継続しても免許は不要です。
3も誤りです。自ら借り上げた物件を転貸する行為も、貸主としての立場に準じて「自ら貸借」に該当するため、免許は不要です。
4も誤りです。2と同様に、自ら貸主として賃貸する行為であり、免許は不要です。
宅建業の免許が必要かどうかは、「宅地建物+取引(売買・交換・代理・媒介)+業として行うか」という3要素で判断します。自ら貸主・自ら転貸人となる賃貸は、この「取引」に含まれない点が最頻出の急所です。
問2 免許権者の区分(国土交通大臣・都道府県知事)
宅建業の免許権者に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1つの都道府県の区域内にのみ事務所を設置して宅建業を営もうとする者は、その事務所の所在地を管轄する国土交通大臣の免許を受けなければならない。
- 2以上の都道府県の区域内に事務所を設置して宅建業を営もうとする者は、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
- 都道府県知事の免許を受けた宅建業者が、免許を受けた都道府県の区域外において、事務所を設けずに宅地建物の取引を行うことは認められていない。
- 国土交通大臣免許を受けている宅建業者が、事務所を整理して1つの都道府県内のみとした場合、免許換えの手続をとらなくても、免許は当然に都道府県知事免許に切り替わる。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。1つの都道府県内のみに事務所を置く場合は都道府県知事の免許です(3条1項)。「国土交通大臣」との記述は免許権者の区分を取り違えています。
2が正しい記述です。2以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣の免許となります(3条1項)。
3は誤りです。知事免許の効力は営業活動を行う地域そのものを制限するものではなく、免許を受けた都道府県以外でも、事務所を新設しない限り宅地建物の取引を行うことができます。免許の区分は「事務所の所在地」で決まる仕組みです。
4も誤りです。免許の種類の変更には免許換えの申請が必要であり(7条)、手続をとらずに当然に切り替わることはありません。
「知事免許=営業エリアが県内に限定される」という誤解は宅建受験生に非常に多い定番のひっかけです。免許の区分はあくまで事務所の所在地で決まる仕組みだと理解しておきましょう。
問3 宅建業法上の「事務所」の意義
宅建業法上の「事務所」に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 本店で宅建業を営んでいない場合であっても、その支店で宅建業を営んでいるときは、本店も事務所に該当する。
- 商業登記簿上は支店として登記されている場所であっても、宅建業に関する契約を締結する権限を有する使用人を置かず、実質的に宅建業の業務を行っていない場合は、事務所に該当しない。
- 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所であれば、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置いていなくても、事務所に該当する。
- 一団の宅地の分譲のために一時的に設置する案内所は、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置いていない限り、宅建業法上の「事務所」には該当しない。
解答・解説
正答は3です。
1は正しい記述です。本店は支店の業務を統括する立場にあるため、本店自体が宅建業を営んでいなくても、その支店で宅建業を営んでいれば本店も事務所とみなされます(宅建業法施行令1条の2)。
2も正しい記述です。事務所に該当するかどうかは登記の形式ではなく実質で判断され、契約締結権限のある使用人を置かず実体を伴わない場所は事務所に該当しません。
3が誤りです。事務所に該当するためには、継続的に業務を行うことができる施設を有するだけでなく、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くことが必要です(施行令1条の2)。この権限がある使用人を置いていない場所は、業務の実体があっても「事務所」ではなく、案内所等として別の規制(標識の掲示・専任の宅建士1名以上の設置等)を受けるにとどまります。
4は正しい記述です。契約締結権限を有する使用人を置かない一時的な案内所は、事務所には該当しません。
事務所か案内所等かによって、専任の宅建士の設置基準(5人に1人か1名以上か)や届出の要否が変わります。まず「契約締結権限のある使用人を置いているか」で切り分ける癖をつけておきましょう。
問4 免許の有効期間と更新
免許の有効期間及び更新に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 免許の有効期間は3年であり、更新の申請をしなければ、有効期間の満了によりその効力を失う。
- 免許の有効期間は5年であり、更新の申請は、有効期間満了の日の30日前から当日までの間に行わなければならない。
- 免許の有効期間は10年であり、更新の申請は、有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行わなければならない。
- 免許の有効期間は5年であり、更新の申請をした場合において、有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、その処分がなされるまでの間、従前の免許はなお効力を有する。
解答・解説
正答は4です。
1は誤りです。免許の有効期間は3年ではなく5年です(3条2項)。
2は誤りです。有効期間が5年である点は正しいのですが、更新申請の期間は「満了の日の90日前から30日前まで」であり(施行規則3条)、「30日前から当日まで」ではありません。
3も誤りです。有効期間は10年ではなく5年です。申請期間が「90日前から30日前まで」である点自体は正しいのですが、有効期間の数値が誤っています。
4が正しい記述です。更新の申請をしたにもかかわらず有効期間満了日までに処分がなされない場合、処分がなされるまでの間は従前の免許がなお効力を有します(施行規則3条2項相当の運用)。
有効期間「5年」と申請期間「満了90日前〜30日前」はセットで問われる定番の数値です。数値の組み合わせを入れ替えた選択肢に引っかからないよう、両方セットで覚えておきましょう。
問5 免許換え
免許換えに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 国土交通大臣免許を受けているA社が、事務所を整理して甲県内の1箇所のみとした場合、免許換えの申請をすることにより、甲県知事の免許を受けることができる。
- 甲県知事免許を受けているB社が、乙県内にも新たに事務所を設置した場合、免許換えの申請先(免許権者)は、現在免許を受けている甲県知事である。
- 甲県知事免許を受けているC社が、甲県内で事務所を移転したが、乙県内に事務所を有するに至っていない場合、免許換えの申請をしなければ引き続き宅建業を営むことができない。
- 免許換えにより新たな免許を受けた場合、従前の免許は、新たな免許の有効期間の満了日まで、なお並行して効力を有する。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。大臣免許を受けている業者が事務所を1つの都道府県内に集約した場合、免許換えの申請により知事免許に切り替えることができます(7条)。
2は誤りです。2以上の都道府県に事務所を有することとなった場合の免許換え後の免許権者は国土交通大臣であり、甲県知事ではありません。
3も誤りです。同一都道府県内での事務所の移転は免許権者の区分に変更が生じないため免許換えは不要で、変更の届出(9条)で足ります。
4も誤りです。免許換えにより新たな免許を受けたときは、従前の免許は効力を失います(7条1項)。並行して有効であり続けることはありません。
免許換えは「事務所の数・所在する都道府県の増減によって免許権者の区分(知事・大臣)が変わる場合」に必要になる手続きです。同一都道府県内の移転や、事務所数が変わらない場合との違いを整理しておきましょう。
問6 免許の条件
免許の条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 国土交通大臣又は都道府県知事は、免許に条件を付すことができるが、一度付した条件は、免許の有効期間中に変更することはできない。
- 免許に付す条件は、免許を受ける者に不当な義務を課すこととならないよう、免許事務の必要性に照らして必要最小限度のものでなければならない。
- 免許の条件は、新規免許の付与時に限り付すことができ、免許の更新に際して付すことはできない。
- 免許の条件に違反しても、当該条件はあくまで行政指導としての性格を有するにとどまり、監督処分の対象となることはない。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。免許権者は、免許に条件を付す場合、その条件を変更することもできます(3条の2第1項)。
2が正しい記述です。免許の条件は、免許を受ける者に不当な義務を課すこととならないよう、免許事務の必要性に照らして必要最小限度のものでなければならない旨が明文で定められています(3条の2第2項)。
3は誤りです。条件は新規免許のときに限らず、免許の更新に際しても付すことができます。
4も誤りです。免許の条件は法律に基づく処分の一部であり、単なる行政指導ではなく、条件違反は監督処分(指示処分・業務停止処分等)の対象となり得ます。
免許の条件は、実務上は「一定期間内に事務所の体制を整えること」等の形で付されることがあります。「必要最小限度」という歯止めがある点が出題ポイントです。
問7 宅建業者名簿の登載事項(改正論点)
宅建業者名簿の登載事項に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 宅建業者が法人である場合、その法人の役員の氏名は、宅建業者名簿の登載事項に含まれない。
- 宅建業者の商号又は名称は、免許証にのみ記載される事項であり、宅建業者名簿の登載事項ではない。
- 令和7年4月1日施行の宅建業法施行規則等の改正により、事務所ごとに置かれる専任の宅地建物取引士の氏名は、宅建業者名簿の登載事項から除かれた。
- 事務所の名称及び所在地は、令和7年4月1日の改正によって、新たに宅建業者名簿の登載事項として追加された項目である。
解答・解説
正答は3です。
1は誤りです。法人の役員の氏名は登載事項に含まれます(8条2項3号)。
2も誤りです。商号又は名称は宅建業者名簿の登載事項です(8条2項2号)。免許証にのみ記載されるものではありません。
3が正しい記述です。第14次地方分権一括法(令和6年法律第53号)に伴う関係規則の改正(令和7年4月1日施行)により、事務所ごとに置かれる専任の宅地建物取引士の氏名は、宅建業者名簿の登載事項から除かれました。
4は誤りです。事務所の名称及び所在地は従来から登載事項であり(8条2項5号)、令和7年4月1日の改正で新設された項目ではありません。今回の改正の主眼は、専任の宅建士の氏名という個人情報にかかわる項目を名簿から除く点にあります。
令和7年4月1日施行の改正は、宅建業者名簿・従業者名簿・標識のいずれについても、個人情報保護の観点から記載事項が見直された点が共通しています。令和8年度試験では、この「何が削られ、何が加わったか」という改正点そのものが狙われやすいと筆者は予想しています。
問8 変更の届出(個数問題)
宅建業者Aが行った次の変更のうち、宅建業法第9条に基づき、変更があった日から30日以内に届出をしなければならないものはいくつあるか。
ア 商号を変更した。 イ 事務所の所在地を変更した。 ウ 法人の資本金の額を変更した。 エ 宅建業以外に営んでいる兼業事業の種類を追加した。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は2です。
アは届出が必要です。商号又は名称は登載事項であり(8条2項2号)、変更があった場合は30日以内の届出が必要です(9条)。
イも届出が必要です。事務所の名称及び所在地も登載事項であり(8条2項5号)、変更があった場合は30日以内の届出が必要です。
ウは届出の対象外です。法人の資本金の額は宅建業者名簿の登載事項ではないため、変更の届出の対象ではありません。
エも届出の対象外です。宅建業以外の兼業事業の種類は免許申請時の記載事項ではありますが、その後の変更については9条の届出義務の対象とはされていません。
したがって、届出が必要なものはア・イの2つであり、正答は2です。
個数問題は、4肢すべての正誤を判断できないと正答にたどり着けない形式です。「登載事項に含まれるかどうか」「登載事項ではあっても変更届出の対象になるかどうか」を正確に切り分ける知識が求められます。
問9 案内所等の届出
案内所等の届出(宅建業法50条2項)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 一団の宅地(50区画)の分譲のため、当該宅地以外の場所に案内所を設置して契約の締結を行う場合、その届出は、案内所の業務を開始した日から10日以内に行わなければならない。
- 案内所等の届出は、免許権者に対してのみ行えば足り、案内所の所在地を管轄する都道府県知事への届出は不要である。
- 一団の宅地建物の分譲について、契約の締結や申込みの受付を行わず、案内・広告を行う場所として案内所を設置する場合であっても、届出をしなければ標識を掲示することができない。
- 一団の宅地(50区画)の分譲のため、当該宅地以外の場所に案内所を設置して契約の締結を行う場合、その届出は、案内所の業務を開始する日の10日前までに行わなければならない。
解答・解説
正答は4です。
1は誤りです。届出の期限は「業務を開始する日の10日前まで」であり(50条2項、施行規則19条3項)、業務開始後に届け出るのでは遅すぎます。
2も誤りです。届出は、免許権者と、案内所の所在地を管轄する都道府県知事の両方に対して行う必要があります。
3も誤りです。契約の締結や申込みの受付を行わない案内所は、そもそも50条2項の届出義務の対象外です。届出の有無にかかわらず標識の掲示義務は別途生じるため、届出をしなければ標識を掲示できないという因果関係は存在しません。
4が正しい記述です。契約の締結又は申込みの受付を行う案内所等を設置する場合、業務を開始する日の10日前までに届け出なければなりません。
案内所の届出は「10日前まで」という期限と、「免許権者・所在地の知事の両方」という届出先の2点がセットで問われます。
問10 標識の掲示
標識の掲示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 契約の締結や申込みの受付を行わず、単に一団の宅地建物の分譲についての案内・広告のみを行う案内所であっても、標識の掲示は必要である。
- 標識を掲示すべき場所は事務所に限られ、契約締結等を行わない案内所には掲示する必要がない。
- 一団の建物の分譲について、売主である宅建業者から販売代理を依頼された宅建業者が案内所を設置した場合、標識を掲示する義務を負うのは売主である宅建業者であり、案内所を設置した代理業者はその義務を負わない。
- 標識に記載すべき事項は商号又は名称のみであり、免許証番号その他の事項を記載する必要はない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。契約行為等を行わない案内所であっても、一団の宅地建物の分譲についての案内・広告を行う場所である以上、標識の掲示義務があります(50条1項、施行規則19条1項)。
2は誤りです。標識の掲示義務は事務所に限られず、契約締結等を行わない案内所等にも及びます。
3も誤りです。標識の掲示義務は、案内所を設置して業務を行う代理業者にも生じ、あわせて売主業者も自らの標識を掲示する義務を負います。設問文は案内所を設置した代理業者の義務を欠落させています。
4も誤りです。標識には、免許証番号・免許の有効期間・商号又は名称・代表者の氏名等、規則で定める複数の事項を記載しなければなりません。
案内所には「専任の宅建士の設置」「標識の掲示」「届出」という3つの義務が絡み合って出題されます。それぞれ要件が独立している点(届出が不要でも標識は必要、等)を切り分けて覚えましょう。
問11 専任の宅地建物取引士の設置基準
専任の宅地建物取引士の設置基準に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 事務所については、業務に従事する者5人につき1人以上の割合で、成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
- 専任の宅地建物取引士は、当該事務所に常勤する必要があるが、他の事務所や他の法人の専任の宅地建物取引士を兼任することも自由に認められている。
- 契約の締結又は申込みの受付を行う案内所等については、業務に従事する者の人数にかかわらず、専任の宅地建物取引士を1名以上置けば足りる。
- 事務所に置くべき専任の宅地建物取引士の数に不足が生じた場合、宅建業者は2週間以内に、必要な数の専任の宅地建物取引士を確保するための措置を執らなければならない。
解答・解説
正答は2です。
1は正しい記述です。事務所については業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任の宅建士を設置しなければなりません(31条の3第1項、施行規則15条の5の3)。
2が誤りです。専任の宅地建物取引士は、原則としてその事務所に専ら従事する者でなければならず、他の事務所や他法人の専任の宅建士を兼任することは、原則として認められていません。「自由に認められている」とする点が誤りです。
3は正しい記述です。契約締結等を行う案内所等では、業務に従事する者の人数にかかわらず、専任の宅地建物取引士を1名以上置けば足ります(施行規則15条の5の2)。事務所の「5人に1人」とは基準が異なります。
4も正しい記述です。専任の宅地建物取引士の数が政令で定める数を欠くに至ったときは、2週間以内に必要な措置を執らなければなりません(31条の3第3項)。
事務所は「5人に1人」、案内所等は「1名以上」という基準の違いは、数値の入れ替えで出題されやすいポイントです。あわせて、専任性の要件(原則兼任不可)も押さえておきましょう。
問12 欠格要件①(破産手続開始の決定)
免許の基準(欠格要件)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 破産手続開始の決定を受けた者は、復権を得た日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
- 破産手続開始の決定を受けた者は、破産手続開始の決定を受けた日から5年を経過しなければ、復権を得ていても免許を受けることができない。
- 破産手続開始の決定を受けた者であっても、復権を得れば、直ちに免許を受けることができる。
- 破産手続開始の決定を受けた者は、破産手続が終結するまでの間に限り免許を受けることができず、破産手続開始の決定を受けたことが免許の取消事由となることはない。
解答・解説
正答は3です。
1は誤りです。復権を得た者について、さらに5年間の待機期間は課されていません。
2も誤りです。復権を得た者に、破産手続開始決定日からの5年待機を課す規定はありません。
3が正しい記述です。破産手続開始の決定を受けた者は欠格事由に該当しますが(5条1項1号)、復権を得れば直ちにこの欠格事由に該当しなくなります。
4は誤りです。破産手続開始の決定を受けたことは、免許の欠格事由に該当するだけでなく、既存の免許の取消事由にもなり得ます(66条)。
「破産=5年間ダメ」という思い込みは誤りです。復権を得れば待機期間なしで免許を受けられる点は、次の問で扱う拘禁刑以上の刑(5年待機)との違いとしてセットで押さえておきましょう。
問13 欠格要件②(拘禁刑以上の刑)
免許の基準(欠格要件)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 拘禁刑以上の刑に処せられた者は、罰金の刑に処せられた場合と同様に、刑の言渡しを受けた日から5年を経過すれば免許を受けることができる。
- 拘禁刑以上の刑に処せられた者が刑の執行猶予の言渡しを受けた場合、執行猶予期間が満了した日から5年を経過しなければ免許を受けることができない。
- 拘禁刑以上の刑に処せられた者について、免許の欠格事由となるのは、宅建業法違反により拘禁刑以上の刑に処せられた場合に限られる。
- 拘禁刑以上の刑に処せられた者は、罪の種類を問わず、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しなければ免許を受けることができない。
解答・解説
正答は4です。
1は誤りです。待機期間の起算点は「刑の言渡しを受けた日」ではなく、「刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日」です(5条1項5号)。
2も誤りです。執行猶予期間が満了すれば刑の言渡しがその効力を失うため、その時点で直ちに欠格事由に該当しなくなります。執行猶予が満了してからさらに5年の待機期間が必要になるわけではありません。
3も誤りです。拘禁刑以上の刑は罪の種類を問わず欠格事由に該当し、宅建業法違反の場合に限られません。
4が正しい記述です。拘禁刑以上の刑は、罪の種類を問わず欠格事由に該当し、刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しなければ免許を受けられません(5条1項5号)。令和7年6月1日施行の刑法改正により懲役・禁錮は拘禁刑に統合されており、令和8年4月1日現在の宅建業法上もこの表記が基準になります。
拘禁刑以上の刑は「罪の種類を問わない」点、次の問で扱う罰金刑は「対象犯罪が限定される」点が対照的です。あわせて確認しておきましょう。
問14 欠格要件③(罰金刑の対象犯罪・個数問題)
次の記述のうち、罰金の刑に処せられたことにより、免許の欠格事由に該当するものはいくつあるか(いずれも刑の執行を終わった日から3年しか経過していないものとする)。
ア 傷害罪により罰金の刑に処せられた。 イ 暴行罪により罰金の刑に処せられた。 ウ 背任罪により罰金の刑に処せられた。 エ 道路交通法違反(速度超過)により罰金の刑に処せられた。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は3です。
アは該当します。傷害罪による罰金刑は、欠格事由の対象犯罪に含まれます(5条1項6号)。
イも該当します。暴行罪による罰金刑も対象犯罪に含まれます。
ウも該当します。背任罪による罰金刑も対象犯罪に含まれます。
エは該当しません。道路交通法違反による罰金刑は、宅建業法が定める欠格事由の対象犯罪に含まれていません。
したがって、該当するものはア・イ・ウの3つであり、正答は3です。
罰金刑が欠格事由となる犯罪は、宅建業法違反のほか、傷害罪・暴行罪・背任罪等の一定の犯罪に限定されています。対象犯罪の範囲を正確に覚えておく必要があります。
問15 欠格要件④(免許取消処分に係る聴聞公示後の廃業等届出)
免許の基準(欠格要件)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された後、当該処分を免れるため相当の理由なく廃業の届出をした者は、その届出の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
- 免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された後に廃業の届出をした場合、その理由のいかんを問わず、届出の日から5年を経過しなければ免許を受けることができない。
- 免許の取消処分を受けた者は、当該処分の日から5年を経過しなければ免許を受けることができないが、取消処分に係る聴聞公示後に自ら廃業の届出をした者については、この制限は適用されない。
- 免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された後に廃業の届出をした場合の5年間の欠格期間は、届出をした本人にのみ適用され、その者が役員を務める法人には適用されない。
解答・解説
正答は1です。
1が正しい記述です。免許取消処分に係る聴聞の期日・場所の公示後、相当の理由なく廃業等の届出をした者は、その届出の日から5年を経過しない限り免許を受けられません(5条1項3号)。
2は誤りです。「相当の理由がある場合」は対象外とされており、理由のいかんを問わず5年の制限がかかるわけではありません。
3も誤りです。取消処分自体を受けた場合の5年の欠格(5条1項2号)とは別に、聴聞公示後に自ら廃業の届出をして処分を免れた場合にも、同様に5年の欠格事由が定められています(5条1項3号)。制限が適用されないというのは誤りです。
4も誤りです。本人が欠格事由に該当する場合、その者が法人の役員又は政令で定める使用人であるときは、当該法人自体も欠格事由に該当します。本人限りの制限ではありません。
「取消処分を受けた場合」と「取消処分の聴聞公示後に自ら廃業して処分を免れようとした場合」は、どちらも5年の欠格事由になるという点で対になっています。あわせて覚えておくと得点源になります。
問16 欠格要件⑤(暴力団員等)
免許の基準(欠格要件)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員は、現に暴力団員である間に限り免許の欠格事由に該当し、暴力団員でなくなった時点で直ちに免許を受けることができる。
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は、免許の欠格事由に該当する。
- 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者であっても、暴力団員として活動していた期間中に宅建業法違反その他の犯罪歴がなければ、免許の欠格事由には該当しない。
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員に該当するかどうかは、免許の基準の判断において考慮されない。
解答・解説
正答は2です。
1は誤りです。暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者も欠格事由に該当し、暴力団員でなくなった時点で直ちに免許を受けられるわけではありません。
2が正しい記述です。暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は欠格事由に該当します(5条1項6号)。
3は誤りです。暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者であること自体が独立の欠格事由であり、別途の犯罪歴の有無は要件とされていません。
4も誤りです。暴力団員である者、及び暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は、いずれも免許の基準における欠格事由として明文で考慮されます。
暴力団員も、拘禁刑以上の刑や一定の罰金刑と同じく「5年」という待機期間が設けられている点が共通しています。起算点(なくなった日)を正確に押さえましょう。
問17 欠格要件⑥(未成年者と法定代理人)
未成年者の免許に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 未成年者は、営業に関し成年者と同一の行為能力を有する場合であっても、免許を受けることができない。
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、その法定代理人が欠格事由に該当するかどうかにかかわらず、免許を受けることができる。
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であっても、その法定代理人が欠格事由に該当しない場合は、免許を受けることができる。
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者が免許を受けようとする場合、その法定代理人が欠格事由に該当しないことが必要である。
解答・解説
正答は3です。
1は誤りです。営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、成年者と同様に扱われ、免許を受けることができます。
2も誤りです。成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、法定代理人が欠格事由に該当する場合には免許を受けられません。法定代理人の欠格の有無は判断に影響します。
3が正しい記述です。成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であっても、その法定代理人(法定代理人が法人であるときはその役員を含む)が欠格事由に該当しない場合は、免許を受けることができます(5条1項11号)。
4は誤りです。営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は成年者と同様に扱われるため、法定代理人の欠格の有無は判断に影響しません。
「成年者と同一の行為能力を有するかどうか」で、法定代理人の欠格が判断に影響するかどうかが変わる、という条件分岐の構造を理解しておくことが重要です。宅建士の登録基準(未成年者は原則欠格)とは扱いが異なる点にも注意しましょう。
問18 欠格要件⑦(法人の役員・政令使用人・個数問題)
宅建業の免許を申請する法人Xについて、次の記述のうち、法人Xが免許の欠格事由に該当する原因となるものはいくつあるか。
ア 取締役が、拘禁刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から6年を経過している。 イ 非常勤の監査役が、傷害罪により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から3年しか経過していない。 ウ 支店の代表者(政令で定める使用人)が、道路交通法違反(酒気帯び運転)により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から1年しか経過していない。 エ 発行済株式の過半数を有する株主(法人の役員ではない)が、過去に拘禁刑に処せられ、現在も服役中である。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解答・解説
正答は1です。
アは該当しません。刑の執行終了後6年を経過しており、5年の待機期間はすでに満了しています。
イは該当します。傷害罪による罰金刑は欠格事由の対象犯罪であり、常勤・非常勤を問わず役員である以上、法人の役員として欠格の判断対象となります。
ウは該当しません。道路交通法違反による罰金刑は、宅建業法が定める欠格事由の対象犯罪に含まれていません。
エは該当しません。単なる株主(出資者)は、法人の「役員」にも「政令で定める使用人」にも該当しないため、欠格事由の判断対象になりません。
法人の役員又は政令で定める使用人のうちいずれかが欠格事由に該当する場合、法人自体も免許の欠格事由に該当します(5条1項12号)。本問でこれに当てはまるのはイのみであり、正答は1です。
法人の欠格判定は「誰が判断対象になるか(役員・政令使用人か、単なる株主でないか)」と「その者の個別の欠格事由(経過年数・対象犯罪の範囲)」の両方を正確に読み取る必要があり、個数問題として出題されやすい典型論点です。
問19 廃業等の届出
廃業等の届出に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 個人である宅建業者が死亡した場合、その相続人は、死亡の日から30日以内に、その旨を免許権者に届け出なければならない。
- 個人である宅建業者が死亡した場合、免許は、相続人が廃業等の届出をした時点で失効する。
- 宅建業者が破産手続開始の決定を受けた場合、当該宅建業者自身が、その日から30日以内に廃業等の届出をしなければならない。
- 個人である宅建業者が死亡した場合、その相続人は、宅建業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅建業者とみなされる。
解答・解説
正答は4です。
1は誤りです。30日の起算点は「死亡の日」ではなく、相続人が死亡の事実を「知った日」です(11条1項1号)。
2も誤りです。死亡による免許の失効は、届出の有無にかかわらず、死亡した時点で生じます。届出は事後的な報告にすぎません。
3も誤りです。破産手続開始の決定を受けた場合の届出義務者は、宅建業者自身ではなく、その破産管財人です(11条1項3号)。
4が正しい記述です。相続人は、被相続人である宅建業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において、なお宅建業者とみなされます(76条)。
廃業等の届出は、事由ごとに「誰が」「いつから30日以内に」届け出るかが異なります(死亡=相続人が知った日から、破産=破産管財人が決定日から、法人合併消滅=消滅法人の代表役員であった者等)。表で整理しておくと得点源になります。
問20 無免許事業の禁止・名義貸しの禁止
無免許事業等の禁止及び名義貸しの禁止に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 免許を受けていない者は、宅建業を営むことはできないが、宅建業を営む旨の表示や広告を行うことは禁止されていない。
- 宅建業者は、自己の名義をもって他人に宅建業を営ませてはならないが、自己の名義をもって他人に宅建業を営む旨の表示をさせたり、広告をさせたりすることは禁止されていない。
- 無免許で宅建業を営んだ場合の罰則は、名義を借りて営業した無免許者よりも、名義を貸した宅建業者の方が軽く定められている。
- 宅建業者が自己の名義をもって他人に宅建業を営ませた場合、その名義を貸した宅建業者は、監督処分の対象となるほか、罰則の適用を受けることがある。
解答・解説
正答は4です。
1は誤りです。免許を受けていない者は、宅建業を営む旨の表示をし、又は宅建業を営む目的をもって広告をすることも禁止されています(12条2項)。
2も誤りです。宅建業者は、自己の名義をもって他人に宅建業を営む旨の表示をさせ、又は広告をさせることも禁止されています(13条2項)。
3も誤りです。名義貸しをした宅建業者にも、無免許で営業した者と同水準の重い罰則(3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金又はこれらの併科)が定められており、無免許者より軽いという関係にはありません。
4が正しい記述です。名義貸しをした宅建業者は、監督処分(免許取消し等)の対象となるほか、罰則の適用を受けることがあります(13条1項、66条等)。
無免許事業の禁止(12条)と名義貸しの禁止(13条)は、いずれも「営業行為そのもの」だけでなく「表示・広告」も規制対象に含む点が共通しています。免許制度の実効性を守るための最後の砦として、あわせて押さえておきましょう。
まとめとDay2への導線
Day1では、宅建業法20問の土台となる免許制度・欠格要件を20問(うち個数問題3問)で確認しました。免許の有効期間・更新期間の数値、事務所と案内所等で異なる専任宅建士の設置基準、欠格要件ごとに異なる5年の起算点、令和7年4月1日施行の宅建業者名簿の改正点は、いずれも令和8年度試験でも狙われやすい論点だと筆者は考えています。間違えた問題は、根拠条文に戻って理由まで確認しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。
明日のDay2では、宅建士制度・登録・専任の設置を扱う予定です。全体の進捗やDay一覧は、宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問から確認できます。
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