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基本設計宅建士(宅地建物取引士)

宅建 1日20問ドリル Day2|宅建業法・宅地建物取引士の登録と専任設置【令和8年度予想問題】

このドリルは、令和8年度(2026年10月18日実施予定)の宅地建物取引士(宅建士)試験を見据えて、1日20問×30日で全単元を一巡できるように構成した予想問題シリーズの2日目です。シリーズ全体の進め方は宅建 1日20問ドリル|30日で全単元を一巡する予想問題600問にまとめていますので、初めての方はまずそちらをご覧ください。前回のDay1(宅建業法・免許制度)に続き、Day2では宅建業法の中でも宅地建物取引士制度(登録・欠格事由・宅地建物取引士証・専任の宅地建物取引士の設置義務)をテーマに20問を出題します。

なお、本問題は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。作問にあたっては令和8年4月1日現在施行されている法令を基準としていますが、受験にあたっては最新の法令・公式発表を必ずご自身でご確認ください。


出題テーマ(Day2)

  • 宅地建物取引士でなければ行えない事務の範囲
  • 登録の要件・欠格事由(未成年者・破産者・拘禁刑等)
  • 変更の登録・死亡等の届出・登録の移転
  • 宅地建物取引士証の交付・有効期間・提示義務・提出と返納の違い
  • 専任の宅地建物取引士の設置義務(事務所・案内所等)

宅地建物取引士の登録・宅建士証まわりの制度は、期間の起算点や届出義務者が場面ごとに微妙に異なるため、丸暗記に頼ると本試験の個数問題・組み合わせ問題で崩れやすい分野です。今回の20問では、あえて似た制度・似た数値を並べて出題し、混同しやすいポイントを洗い出せるようにしています。


予想問題20問

問1 宅地建物取引士でなければ行えない事務

宅地建物取引士の事務に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地建物取引業に関する契約を締結する行為そのものは、宅地建物取引士でなければ行うことができない事務とされている。
  2. 重要事項説明書(35条書面)の内容を説明する行為は、宅地建物取引士でなければ行うことができない。
  3. 37条書面を作成したときは、宅地建物取引業者は宅地建物取引士に当該書面へ記名させなければならず、押印は不要である。
  4. 重要事項説明の際、宅地建物取引士は説明の相手方から請求がなくても、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

解答・解説

正答:1

1が誤りです。宅地建物取引業に関する契約を締結する行為そのものは、宅地建物取引士以外の従業者でも行うことができます。宅地建物取引士でなければ行えない事務として宅建業法が定めているのは、重要事項の説明(35条)と、35条書面・37条書面への記名(35条5項、37条3項)に限られており、契約締結行為自体は含まれていません。設問はこの範囲を取り違えています。

2は正しい記述です。重要事項説明は宅建業法35条に基づき、宅地建物取引士が行わなければならない事務です。

3も正しい記述です。令和4年5月施行の宅建業法改正により、35条書面・37条書面への宅地建物取引士の記名について押印は不要となり、記名で足りることとされました(37条3項)。

4も正しい記述です。重要事項説明の際は、相手方からの請求の有無にかかわらず、宅地建物取引士証を提示しなければなりません(宅建業法35条4項)。これに対し、取引の関係者から一般的に請求があった場合の提示義務(22条の4)とは場面が異なる点に注意が必要です。

「宅建士でなければできない事務」の範囲を正確に線引きできるかどうかは、宅建業法全体の理解にも直結する基礎です。契約締結・広告・案内等の一般的な営業行為は宅建士以外の従業者でも行えるという整理を、最初にはっきりさせておくとよいでしょう。


問2 登録の要件(実務経験・登録実務講習)

宅地建物取引士の登録の要件に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引士資格試験に合格した者は、実務経験の有無にかかわらず、合格した都道府県知事の登録を受けることができる。
  2. 宅地建物取引業に関する2年以上の実務経験を有しない試験合格者であっても、国土交通大臣の登録を受けた講習(登録実務講習)を修了すれば、登録の要件を満たすことができる。
  3. 実務経験2年以上という要件は、宅地建物取引業者の一般管理部門における事務経験も算入して判断される。
  4. 登録実務講習を修了した者は、修了後10年間に限り登録の要件を満たしたものとして扱われる。

解答・解説

正答:2

1は誤りです。宅建士資格試験に合格しただけでは登録できず、2年以上の実務経験(宅地建物取引業に関する実務であって、一般管理部門の事務は含みません)を有すること、又はこれに代わる登録実務講習の修了等の要件を満たす必要があります(宅建業法18条1項)。

2が正しい記述です。実務経験が2年に満たない試験合格者は、国土交通大臣の登録を受けた講習(登録実務講習)を修了することで、実務経験2年以上を有する者と同等以上の能力を有する者として登録の要件を満たすことができます。

3は誤りです。実務経験としてカウントされるのは宅地建物取引業に関する実務であり、一般管理部門における事務経験は算入されません

4は誤りです。登録実務講習の修了による要件充足に、修了後10年間という有効期間の定めはありません。修了後の年数にかかわらず、登録の要件を満たした状態として扱われます。

登録の要件は、試験合格=即登録ではないという点を押さえるだけでも失点を防げます。実務経験の対象範囲(一般管理部門を除く)もあわせて確認しておきましょう。


問3 登録の欠格事由①(未成年者・破産者)

宅地建物取引士の登録の欠格事由に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 未成年者であっても、宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者は、登録を受けることができる。
  2. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は、登録を受けることができない。
  3. 宅地建物取引士資格試験に合格した未成年者は、法定代理人の許可の有無にかかわらず、営業に関し成年者と同一の行為能力を有するとみなされ、登録を受けることができる。
  4. 未成年者が登録を受けようとする場合、その法定代理人が宅地建物取引業法第18条第1項の欠格事由に該当するときは、登録を受けることができない。

解答・解説

正答:3

3が誤りです。未成年者が宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有するとされるのは、法定代理人から当該営業の許可を得ている場合等、行為能力に関する要件を満たしたときに限られます。法定代理人の許可の有無にかかわらず当然に成年者と同一の行為能力を有するとみなす、とする設問の説明は、この要件を欠落させているため誤りです。

1は正しい記述です。営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、他の欠格事由に該当しない限り登録を受けることができます。

2も正しい記述です。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は、宅建業法18条1項の欠格事由に該当し、登録を受けることができません。

4も正しい記述です。未成年者が登録を受けようとする場合には、本人だけでなく法定代理人が欠格事由に該当していないことも要件となります(18条1項)。法定代理人の欠格性が未成年者本人の登録に連動する点は見落としやすいので注意してください。

未成年者の登録要件は「本人の行為能力」と「法定代理人の欠格性」という2つの要件が組み合わさっている点が出題ポイントです。どちらか一方だけを見て判断しないようにしましょう。


問4 登録の欠格事由②(破産者と復権)

宅地建物取引士の登録の欠格事由に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 破産手続開始の決定を受けた者は、復権を得た後も5年間は登録を受けることができない。
  2. 破産手続開始の決定を受けた者が登録を受けるためには、免責許可の決定を受けることが必要であり、復権の有無は問われない。
  3. 破産者は、破産手続開始の決定を受けた日から5年を経過すれば、復権を得ていなくても登録を受けることができる。
  4. 破産手続開始の決定を受けた者であっても、復権を得た日から直ちに登録を受けることができる。

解答・解説

正答:4

4が正しい記述です。破産手続開始の決定を受けた者が登録の欠格事由に該当するのは復権を得ない間であり、復権を得れば、その日から直ちに(5年等の待機期間を要さず)欠格事由に該当しなくなります。

1は誤りです。復権を得た後にさらに5年間の待機期間が必要という規定はありません。

2は誤りです。破産手続における「免責許可の決定」と「復権」は別の制度です。登録の欠格事由との関係で問題となるのは復権の有無であり、免責許可の決定を受けたことそのものが登録の要件とされているわけではありません。

3は誤りです。破産手続開始の決定を受けた日からの経過年数ではなく、復権を得ているかどうかが判断基準です。復権を得ていない限り、何年経過しても登録を受けることはできません。

破産者に関する欠格事由は「復権を得ない間」という要件を正確に覚えることが最優先です。似た制度である免責許可・経過年数の話とすり替えられても惑わされないようにしましょう。


問5 登録の欠格事由③(拘禁刑・罰金刑)

宅地建物取引士の登録の欠格事由に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 罰金の刑に処せられた者は、その罪の種類を問わず、刑の執行を終わった日から5年を経過しなければ登録を受けることができない。
  2. 拘禁刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は、登録を受けることができない。
  3. 拘禁刑の執行猶予の言渡しを受けた者であっても、猶予期間を満了すれば、その満了の日から直ちに登録の欠格事由に該当しなくなる。
  4. 刑法等の一部改正により、懲役・禁錮の区分は拘禁刑に統合されており、令和8年4月1日現在の登録の欠格事由も拘禁刑を基準に判断される。

解答・解説

正答:1

1が誤りです。罰金の刑による欠格事由が生じるのは、宅建業法違反、暴力団関係の法令違反、刑法の一定の罪(傷害・暴行・脅迫・背任等)といった特定の罪により罰金の刑に処せられた場合に限られます。あらゆる罪種の罰金刑が一律に欠格事由となるわけではなく、設問はこの対象範囲を実際より広く説明しています。

2は正しい記述です。拘禁刑に処せられ、刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は、宅建業法18条1項の欠格事由に該当します。

3も正しい記述です。刑の執行猶予の言渡しを受けた場合、猶予期間が取り消されることなく満了すれば、刑の言渡しの効力そのものが失われるため、満了の日から直ちに欠格事由に該当しなくなります。

4も正しい記述です。刑法等の改正(令和7年6月1日施行)により懲役・禁錮の区分は拘禁刑に統合されており、令和8年度試験の出題基準日(令和8年4月1日現在施行の法令)でも拘禁刑を基準に登録の欠格事由が判断されます。

罰金刑による欠格事由は「対象となる罪が限定されている」という点が最大の落とし穴です。拘禁刑と罰金刑とで欠格事由の広さが異なることを、あわせて整理しておきましょう。


問6 変更の登録

宅地建物取引士の登録事項の変更に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引士は、氏名や住所等、登録を受けた事項に変更があったときは、変更があった日から30日以内に変更の登録を申請しなければならない。
  2. 宅地建物取引士の変更の登録の申請は、遅滞なく行わなければならず、期間を「30日以内」のように日数で区切る規定は置かれていない。
  3. 宅地建物取引士が勤務先を変更した場合、変更の登録の対象となるのは新たに従事する宅地建物取引業者の商号又は名称に限られ、その業者の免許証番号は対象に含まれない。
  4. 変更の登録の申請とあわせて宅地建物取引士証の書換え交付の申請を行う必要はなく、両者は別の手続として扱われている。

解答・解説

正答:2

2が正しい記述です。宅建業法20条は、登録を受けている者は登録事項に変更があったときは「遅滞なく」変更の登録を申請しなければならないと定めており、日数による期限は置かれていません。

1は誤りです。「30日以内」という期限は、宅地建物取引業者名簿の変更の届出(宅建業法9条)に関する規定であり、宅地建物取引士の変更の登録(20条)とは基準が異なります。両者を混同しないよう注意が必要です。

3は誤りです。勤務先の変更に伴う変更の登録の対象には、新たに従事する宅地建物取引業者の商号又は名称だけでなく、その業者の免許証番号も含まれます

4は誤りです。変更の登録の申請にあわせて宅地建物取引士証の記載事項も変わる場合は、宅地建物取引士証の書換え交付をあわせて申請することとされています。

「宅建業者名簿の変更の届出=30日以内」「宅建士の変更の登録=遅滞なく」という基準の違いは、個数問題で正誤を判断する際の典型的な混同ポイントです。主語(宅建業者か宅建士か)を必ず確認する習慣をつけましょう。


問7 死亡等の届出

宅地建物取引士の死亡等の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地建物取引士が死亡した場合、その相続人は、死亡の事実を知った日から30日以内に、登録をした都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
  2. 宅地建物取引士が心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として一定の状態に該当するに至ったときは、本人又はその法定代理人若しくは同居の親族が、その日から30日以内に届け出なければならない。
  3. 宅地建物取引士が事務の禁止の処分を受けた場合、これは死亡等の届出の対象であり、本人が処分を受けた日から30日以内に登録をした都道府県知事へ届け出なければならない。
  4. 宅地建物取引士について後見開始の審判があったときは、その成年後見人が、審判があったことを知った日から30日以内に届け出なければならない。

解答・解説

正答:3

3が誤りです。宅地建物取引士が事務の禁止の処分を受けたこと自体は、死亡等の届出(宅建業法21条)の対象事由ではありません。事務の禁止の処分を受けた場合に生じるのは、宅地建物取引士証を交付を受けた都道府県知事へ速やかに提出する義務(22条の2第7項)であり、これは死亡等の届出とは別の制度です。設問はこの2つの制度を取り違えています。

1は正しい記述です。宅地建物取引士が死亡した場合、相続人が死亡の事実を知った日から30日以内に届け出る必要があります(21条1号)。

2も正しい記述です。心身の故障により宅建士の事務を適正に行うことができない者として一定の状態に該当するに至った場合も死亡等の届出の対象事由で、本人・法定代理人・同居の親族のいずれかが30日以内に届け出ます。

4も正しい記述です。後見開始の審判は登録の欠格事由(18条1項)に該当する事由の一つであり、死亡等の届出の対象です。届出義務者は成年後見人で、期間は審判があったことを知った日から30日以内です。

死亡等の届出(21条)と、事務の禁止処分時の宅建士証提出(22条の2第7項)は、どちらも宅建士の身分に関わる届出・提出義務ですが、制度そのものが別物です。「30日以内」なのか「速やかに」なのかという期間の違いとあわせて区別してください。


問8 登録の移転(個数問題)

宅地建物取引士の登録の移転に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 登録の移転は、宅地建物取引士が現に登録を受けている都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときに申請することができる。

イ 登録の移転の申請は義務であり、勤務先の事務所の所在する都道府県が変わった場合には、遅滞なく申請しなければならない。

ウ 宅地建物取引士が事務の禁止の処分を受け、その期間が満了していない場合、登録の移転の申請をすることはできない。

エ 登録の移転の申請とあわせて宅地建物取引士証の交付を申請したときは、新たに交付される宅地建物取引士証の有効期間は、移転前の宅地建物取引士証の残存有効期間にかかわらず、申請の日から5年となる。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:2(アとウの2つ)

アは正しい記述です。登録の移転は、現に登録を受けている都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとする場合に申請できる制度です(宅建業法19条の2)。

イは誤りです。登録の移転は任意の制度であり、勤務先の都道府県が変わったからといって申請が義務付けられているわけではありません。

ウは正しい記述です。事務の禁止の処分を受け、その期間が満了していない間は、登録の移転の申請をすることができません(19条の2ただし書)。

エは誤りです。登録の移転とあわせて交付される宅地建物取引士証の有効期間は、申請の日から新たに5年になるのではなく、移転前の宅地建物取引士証の残存有効期間を引き継ぎます

登録の移転は「任意」であること、事務禁止期間中は申請できないこと、移転後の宅建士証は有効期間がリセットされず引き継がれることの3点をセットで覚えておくと、個数問題形式でも崩れにくくなります。


問9 宅地建物取引士証の交付・有効期間

宅地建物取引士証に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引士証の有効期間は3年であり、更新のためには法定講習を受講しなければならない。
  2. 宅地建物取引士証の有効期間は5年であるが、更新の際の法定講習は登録を受けた都道府県知事が指定する単一の日に限られ、受講日を選択する余地はない。
  3. 宅地建物取引士証の有効期間が満了した場合、当該宅地建物取引士の登録そのものも同時に効力を失う。
  4. 宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年以内に登録を受け、宅地建物取引士証の交付を申請する者は、法定講習の受講を要しない。

解答・解説

正答:4

4が正しい記述です。宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年以内に登録を受け、宅地建物取引士証の交付を申請する者は、法定講習の受講が免除されます(宅建業法22条の2第2項ただし書)。

1は誤りです。宅地建物取引士証の有効期間は5年です。

2は誤りです。法定講習は、有効期間満了前6か月以内に指定される複数の講習日程の中から受講者が都合の良い日を選んで受講する仕組みであり、受講日を選ぶ余地がないわけではありません。

3は誤りです。宅地建物取引士証の有効期間が満了しても、登録そのものは登録の消除事由に該当しない限り効力を失いません。宅建士証の失効は、単に宅建士としての事務(重要事項説明等)が行えなくなることを意味し、登録の消除とは別の話です。

宅建士証の「有効期間の満了」と登録の「消除」は、しばしば同一視されがちですが、法律上はまったく別の制度です。宅建士証が失効しても登録自体は残るため、更新すれば再び宅建士証の交付を受けられます。


問10 法定講習

宅地建物取引士証の交付に関する法定講習について、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地建物取引士資格試験に合格した日から1年を経過している者が宅地建物取引士証の交付を受けようとする場合であっても、実務経験が通算5年以上あれば法定講習の受講を要しない。
  2. 宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、原則として交付申請前6か月以内に行われる法定講習を受講しなければならない。
  3. 登録の移転とあわせて宅地建物取引士証の交付を申請する場合、移転前の宅地建物取引士証の有効期間内であれば、法定講習の受講を要しない。
  4. 法定講習は、宅地建物取引士としての業務に必要な法令改正等の最新知識の習得を目的として、登録をした都道府県知事等が指定する機関により実施される。

解答・解説

正答:1

1が誤りです。法定講習の受講が免除されるのは、試験合格後1年以内に登録・交付申請をする場合に限られます。実務経験の年数がどれだけ長くても、合格後1年を経過していれば法定講習の受講は必要です。設問は免除要件を実務経験の長さにすり替えています。

2は正しい記述です。宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、原則として交付申請前6か月以内に行われる法定講習を受講する必要があります(22条の2第2項)。

3も正しい記述です。登録の移転とあわせて宅地建物取引士証の交付を申請する場合で、移転前の宅地建物取引士証がなお有効期間内であるときは、法定講習の受講を要しません。

4も正しい記述です。法定講習は、法令改正等の最新知識の習得を目的として、登録をした都道府県知事等が指定する機関により実施されます。

法定講習の免除要件は「合格後1年以内」という期間で判断されるものであり、実務経験の長さなど他の要素は関係しません。数値をすり替えた選択肢に引っかからないよう注意しましょう。


問11 宅地建物取引士証の提示義務

宅地建物取引士証の提示義務に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があった場合に宅地建物取引士証を提示すれば足り、重要事項説明の際も相手方から請求がなければ提示する必要はない。
  2. 宅地建物取引士証の提示義務違反について、重要事項説明の際に提示しなかった場合には10万円以下の過料が科されるのに対し、単に取引の関係者から請求を受けて提示しなかった場合には罰則の規定がない。
  3. 宅地建物取引士証は、重要事項説明の相手方が宅地建物取引業者である場合には提示を省略することができる。
  4. 宅地建物取引士証の住所欄にシールを貼って提示する取扱いは、個人情報保護の観点から認められておらず、住所を明示した状態でなければ提示したことにはならない。

解答・解説

正答:2

2が正しい記述です。重要事項説明の際に宅地建物取引士証を提示しなかった場合は10万円以下の過料の対象となりますが(宅建業法86条等)、単に取引の関係者からの請求に応じずに提示しなかった場合(22条の4)には、罰則の規定はありません。

1は誤りです。重要事項説明を行う際は、相手方からの請求の有無にかかわらず、宅地建物取引士証を提示しなければなりません(35条4項)。取引の関係者から一般的に請求があった場合の提示義務(22条の4)とは要件が異なります。

3は誤りです。重要事項説明の相手方の属性(宅地建物取引業者かどうか)によって宅地建物取引士証の提示義務が省略される規定はありません。

4は誤りです。個人情報保護の観点から、住所欄に容易に剥がすことができるシールを貼った状態で提示することは差し支えないとされています。

「相手方からの請求が必要かどうか」は、重要事項説明時の提示義務(35条4項)と、それ以外の一般的な提示義務(22条の4)とで結論が異なる典型論点です。過料の有無という細部もあわせて狙われやすいポイントです。


問12 宅地建物取引士証の「提出」と「返納」

宅地建物取引士証の提出・返納に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地建物取引士が事務の禁止の処分を受けたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。
  2. 事務の禁止の処分を受けたことにより宅地建物取引士証を提出した者は、その処分の期間が満了しても、都道府県知事に返還を請求しない限り、当該宅地建物取引士証の返還を受けることができない。
  3. 事務の禁止の処分を受けた場合の宅地建物取引士証の「提出」と、登録消除等の場合の「返納」は同じ性質の義務であり、いずれの場合も宅地建物取引士証は本人の手元に戻ることはない。
  4. 宅地建物取引士の登録が消除されたとき、又は宅地建物取引士証が効力を失ったときは、速やかに、宅地建物取引士証を返納しなければならない。

解答・解説

正答:3

3が誤りです。「提出」(事務の禁止処分の場合)は宅地建物取引士証を一時的に預ける性質の義務であり、処分期間が満了して返還を請求すれば手元に戻ってきます。これに対して「返納」(登録消除・宅建士証の失効の場合)は、宅建士としての地位や宅建士証の効力そのものが失われた場合の義務であり、返納した宅建士証が本人に戻ってくることはありません。設問はこの2つの性質の違いを同一視しているため誤りです。

1は正しい記述です。事務の禁止の処分を受けたときは、速やかに宅地建物取引士証を交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません(22条の2第7項)。

2も正しい記述です。提出した宅地建物取引士証は、処分期間が満了しただけでは自動的に返還されず、都道府県知事に返還を請求することで返還を受けられます。

4も正しい記述です。登録が消除されたとき、又は宅地建物取引士証が効力を失ったときは、速やかに宅地建物取引士証を返納しなければなりません(22条の2第6項)。

「提出」と「返納」はどちらも宅建士証を手放す行為である点は共通していますが、手元に戻ってくる可能性があるかどうかという性質の違いを区別できるかが、この分野の得点力を左右します。


問13 専任の宅地建物取引士の設置義務①

専任の宅地建物取引士の設置義務に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、事務所ごとに、その事務所の業務に従事する者の数の5分の1以上の割合で、成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
  2. 専任の宅地建物取引士は、その事務所に常時勤務し、専ら宅地建物取引業の業務に従事できる状態にあることが必要とされ、他の法人の常勤役員を兼ねている場合は、原則として専任性が認められない。
  3. 事務所の専任の宅地建物取引士の数が法定の割合を欠くに至ったときは、宅地建物取引業者は2週間以内に必要な措置を執らなければならない。
  4. 事務所の業務に従事する者の数が11人である場合、5分の1の割合を満たすために必要な専任の宅地建物取引士の人数は2人である。

解答・解説

正答:4

4が誤りです。業務に従事する者の数が11人の場合、5分の1は「11÷5=2.2」であり、この端数は切り上げて計算するため、必要な専任の宅地建物取引士の人数は3人です。設問は端数処理を誤って計算しています。

1は正しい記述です。宅建業法31条の3第1項は、事務所ごとに、業務に従事する者の数の5分の1以上の割合で成年者である専任の宅地建物取引士を置くことを義務付けています。

2も正しい記述です。専任性は、その事務所に常時勤務し専ら宅地建物取引業の業務に従事できる状態にあることを前提とするため、他の法人の常勤役員を兼務している場合は、原則として専任性が認められません。

3も正しい記述です。専任の宅地建物取引士の設置数が法定の割合を欠くに至ったときは、宅地建物取引業者は2週間以内に必要な措置を執らなければなりません(31条の3第3項)。

「5分の1」の計算は、端数が生じたときに切り上げる点まで含めて出題されるのが定番です。従事者数の具体的な数字が示されたら、実際に割り算をして確かめる習慣をつけましょう。


問14 専任の宅地建物取引士の設置義務②(不足時の措置・案内所の届出)

専任の宅地建物取引士の設置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 事務所の専任の宅地建物取引士が不足した場合に必要な措置を執るまでの期間と、案内所を設置する際の届出期限は、いずれも「業務を開始する日の10日前まで」という同一の基準で定められている。
  2. 宅地建物取引業者は、事務所の専任の宅地建物取引士について法定の設置数を欠くに至ったときは、2週間以内に、その専任の宅地建物取引士の数が法定の要件を満たすよう、必要な措置を執らなければならない。
  3. 事務所以外の場所で契約の締結又は契約の申込みを受ける案内所には、成年者である専任の宅地建物取引士を1名以上置かなければならない。
  4. 案内所等における業務を開始しようとするときは、業務を開始する日の10日前までに、その所在地を管轄する都道府県知事等に一定事項を届け出なければならない。

解答・解説

正答:1

1が誤りです。専任の宅地建物取引士が不足した場合に必要な措置を執るまでの期間は「不足を知った時点から2週間以内」(31条の3第3項)であるのに対し、案内所を設置する際の届出期限は「業務を開始する日の10日前まで」(50条2項)であり、両者の基準は異なります。設問はこの2つの制度の期間の起算点を同一のものとして説明しているため誤りです。

2は正しい記述です。事務所の専任の宅地建物取引士について法定の設置数を欠くに至ったときは、2週間以内に必要な措置を執らなければなりません。

3も正しい記述です。事務所以外の場所で契約の締結又は契約の申込みを受ける案内所等には、成年者である専任の宅地建物取引士を1名以上置く必要があります(31条の3第1項)。

4も正しい記述です。案内所等における業務開始の届出は、業務を開始する日の10日前までに行わなければなりません(50条2項)。

「専任の宅建士が不足したときの補充期間=2週間以内」と「案内所の届出期限=業務開始10日前まで」は、数字も基準となる時点も異なる別々の制度です。似た場面設定の問題文で数値をすり替えられても対応できるように、それぞれの起算点を意識して覚えておきましょう。


問15 専任の宅地建物取引士の設置義務③(個数問題)

宅地建物取引業者の事務所等における専任の宅地建物取引士の設置に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか

ア 本店(主たる事務所)が自ら宅地建物取引業を営んでいない場合であっても、他の支店で宅地建物取引業を営んでいるときは、本店も専任の宅地建物取引士の設置義務がある事務所に含まれる。

イ 一団の宅地建物の分譲のために設置した案内所において、売主である宅地建物取引業者とその代理を行う宅地建物取引業者がともに業務を行う場合、いずれか一方の業者が専任の宅地建物取引士を1名以上置けば足り、双方が置く必要はない。

ウ 専任の宅地建物取引士が退職等により欠けた場合、宅地建物取引業者は、後任の専任の宅地建物取引士を新たに設置するまでの間、当該事務所における宅地建物取引業に関する業務を継続することができない。

エ 専任の宅地建物取引士の設置数が法定の割合を欠くに至ったにもかかわらず必要な措置を執らなかった場合、宅地建物取引業者は監督処分の対象となり得る。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:3(ア・イ・エの3つ)

アは正しい記述です。本店は、それ自体が宅地建物取引業を営んでいなくても、他の事務所(支店等)の業務を統括する立場にあるため、専任の宅地建物取引士の設置義務がある事務所に含まれると解されています。

イも正しい記述です。同一の案内所で複数の宅地建物取引業者が業務を行う場合、いずれか一方の業者が専任の宅地建物取引士を1名以上置いていれば、他方の業者が重ねて置く必要はありません。

ウは誤りです。専任の宅地建物取引士が欠けた場合に宅建業法が求めているのは2週間以内に必要な措置を執ることであり、後任が見つかるまで事務所の業務そのものを継続できなくするという規定はありません。

エも正しい記述です。専任の宅地建物取引士の設置数が法定の割合を欠いたまま必要な措置を執らなかった場合、指示処分や業務停止処分等の監督処分の対象となり得ます。

専任の宅地建物取引士に関する論点は、事務所単位で考えるか、案内所単位で考えるかによって結論が変わる点が個数問題向きです。ア・イのような「誰の事務所に義務があるか」という切り口も、あわせて押さえておきましょう。


問16 案内所等の設置・届出

宅地建物取引業者が設置する案内所等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 一団の宅地建物の分譲を行うためにその案内所を設置し、そこで契約の締結又は契約の申込みの受付を行う場合、当該案内所には成年者である専任の宅地建物取引士を1名以上置かなければならない。
  2. 案内所における専任の宅地建物取引士の設置義務は、契約の締結又は契約の申込みの受付を行う場所であるかどうかにかかわらず、宅地建物の展示や広告を行うにとどまる案内所であっても同様に生じる。
  3. 案内所における業務開始の届出は、業務を開始する日の10日前までに、免許権者及び当該案内所の所在地を管轄する都道府県知事等に対して行わなければならない。
  4. 同一の案内所において、売主である宅地建物取引業者とその代理を行う宅地建物取引業者がともに業務を行う場合、いずれか一方の業者が専任の宅地建物取引士を1名以上置けば、他方の業者は重ねて置く必要はない。

解答・解説

正答:2

2が誤りです。専任の宅地建物取引士の設置義務が生じるのは、契約の締結又は契約の申込みの受付を行う場所に限られます。宅地建物の展示や広告を行うにとどまり、契約の締結・申込みの受付を行わない案内所には、専任の宅地建物取引士の設置義務は生じません。

1は正しい記述です。契約の締結又は契約の申込みの受付を行う案内所には、成年者である専任の宅地建物取引士を1名以上置く必要があります。

3も正しい記述です。案内所等の届出は、業務を開始する日の10日前までに、免許権者及び当該案内所の所在地を管轄する都道府県知事等の双方に対して行う必要があります。

4も正しい記述です。同一の案内所で複数の宅地建物取引業者が業務を行う場合、いずれか一方が専任の宅地建物取引士を置けば足り、双方が置く必要はありません。

案内所における専任の宅地建物取引士の設置義務は「契約の締結・申込みの受付を行うかどうか」で有無が分かれます。単なる展示会場やモデルルームのように、契約行為を伴わない場所と混同しないようにしましょう。


問17 宅地建物取引士証と従業者証明書

宅地建物取引士証と従業者証明書に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者の従業者は、取引の関係者の請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならず、この義務は宅地建物取引士であるかどうかにかかわらず、宅地建物取引業者に雇用される従業者に広く及ぶ。
  2. 従業者証明書には、宅地建物取引業者の商号又は名称、当該従業者の氏名のほか、当該従業者が宅地建物取引士であるかどうかの別を記載することとされている。
  3. 宅地建物取引士証と従業者証明書は同一の書面であり、宅地建物取引士証の提示によって従業者証明書の提示義務も果たしたことになる。
  4. 宅地建物取引業者は、法人である場合、その役員(非常勤の役員を含む。)についても従業者証明書を携帯させなければならない。

解答・解説

正答:3

3が誤りです。宅地建物取引士証(宅建業法22条の2)と従業者証明書(48条)は別個の制度であり、宅地建物取引士証の提示によって従業者証明書の提示義務が果たされたことにはなりません。従業者証明書は宅建士かどうかにかかわらず宅建業者の従業者全般に携帯させる証明書であり、両者は目的も対象も異なります。

1は正しい記述です。従業者証明書の携帯・提示義務は、宅地建物取引士であるかどうかにかかわらず、宅地建物取引業者に雇用される従業者に及びます。

2も正しい記述です。従業者証明書には、業者の商号又は名称、従業者の氏名のほか、宅地建物取引士であるかどうかの別を記載することとされています。

4も正しい記述です。従業者証明書を携帯させる対象には、非常勤の役員も含まれるとされています。

宅地建物取引士証と従業者証明書は、名称が似ているために同じ書面と誤解されがちですが、根拠条文も対象者も異なる別の制度です。宅建士証を提示すれば従業者証明書の提示義務まで果たしたことになる、という誤解には注意してください。


問18 監督処分と登録の消除

宅地建物取引士に対する監督処分等に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 都道府県知事は、宅地建物取引士がその事務に関し不正な行為をしたときは、当該宅地建物取引士の登録を消除しなければならず、これに代えて事務の禁止処分にとどめることはできない。
  2. 事務の禁止の処分は、宅地建物取引士が現に登録を受けている都道府県知事に限られ、宅地建物取引士が事務を行った場所を管轄する他の都道府県知事が行うことはできない。
  3. 宅地建物取引士に対する指示処分、事務の禁止処分、登録の消除処分のうち、公告が義務付けられているのは登録の消除処分に限られ、事務の禁止処分については公告の対象とされていない。
  4. 宅地建物取引士の登録が消除された場合、その者が改めて登録を受けるための欠格期間は、消除の事由により異なり、不正の手段により登録を受けたことを理由に消除された場合は、消除の日から5年間登録を受けることができない。

解答・解説

正答:4

4が正しい記述です。登録が消除された場合の再登録の欠格期間は、消除の事由によって異なり、不正の手段により登録を受けたことを理由に消除された場合は、消除の日から5年間登録を受けることができません(宅建業法18条1項各号)。

1は誤りです。都道府県知事は、事案の軽重に応じて、指示処分・事務の禁止処分・登録の消除処分の中から処分を選択することができ、不正な行為があれば必ず登録の消除を行わなければならないわけではありません。

2は誤りです。事務の禁止の処分等の監督処分は、宅地建物取引士が現に登録を受けている都道府県知事だけでなく、宅地建物取引士が事務を行った場所を管轄する都道府県知事も、その業務範囲内で行うことができます。

3は誤りです。指示処分・事務の禁止処分・登録の消除処分は、いずれも公告の対象とされており、公告が義務付けられているのは登録の消除処分に限られません。

監督処分の種類(指示・事務禁止・登録消除)は、どの都道府県知事が行えるか、公告の対象になるかといった手続面の違いも問われやすい部分です。処分の重さと手続の重さは連動して整理しておくと理解しやすくなります。


問19 宅地建物取引士証の総合確認(個数問題)

宅地建物取引士証に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか

ア 宅地建物取引士証の有効期間は5年であり、更新を受けようとする者は、原則として交付申請前6か月以内に行われる法定講習を受講しなければならない。

イ 宅地建物取引士が事務の禁止の処分を受けた場合、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。

ウ 宅地建物取引士証の再交付を受けた後に、亡失していた旧宅地建物取引士証を発見したときは、発見した宅地建物取引士証を速やかに提出しなければならない。

エ 宅地建物取引士は、宅地建物取引士証の有効期間が満了する前であれば、更新の申請をしなくても、そのまま有効期間を延長して使用することができる。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

解答・解説

正答:1(エの1つ)

エが誤りです。宅地建物取引士証の有効期間は、更新の申請と法定講習の受講という所定の手続を経なければ延長されません。手続をしないまま有効期間だけを延長して使用することはできません

アは正しい記述です。宅地建物取引士証の有効期間は5年であり、更新を受けようとする者は原則として交付申請前6か月以内に行われる法定講習を受講する必要があります。

イも正しい記述です。事務の禁止の処分を受けた場合は、速やかに宅地建物取引士証を交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません。

ウも正しい記述です。再交付を受けた後に亡失していた旧宅地建物取引士証を発見したときは、発見した宅地建物取引士証を速やかに提出する必要があります。

宅建士証にまつわる手続(交付・更新・提示・提出・返納・再交付後の発見時の提出)は数が多く似ているため、個数問題では「どの場面で」「誰が」「いつまでに」を一つずつ丁寧に照合することが得点への近道です。


問20 宅地建物取引士制度の総合確認

宅地建物取引士制度に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引士証の有効期間中に登録が消除された場合、当該宅地建物取引士証は失効し、速やかに返納しなければならない。
  2. 宅地建物取引士資格試験に合格した者は、登録の欠格事由に該当しない限り、登録を受けた都道府県の区域内に限り宅地建物取引士としての事務を行うことができ、他の都道府県においては宅地建物取引士としての事務を行うことができない。
  3. 専任の宅地建物取引士は、事務所の業務に従事する者の数の5分の1以上を置けば足り、成年者であることは要件とされていない。
  4. 宅地建物取引士は、重要事項説明を行う際に宅地建物取引士証の提示を怠った場合であっても、説明の相手方から特に異議がなければ、義務違反とはならない。

解答・解説

正答:1

1が正しい記述です。宅地建物取引士証の有効期間中に登録が消除された場合、当該宅地建物取引士証は効力を失い、速やかに返納しなければなりません(22条の2第6項)。

2は誤りです。登録の都道府県と、宅建士として事務を行うことができる地域は別の話です。宅地建物取引士は、登録をした都道府県の区域に限らず、全国どこの宅地建物取引業者の事務所においても宅建士としての事務を行うことができます。登録の都道府県は、あくまで登録・監督上の窓口を定めるものにすぎません。

3は誤りです。専任の宅地建物取引士の設置数の割合(5分の1以上)だけでなく、成年者であることも要件とされています。

4は誤りです。重要事項説明の際の宅地建物取引士証の提示義務は、相手方の異議の有無にかかわらず履行しなければならない義務であり、提示を怠れば相手方が特に異議を述べなくても義務違反となり得ます。

Day2で扱った登録・宅建士証・専任設置の各制度は、いずれも「誰が」「いつまでに」「どこへ」という要素の組み合わせで成り立っています。似た制度を並べて比較しながら、それぞれの要素だけを入れ替えて覚え直すと、本試験の個数問題・組み合わせ問題にも対応しやすくなります。


まとめ

Day2では、宅地建物取引士の登録・欠格事由・宅地建物取引士証・専任の宅地建物取引士の設置義務という、宅建業法の中でも「制度が細分化されていて紛らわしい」単元を集中的に取り上げました。特に、

  • 宅建業者名簿の変更届出(30日以内)と宅建士の変更の登録(遅滞なく)
  • 死亡等の届出(21条・30日以内)と事務禁止処分時の宅建士証提出(22条の2第7項・速やかに)
  • 宅建士証の「提出」(事務禁止処分・戻ってくる)と「返納」(登録消除等・戻ってこない)
  • 専任の宅建士が不足したときの補充期間(2週間以内)と案内所の届出期限(業務開始10日前まで)

という4つの「似ているが別物」の対比は、本試験でも狙われやすいポイントです。断定的な言い回しの有無で正誤を判断するのではなく、期間・起算点・届出(義務)の主体を一つずつ照合する習慣を、この段階から身につけておくことをおすすめします。


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