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基本設計電気通信資格(電通主任・工事担任者)

工事担任者と電気通信主任技術者、どちらから受けるべきか|受験順序の戦略

電気通信主任技術者と工事担任者は、どちらも電気通信国家試験センターが実施する代表的な通信系資格ですが、両方を目指す場合に「どちらを先に受けるか」は学習量や合格までの期間に直結する判断になります。筆者は電気通信主任技術者(伝送交換主任技術者・線路主任技術者の両方)を先に取得し、その後で工事担任者(当時の資格区分で、現行の総合通信に相当する区分)を受験した経験があります。免除制度をうまく使えたことで学習負担がかなり軽くなった実感があるので、その体験も交えながら受験順序の考え方を整理します。

この記事で扱うのは、一般的に王道とされる「工事担任者から電気通信主任技術者へ」というルートと、その逆にあたる「電気通信主任技術者から工事担任者へ」というルート、それぞれで実際にどの科目が免除されるのか、学習範囲はどこまで重なるのか、そして就職・実務・キャリアアップという目的別にどちらを優先すべきかという判断軸です。両資格の基本的な違いや制度の全体像そのものは「電気通信主任技術者・工事担任者 学習ガイド」で整理しているので、まだ読んでいない場合は先にそちらに目を通しておくと、この記事の内容がつながりやすいと思います。

想定している読者は、これから両方の資格を取ろうとしている人、すでにどちらか一方を持っていて次に何を受けるか迷っている人、就職・転職の場面で通信系資格をアピールしたい人などです。免除条件は年度によって見直されることがあるため、この記事の数値・科目名は執筆時点(2026年)で日本データ通信協会の公式情報をもとに確認したものですが、実際に出願する際は必ず最新の免除科目一覧表で確認してください。


早見まとめ:どちらから受けるべきか

ルート 免除される科目(代表例) 向いている人
王道:工事担任者(総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信のいずれか)→電気通信主任技術者 電気通信主任技術者の「電気通信システム」1科目が免除(3科目→2科目) これから通信分野に入る人/段階的に実務経験を積みながらキャリアアップしたい人
逆ルート:電気通信主任技術者→工事担任者(総合通信) 総合通信の「電気通信技術の基礎」「端末設備の接続のための技術及び理論」の2科目が免除(実質「法規」のみ受験) ※筆者はこちら 電気通信主任技術者を先に取得済みで、工事系の資格も押さえておきたい人

免除コードや条件は資格区分・年度によって細かく分かれています。この表はあくまで代表的な組み合わせの整理で、実際の出願前には日本データ通信協会 電気通信国家試験センターの免除科目一覧表を必ず確認してください。


王道ルート|工事担任者から電気通信主任技術者へ

一般的には、工事担任者を先に取得してから電気通信主任技術者に進む順番が王道とされています。理由はいくつかあります。

まず、工事担任者の方が受験のハードルが相対的に低いことです。総合通信でも試験科目は3科目、第二級アナログ通信・第二級デジタル通信であればCBT方式で通年受験でき、電気通信主任技術者に比べて挑戦しやすい入り口になります。通信業界にこれから入る学生や若手社会人が、まず工事担任者を取得して実務の足がかりにするというキャリアの積み上げ方は自然な流れだと筆者は考えています。

次に、工事担任者の総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信のいずれかを保有していると、電気通信主任技術者試験の「電気通信システム」科目が免除され、3科目ではなく2科目での受験になる点です。免除される科目は1つですが、電気通信主任技術者は科目自体の専門性が高いため、1科目でも免除されると学習計画にゆとりが生まれます。

さらに、工事担任者で学ぶ電気通信技術の基礎や関係法令の骨格は、そのまま電気通信主任技術者の土台になります。ゼロから電気通信主任技術者に挑むより、工事担任者で基礎を固めてから専門性の高い科目に進む方が、学習の積み上げとして無理がないというのが実感です。


逆ルート|電気通信主任技術者から工事担任者へ(筆者の体験)

筆者自身は、先に電気通信主任技術者(伝送交換主任技術者・線路主任技術者の両方)を取得した状態で、その後工事担任者を受験しました。当時は現在の総合通信に相当する区分(令和3年の資格区分改正前の名称)での受験でしたが、電気通信主任技術者を保有していると、総合通信の試験では「電気通信技術の基礎」と「端末設備の接続のための技術及び理論」の2科目が免除される仕組みがあります。これは日本データ通信協会の免除科目一覧表(2026年時点の最新版)でも確認できる制度で、電気通信主任技術者資格者証を持っていることを申請すれば、実質的に「端末設備の接続に関する法規」1科目に集中して対策すればよい状態になります。

学習は、実戦問題形式の問題集を解き、わからない箇所は解説を読み込み、それでも理解できない部分は条文やネットの解説で補うというやり方をとりました。問題集は年度が変わると出題傾向や過去の誤植の修正が反映されることがあるので、最新版を使うことを心がけていました。分厚い解説中心のテキストよりも、過去問演習中心の問題集で実際の出題形式に慣れる方が効率が良かったというのが筆者の実感で、これは電気通信主任技術者の学習でも共通していたポイントです。間違えた問題や理解が甘い項目をノートにまとめておくと、直前期の見直しがしやすくなります。

このルートのメリットは、電気通信主任技術者を先に取っている分、免除される科目数が多く(2科目)学習負担がかなり小さくなることです。デメリットは、電気通信主任技術者自体の受験ハードルが工事担任者よりも高いため、通信分野の実務経験や基礎知識がまだ浅い段階でいきなり電気通信主任技術者から挑むのは難易度的に厳しいという点です。実務未経験からいきなりこの逆ルートを選ぶ人は多くなく、すでに通信系の実務や電気系の資格を持っている人が、工事系の資格も押さえておきたいという動機で選ぶケースが中心だという印象を筆者は持っています。


学習範囲はどれくらい重なるか

工事担任者と電気通信主任技術者は、扱う知識領域が部分的に重なります。ただし出題の深さ・専門性には大きな差があるため、免除されない科目については別途しっかりとした対策が必要です。

学習領域 工事担任者(総合通信)での扱い 電気通信主任技術者での扱い
電気通信技術の基礎 3科目のうちの1つとして基礎レベルを問われる 「電気通信システム」科目としてより体系的・専門的に問われる
関係法令 「端末設備の接続に関する法規」として実務寄りの範囲 電気通信事業法など、事業者側の視点も含む幅広い法規
専門的な設備知識 試験範囲としては扱わない 「伝送交換設備及び設備管理」「線路設備及び設備管理」で専門知識を問われる(令和3年度第1回試験より前は「専門的能力」という独立科目もあったが、現在は設備及び設備管理に統合)

こうして並べると分かるとおり、工事担任者の学習だけで電気通信主任技術者に対応できるわけではありません。共通しているのはあくまで基礎知識と法規の骨格の部分で、設備及び設備管理といった科目は工事担任者では扱わない領域です。免除を使って科目数を減らせても、残った科目の対策量が大きく減るわけではない点は認識しておいた方がよいと思います。


目的別に選ぶ|就職・実務・キャリアアップ

  • これから通信業界に入りたい人:工事担任者(総合通信)を先に取るのが現実的です。取得のハードルが比較的低く、就職・転職の選考でも資格の意味が伝わりやすいというメリットがあります。
  • すでに通信系の実務についていて、設備の維持・運用を任される立場を目指す人:工事担任者取得後、実務経験を積みながら電気通信主任技術者を目指す王道ルートが向いています。免除を使えば2科目での受験になり、実務と並行して対策しやすくなります。
  • 建築設備の仕事から通信分野に幅を広げたい人(弱電・情報通信設備の設計や施工管理などに携わる人):まずは工事担任者で端末設備の接続に関する基礎を押さえ、将来的に電気通信主任技術者まで視野に入れるのが現実的な進め方だと筆者は考えています。弱電設備全体の学習の進め方は「弱電・情報通信設備の学習ガイド」も参考にしてください。
  • すでに電気通信主任技術者を保有していて、工事の実務資格も押さえておきたい人:逆ルートで総合通信を受験するのが効率的です。免除を使えば実質的に「法規」1科目に集中して対策できます。

どちらのルートを選ぶにしても、最終的に両方の資格を持つこと自体には意味があります。電気通信主任技術者は通信事業者側の設備を監督する資格、工事担任者は端末設備を接続する工事を行うための資格で、対象とする立場が異なるためです。建築設備士として建物全体を見る立場に加えて、通信インフラ側の資格を両方押さえておくと、弱電・情報通信設備の打ち合わせで発注者側・通信事業者側どちらの視点も踏まえた提案がしやすくなると筆者は感じています。どちらを先に取るかで迷っている段階でも、最終的には両方を視野に入れておくくらいの気持ちで計画を立てるとよいと思います。


受験のタイミングから見た順序戦略

どちらのルートを選ぶかは、試験の実施頻度も踏まえて考えると計画が立てやすくなります。電気通信主任技術者は会場での定期試験が年2回程度(7月ごろ・1月ごろ)、工事担任者の総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信も年2回程度(5月ごろ・11月ごろ)の定期試験です。一方で工事担任者の第二級アナログ通信・第二級デジタル通信はCBT方式で通年受験できるため、まず第二級で通信系試験の雰囲気に慣れてから総合通信、さらに電気通信主任技術者へ、という段階的なスケジュールを組むことも可能です。

王道ルートを取る場合、工事担任者に合格してから電気通信主任技術者を受験するまでの間隔が空きすぎると、免除申請に必要な資格者証の情報や、学習した基礎知識の記憶が薄れてしまうことがあります。合格した年度のうちか、遅くとも翌年度の試験で電気通信主任技術者に挑戦する計画を立てておくと、工事担任者の学習で身につけた基礎知識を活かしやすいというのが筆者の感覚です。

逆ルートの場合は、電気通信主任技術者の合格発表から工事担任者の次回定期試験の申込み期間までがタイトになることがあります。定期試験は年2回しかないため、申込み期間を逃すと半年待つことになります。合格発表の時期と次の工事担任者試験の申込み期間を早めに確認し、免除申請に必要な資格者証の交付を待つ間に「法規」科目の対策を先に進めておくと、スケジュールのロスを減らせます。


よくある誤解・注意点

  • 免除科目は固定ではなく年度・規則改正で見直されることがある:本記事の免除科目・科目数は執筆時点で確認した内容ですが、出願する年度によって条件が変わっている可能性があります。出願前は必ず日本データ通信協会の最新の免除科目一覧表を確認してください。
  • 「資格を持っていれば実務経験の免除も自動でついてくる」わけではない:免除には資格の保有だけでなく、資格取得後の実務経験年数など別の要件が組み合わさるケースがあります。免除コードごとに条件が細かく分かれているため、自分がどの条件に該当するかは申請前に個別に確認する必要があります。
  • 免除があっても勉強量がゼロになるわけではない:どちらのルートを選んでも、免除されない科目については通常どおりの対策が必要です。免除はあくまで「科目数を減らせる」という意味で、残った科目の専門性が下がるわけではありません。

まとめ

  • 王道ルートは工事担任者(総合通信・第一級アナログ通信・第一級デジタル通信のいずれか)→電気通信主任技術者で、電気通信主任技術者の「電気通信システム」1科目が免除される
  • 逆ルートは電気通信主任技術者→工事担任者(総合通信)で、「電気通信技術の基礎」「端末設備の接続のための技術及び理論」の2科目が免除され、実質「法規」1科目に集中できる(筆者の実体験)
  • どちらのルートでも学習の土台となる基礎知識・法規の骨格は共通するが、設備及び設備管理といった科目の専門性は電気通信主任技術者の方が高い
  • 就職の入り口としては工事担任者、実務経験を積みながらの設備監督的な立場を目指すなら王道ルート、既に電気通信主任技術者を持っているなら逆ルート、という目的別の判断軸がある
  • 免除条件は年度・資格区分によって細かく変わるため、出願前に必ず日本データ通信協会 電気通信国家試験センターの公式情報で確認する

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    第一級デジタル通信の基礎から法規まで押さえる標準テキスト。

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