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【令和8年度】一級建築士 学科「法規」直前予想問題15問|解答・解説付き

一級建築士の学科試験まで残りわずかとなったこの時期、法規科目に対して「法令集は引けるようになったが、どの論点が本番で問われやすいのか自信が持てない」という不安を抱えている受験生は多いのではないでしょうか。法規は法令集の持込みが認められる唯一の科目であり、暗記量そのものよりも、頻出論点を把握したうえで法令集を素早く正確に引けるかどうかが得点を左右します。この記事では、直前期の総仕上げとして使える予想問題を15問用意しました。

本問題集は筆者(当サイト)が独自に作成した予想問題であり、実際の試験問題の的中や出題を保証するものではありません。受験にあたっては最新の法令・公式発表をご確認ください。特に法規科目は条文の数値や区分が改正によって変わることがあるため、本記事の内容も参考情報の一つとして、必ずご自身の法令集・国土交通省の公表資料と照らし合わせてください。

この記事の使い方はシンプルです。まず次の章で出題傾向と本記事の対応関係を確認し、自分が手薄だと感じる分野から解いてください。各問題には四肢択一形式で選択肢を用意し、解答のあとに正誤の理由と出題根拠をまとめています。間違えた問題や理解があいまいだった論点は、解説内でリンクしている当サイトの単元記事に戻って復習することをおすすめします。

法規は「知っているかどうか」ではなく「法令集のどこにその答えがあるかを瞬時に判断できるかどうか」を試す科目です。この予想問題を解きながら、実際に自分の法令集の該当条文を開いてみる、という使い方をすると、問題演習と法令集の練習を同時に進められます。


出題傾向と予想の考え方

本試験の法規科目は30問で構成されており、単体規定(用語・面積・高さの算定、防火・避難、設備・構造関係規定)、集団規定(道路・用途地域、建蔽率・容積率)、手続き規定(確認申請・完了検査等)、そして建築基準法以外の関連法規(建築士法・バリアフリー法・耐震改修促進法・品確法・都市計画法・消防法等)という複数の領域から出題されます。この記事の15問は、本試験の分野配分を踏まえつつ、直前期に特に押さえておきたい頻出論点に絞って構成しました。

分野 頻出度 対応する問題番号
用語の定義・面積/高さの算定 問1・問2・問3
確認申請・完了検査等の手続き(四号特例見直し含む) 問4・問5
防火・耐火/避難規定 問6・問7・問8・問9
道路・用途地域/建蔽率・容積率 問10・問11
構造規定 問12
設備規定 問13
建築士法 問14
関連法規(品確法・耐震改修促進法・バリアフリー法・都市計画法・消防法等) 問15

特に2025年4月に施行された建築基準法改正(いわゆる四号特例の見直し・新2号建築物と新3号建築物への再編)は、近年の法改正の中でも試験で狙われやすい論点だと筆者は考えています。改正から日が浅い制度は、単なる暗記ではなく「何のためにこの改正が行われたのか」という背景とセットで理解しておくと、選択肢の正誤判断がしやすくなります。


予想問題15問

問1 建築基準法の用語(主要構造部と構造耐力上主要な部分)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根及び階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁や最下階の床などは含まれない。
  2. 構造耐力上主要な部分には、基礎、基礎ぐい、土台、筋かい等の斜材が含まれ、これらは主要構造部にも含まれる。
  3. 主要構造部は防火・避難の観点から定義された概念であり、構造耐力上主要な部分は構造安全性の観点から定義された概念である。
  4. ある建築物の外壁を支える柱は、主要構造部であると同時に構造耐力上主要な部分にも該当しうる。

解答・解説

正答:2

  • 1は正しい記述です。主要構造部は建築基準法第2条第五号で定義され、建築物の構造上重要でない間仕切壁・最下階の床・小階段等は除かれます。
  • 2は誤りです。基礎、基礎ぐい、土台、筋かい等の斜材は「構造耐力上主要な部分」(建築基準法施行令第1条第三号)には含まれますが、「主要構造部」の定義には含まれません。両者は似た用語でありながら範囲が異なる、という点が法規科目の定番の引っかけです。
  • 3は正しい記述です。主要構造部は防火・避難上の観点、構造耐力上主要な部分は構造安全性の観点から、それぞれ別の目的で定義された概念です。
  • 4は正しい記述です。外壁を支える柱のように、両方の定義に同時に該当する部材も多くあります。

用語の定義は法規科目全体の土台であり、毎年のように出題される最頻出論点の一つです。詳しくは建築基準法の用語・面積・高さの算定で整理しています。


問2 面積の算定(建築面積・床面積・延べ面積)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築面積は、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を原則とする。
  2. 軒、ひさし、はね出し縁等で、外壁等の中心線から水平距離1m以上突出する部分がある場合、その先端から水平距離1m後退した線までを建築面積に算入する。
  3. 建築物の地階でその天井が地盤面から高さ1m以下にあるものは、その階の床面積の全部を延べ面積に算入しなければならず、容積率算定上の緩和は一切認められない。
  4. 延べ面積は各階の床面積の合計であり、共同住宅の共用の廊下・階段等の部分は、容積率の算定の基礎となる延べ面積には算入しない取り扱いがある。

解答・解説

正答:3

  • 1・2は正しい記述です。建築面積の原則的な算定方法と、軒・ひさし等の突出部分の取り扱い(1m以下の突出は建築面積に算入しない)は、面積算定の基本ルールです。
  • 3は誤りです。地階の住宅・老人ホーム等の用途に供する部分については、床面積の一定割合を上限として、容積率算定用の延べ面積から不算入とする緩和が設けられています。「一切認められない」という言い切りが誤りです。
  • 4は正しい記述です。共同住宅の共用の廊下・階段部分は、居住の実質的な床面積とは性質が異なるという考え方から、容積率算定用の延べ面積に不算入とする扱いが設けられています。

面積の算定は数値そのものより「どの部分が算入され、どの部分が不算入か」という考え方の理解が問われます。建蔽率・容積率と高さ制限の基礎もあわせて参照してください。


問3 建築物の高さ・階数の算定

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 屋上部分に設ける階段室・昇降機塔等で、その水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下であり、かつ、その部分の高さが一定の基準以下であるものは、原則として建築物の高さの算定に算入しない取り扱いがある。
  2. 建築物の高さの算定に用いる地盤面は、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さによるのが原則であり、高低差が大きい場合には、一定の範囲ごとに区域を分けて平均の高さを算定する取り扱いがある。
  3. 棟飾りや防火壁の突出部分など、屋上に設ける小規模な突出物は、その規模にかかわらず常に建築物の高さに算入しなければならない。
  4. 建築物の階数の算定においても、屋上部分の階段室・昇降機塔等のうち水平投影面積が小さいものについて、高さの算定と同様に階数に算入しない取り扱いがなされる場合がある。

解答・解説

正答:3

  • 1は正しい記述です。屋上突出物の水平投影面積が建築面積の1/8以下であることは、高さの算定除外を判断する代表的な基準です。
  • 2は正しい記述です。高低差が大きい敷地では、地盤面の算定を一律に行うと不合理になるため、一定の範囲ごとに区域を分けて平均の高さを算定する仕組みがあります。
  • 3は誤りです。棟飾り・防火壁の突出部分等の小規模な屋上突出物は、原則として建築物の高さに算入しない取り扱いがされており、「常に算入しなければならない」という言い切りは誤りです。
  • 4は正しい記述です。階数の算定でも、屋上の階段室・昇降機塔等の小規模な部分は算入しない取り扱いがなされる場合があります。

高さ・階数の算定は、具体的な数値そのものより「何が例外的に不算入となるのか」という考え方を問う出題が多い単元です。


問4 確認申請と四号特例の見直し(新2号・新3号建築物)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 2025年4月に施行された建築基準法改正により、従来「四号建築物」と呼ばれていた木造小規模建築物の区分は、新2号建築物と新3号建築物に再編された。
  2. 新3号建築物に区分される木造平屋建て(延べ面積200㎡以下等)は、改正後も、確認申請における構造関係規定等の審査省略(いわゆる四号特例)の対象であるという扱いが維持されている。
  3. 木造2階建てや、延べ面積200㎡を超える木造平屋建てなど新2号建築物に区分される建築物は、改正後は構造関係規定・省エネ関係規定等の審査が新たに必要になった。
  4. 四号特例の見直しは、構造安全性や省エネ性能の確保とは無関係に、確認申請の手続きを簡素化する目的だけで行われた改正である。

解答・解説

正答:4

  • 1〜3は正しい記述です。2025年4月施行の改正で、従来の四号建築物は新2号建築物(審査省略の対象から外れ、構造関係規定・省エネ関係規定等の審査が必要)と新3号建築物(従来どおり審査省略の対象)に再編されました。
  • 4は誤りです。この改正は、木造住宅を含めたより広い範囲で構造安全性・省エネ性能の確保を図ることを目的としたものであり、手続きの簡素化のみを目的としたものではありません。むしろ審査対象は拡大しています。

改正から日が浅い制度は狙われやすい論点です。「どの区分の建築物が、どこまで審査を省略されるか」という対応関係を建築確認・完了検査と手続きの基礎で整理しておくことをおすすめします。


問5 確認済証・中間検査・検査済証と仮使用認定

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 建築主は、確認済証の交付を受ける前であっても、工事の一部に着手することができる。
  2. 特定行政庁が指定する特定工程を含む工事では、中間検査に合格し中間検査合格証の交付を受けるまで、それより後の特定工程に係る工事に進むことはできない。
  3. 検査済証は、建築確認の際に交付される書類であり、完了検査とは無関係に建築主が任意に取得するものである。
  4. 安全上・防火上・避難上支障がないと認められる場合であっても、検査済証の交付を受ける前に建築物を使用することは、いかなる場合も認められない。

解答・解説

正答:2

  • 1は誤りです。確認済証の交付を受けなければ着工できないという原則があり、交付前の着工は認められません。
  • 2は正しい記述です。特定工程を含む工事では、中間検査合格証の交付を受けるまで後続工程に進むことはできません。
  • 3は誤りです。検査済証は工事完了後の完了検査に合格した場合に交付される書類であり、建築確認の際に交付されるものではありません。
  • 4は誤りです。原則として検査済証交付前の使用は制限されますが、安全上・防火上・避難上支障がないと認められる場合には、仮使用認定によって例外的に使用が認められることがあります。

手続き系の単元は「誰が」「いつ」「何を確認し、何が交付されるか」という時間軸の理解が問われます。詳しくは建築確認・完了検査と手続きの基礎を参照してください。


問6 防火・耐火規定と防火区画

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 防火区画は、火災による損害を一定範囲にとどめるため、床面積や用途、階数等に応じて建築物の内部を防火性能のある壁・床等で区切る規定の総称である。
  2. 面積区画は、一定の床面積ごとに防火区画を設けることで、火災が建築物全体に拡大することを防ぐことを目的とした区画である。
  3. 竪穴区画は、吹抜き部分や階段、昇降路など、上下階に火や煙が伝わりやすい竪穴状の部分を、他の部分と区画するための規定である。
  4. 異種用途区画は、事務所と共同住宅など、防火上の危険性の程度が同じ用途同士を区画するために設けられた規定であり、危険性の異なる用途間には適用されない。

解答・解説

正答:4

  • 1〜3は正しい記述です。防火区画には面積区画・高層区画・竪穴区画・異種用途区画といった種類があり、それぞれ目的が異なります。
  • 4は誤りです。異種用途区画は、防火上の危険性の程度が異なる用途(火気を使用する用途とそうでない用途など)が同一建築物内に併存する場合に、その危険性の違いを踏まえて区画することを目的とした規定です。「危険性の程度が同じ用途同士を区画する」という説明が逆になっています。

防火区画は「何のための区画か」という目的の違いで整理すると覚えやすくなります。防火・耐火と防火区画の基礎もあわせて確認してください。


問7 内装制限

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 内装制限は、建築物の外壁の仕上げ材料に関する規定であり、室内の仕上げには適用されない。
  2. 内装制限は、火気を使用する室や大規模な建築物の居室等を対象に、壁・天井の仕上げに難燃材料以上の性能を持つ材料を用いることなどを求める規定であり、初期火災の拡大防止と避難時間の確保を目的としている。
  3. 内装制限の対象となる部分・仕上げ材料の水準は、建築物の用途・規模にかかわらず全国一律に同一の基準が適用される。
  4. 内装制限は避難規定の一部であり、防火区画や耐火建築物の規定とは全く関係がない。

解答・解説

正答:2

  • 1は誤りです。内装制限は室内(壁・天井)の仕上げ材料に関する規定であり、外壁の仕上げを対象とするものではありません。
  • 2は正しい記述です。内装制限は火気使用室や大規模な居室等を対象に、内装仕上げの燃えにくさを求めることで、初期火災の拡大防止と避難時間の確保を図る規定です。
  • 3は誤りです。内装制限の対象・水準は建築物の用途・規模によって異なり、全国一律に同一の基準が適用されるわけではありません。
  • 4は誤りです。内装制限は防火区画・耐火建築物の規定などと合わせて、建築物全体の防火性能を確保する体系の一部として位置づけられます。

問8 避難施設(歩行距離・二方向避難・重複区間)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 直通階段までの歩行距離は、居室の各部分から避難階段等に至るまでの実際の歩行経路に沿って算定される。
  2. 2以上の直通階段を設けなければならない建築物において、それぞれの階段に至る経路が一部重複する場合、その重複区間の長さは、規定の歩行距離の1/2を超えてはならないとされている。
  3. 二方向避難の考え方は、一つの避難経路がふさがれた場合でも、もう一つの避難経路を使って安全に避難できるようにすることを目的としている。
  4. 重複区間の長さに関する制限は、廊下の幅員にのみ適用されるものであり、直通階段までの歩行距離の算定とは無関係である。

解答・解説

正答:4

  • 1〜3は正しい記述です。歩行距離は実際の歩行経路に沿って算定され、二方向避難の趣旨は避難経路の冗長性の確保にあります。2以上の直通階段への経路が重複する区間の長さは、歩行距離の1/2を超えてはならないという制限があります。
  • 4は誤りです。重複区間の制限は廊下幅員の規定ではなく、直通階段までの歩行距離の算定・二方向避難の実効性に直接関わる規定です。

避難規定は防火区画とセットで「火災時にどう逃げるか」という一連の流れで理解すると定着しやすくなります。避難施設の基礎もあわせて確認してください。


問9 非常用進入口・非常用の昇降機

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 非常用の昇降機は、高さ31mを超える建築物について、原則として設置が義務づけられている。
  2. 非常用の昇降機は、消防隊が火災時に使用する専用のエレベーターであり、平常時に一般の利用者が使用することは一切認められていない。
  3. 非常用進入口は、原則としてすべての階に設置しなければならず、代替進入口による設置の省略は認められていない。
  4. 非常用の昇降機の設置義務は、建築物の階数にかかわらず、延べ面積のみによって判定される。

解答・解説

正答:1

  • 1は正しい記述です。高さ31mを超える建築物には、原則として非常用の昇降機の設置が義務づけられています。
  • 2は誤りです。非常用の昇降機は平常時には一般の乗用エレベーターとして使用され、火災時に消防隊の活動用として切り替えて使用されるものです。
  • 3は誤りです。非常用進入口は主に一定階数以上の階を対象とした規定であり、代替進入口(バルコニーや窓など一定の要件を満たす開口部)が設けられている場合には設置が省略できる仕組みがあります。
  • 4は誤りです。設置義務の判定は主に建築物の高さ(31m超)を基準としており、延べ面積のみで判定されるものではありません。

高さを基準とする規定は数値が明確で出題しやすい論点です。建築基準法の建築設備関係規定もあわせて参照してください。


問10 道路・用途地域(接道義務・混在用途地域の扱い)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築物の敷地は、原則として、幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない。
  2. 敷地が2以上の用途地域にわたる場合、建蔽率・容積率は、それぞれの用途地域に属する敷地の部分の面積に応じて按分して算定する。
  3. 敷地が2以上の用途地域にわたる場合、用途制限については、敷地の各部分ごとにそれぞれ異なる用途地域の制限が適用され、按分という考え方は用いられない。
  4. 用途地域は、都市計画において土地利用の方向性を定める仕組みであり、住居系・商業系・工業系など複数の系統に分類される。

解答・解説

正答:3

  • 1・2・4は正しい記述です。接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)は集団規定の土台となる基本原則であり、建蔽率・容積率は敷地が2以上の用途地域にわたる場合、面積按分によって算定します。
  • 3は誤りです。用途制限については、敷地の各部分ごとに異なる用途地域の制限を適用するのではなく、敷地の過半が属する用途地域の制限が敷地全体に適用されるという考え方(過半主義)が採られています。建蔽率・容積率は按分、用途制限は過半主義という使い分けが、この単元の定番の出題ポイントです。

用途地域と集団規定の基礎で用途地域と接道義務の関係を整理しておくことをおすすめします。


問11 建蔽率・容積率(角地緩和・前面道路幅員による容積率制限)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 街区の角にある敷地(角地等)であって特定行政庁が指定するものについては、建蔽率の上限に一定の緩和(加算)が認められる場合がある。
  2. 防火地域内にある耐火建築物等については、建蔽率の緩和は認められておらず、他の建築物と同じ上限がそのまま適用される。
  3. 前面道路の幅員が12m未満の敷地では、都市計画で指定された容積率と、前面道路の幅員に用途地域の区分に応じた法定乗数を乗じた数値とのうち、小さいほうの数値が実際に適用される容積率となる。
  4. 建蔽率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延べ面積の割合を表す指標であり、性質の異なる規制である。

解答・解説

正答:2

  • 1・3・4は正しい記述です。角地等の緩和、前面道路幅員による容積率の制限(指定容積率と法定乗数による数値のうち小さいほうを採用)、建蔽率・容積率の性質の違いは、いずれも基本的な考え方です。
  • 2は誤りです。防火地域内にある耐火建築物等については、建蔽率の上限に一定の緩和(加算)が認められています。角地緩和と重なる場合はさらに加算されるという構造も、あわせて押さえておきたいポイントです。

建蔽率・容積率と高さ制限の基礎で、緩和の考え方と高さ制限の全体像をあわせて確認してください。


問12 構造規定(構造計算のルートと高さ60m超の建築物)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築物の構造計算には、許容応力度計算、許容応力度等計算(いわゆるルート2)、保有水平耐力計算(いわゆるルート3)など、規模・構造種別に応じて複数の手法(ルート)が用意されている。
  2. 限界耐力計算は、建築物の変形性能や減衰性能を考慮して安全性を検証する計算手法の一つであり、許容応力度計算等とは異なる考え方に基づいている。
  3. 高さ60mを超える建築物(いわゆる超高層建築物)については、時刻歴応答解析等による安全性の確認を行い、国土交通大臣の認定を受けることが求められる。
  4. 構造計算によって安全性を確かめた建築物は、確認申請の審査において構造計算適合性判定を受ける必要が一切なく、通常の確認審査のみで足りる。

解答・解説

正答:4

  • 1〜3は正しい記述です。構造計算のルートは規模・構造種別に応じて複数用意されており、高さ60m超の超高層建築物には時刻歴応答解析等による大臣認定が求められます。
  • 4は誤りです。一定規模以上の建築物については、確認申請の審査とは別に、構造計算が適正に行われているかを専門的にチェックする構造計算適合性判定を受ける必要があり、「一切ない」という言い切りは誤りです。

構造規定は仕様規定と構造計算という2つの手法の関係を理解することが出発点です。建築基準法の構造関係規定もあわせて参照してください。


問13 建築設備関係規定(採光・換気)

次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 居室の採光に必要な開口部の面積の割合は、住宅の居室等では床面積の1/7以上を原則としつつ、2023年の基準改正により、一定の要件を満たす場合には1/10以上まで緩和できるようになった。
  2. 居室の換気に必要な開口部の面積の割合は、原則として床面積の1/7以上とされており、採光規定と全く同じ基準が適用される。
  3. 居室に機械換気設備等を設けた場合であっても、換気に有効な開口部を別途必ず設けなければならず、設備による代替は認められていない。
  4. 採光に有効な開口部の面積を算定する際には、窓の形状や取り付け位置にかかわらず、常に窓面積の実測値がそのまま採光有効面積となる。

解答・解説

正答:1

  • 1は正しい記述です。住宅の居室等における採光に必要な開口部の割合は床面積の1/7以上が原則ですが、2023年の基準改正により、一定の要件を満たせば1/10以上まで緩和できるようになりました。
  • 2は誤りです。換気に必要な開口部の割合は原則として床面積の1/20以上とされており、採光規定(1/7)とは異なる基準です。
  • 3は誤りです。居室に機械換気設備等を設けた場合には、換気のための開口部の設置義務が適用除外となる仕組みがあります。
  • 4は誤りです。採光有効面積の算定では、窓の向きや隣地境界線との位置関係等に応じた補正(採光補正係数)が用いられ、窓面積の実測値がそのまま採光有効面積になるわけではありません。

採光・換気の規定は近年改正があった論点でもあり、直前期に押さえておきたい単元です。建築基準法の建築設備関係規定もあわせて確認してください。


問14 建築士法(資格区分・免許・建築士事務所・懲戒)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築士の資格は一級建築士・二級建築士・木造建築士に区分され、上位の資格ほど設計・工事監理を行うことができる建築物の規模・構造の範囲が広くなる。
  2. 一級建築士の免許は国土交通大臣が、二級建築士・木造建築士の免許は都道府県知事が、それぞれ付与する。
  3. 業として設計・工事監理等を行おうとする建築士は、原則として建築士事務所として登録を受ける必要がある。
  4. 建築士が業務に関して法令違反等を行った場合の懲戒処分には戒告や業務停止があるが、免許の取消しという最も重い処分は制度上設けられていない。

解答・解説

正答:4

  • 1〜3は正しい記述です。建築士の資格区分・免許の付与主体・建築士事務所登録の考え方は、建築士法の基本的な枠組みです。
  • 4は誤りです。建築士法上の懲戒処分には戒告・業務停止のほかに免許の取消しという、違反の程度が重い場合に科される処分も設けられています。「制度上設けられていない」という説明は誤りです。

建築士法は関連法規の中でも出題頻度が高い法令です。建築士が押さえる関連法規で他の関連法規とあわせて整理してください。


問15 関連法規総合(品確法・耐震改修促進法・バリアフリー法・都市計画法・消防法)

次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)は、新築住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分について、事業者が引渡しから10年間の瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負うことを義務づけている。
  2. 建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)は、既存建築物の耐震診断・耐震改修を促進することを目的としており、一定の建築物について耐震診断の実施や結果の報告を求める仕組みが設けられている。
  3. バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)は、建築物のみを対象とした法律であり、道路や公共交通機関の旅客施設は対象に含まれない。
  4. 建築確認の手続きにおいては、建築主事等が消防長又は消防署長の同意を得なければならないとされており、これを消防同意という。

解答・解説

正答:3

  • 1・2・4は正しい記述です。品確法の10年間の瑕疵担保責任、耐震改修促進法の趣旨、建築確認における消防同意の仕組みは、いずれも関連法規の基本論点です。
  • 3は誤りです。バリアフリー法は建築物だけでなく、旅客施設・車両等・道路・都市公園といった都市の様々な要素も対象に含む点が特徴であり、「建築物のみを対象」という説明は誤りです。

関連法規は個別の条文を深く覚えるよりも、法令ごとの目的の違いを軸に整理するのが効率的です。建築士が押さえる関連法規で全体像を確認しておいてください。


直前チェックリスト

  • 主要構造部と構造耐力上主要な部分の違い(基礎・土台・筋かい等は構造耐力上主要な部分のみに含まれる)を説明できるか
  • 軒・ひさし等の建築面積への算入ルール(1m突出の考え方)を説明できるか
  • 屋上突出物(階段室・昇降機塔等)の高さ・階数への算入除外の考え方(水平投影面積の割合)を説明できるか
  • 新2号建築物・新3号建築物の区分と、四号特例見直し後の審査省略の有無を説明できるか
  • 確認済証・中間検査合格証・検査済証の交付タイミングと、仮使用認定の関係を時系列で説明できるか
  • 防火区画の4種類(面積区画・高層区画・竪穴区画・異種用途区画)の目的の違いを説明できるか
  • 内装制限の対象・目的(初期火災の拡大防止・避難時間の確保)を説明できるか
  • 二方向避難と重複区間の考え方(歩行距離の1/2ルール)を説明できるか
  • 非常用の昇降機(高さ31m超)と非常用進入口の設置基準・代替進入口の考え方を説明できるか
  • 接道義務(4m/2m)と、敷地が2以上の用途地域にわたる場合の按分・過半主義の使い分けを説明できるか
  • 建蔽率・容積率の緩和(角地・防火地域内の耐火建築物)と前面道路幅員による容積率制限の考え方を説明できるか
  • 構造計算のルート(許容応力度計算・保有水平耐力計算・限界耐力計算等)と高さ60m超の建築物の扱いを説明できるか
  • 採光(1/7・改正後1/10)・換気(1/20)の開口部規定と設備による代替の考え方を説明できるか
  • 建築士法上の資格区分・免許付与主体・建築士事務所登録・懲戒処分の全体像を説明できるか
  • 品確法・耐震改修促進法・バリアフリー法・都市計画法・消防法など関連法規それぞれの目的の違いを一言で説明できるか

まとめ

法規科目の本番では、時間配分が得点を大きく左右します。1問あたりにかけられる時間は限られているため、条文の場所にすぐ見当がつく問題から手をつけ、法令集を引く時間がかかりそうな問題は後回しにする、という判断を早めにできるかどうかが重要だと筆者は考えています。この予想問題で間違えた論点は、解答を覚えるのではなく、必ず自分の法令集で該当条文を開き直し、線引きの位置を確認しておいてください。直前期は新しい知識を増やすことよりも、すでに理解している論点を法令集からすぐに引き出せる状態に仕上げることに時間を使うほうが、本番での得点に直結します。


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